北京・胡同窯変

北京。胡同歩きが楽しい。このブログは胡同のあんな事こんな事を拙文と写真で気ままに綴る胡同お散歩日記です。本日も歩きます。

第63回 紫竹庵胡同20・上馬石から再び石臼への旅

2015-11-18 11:01:01 | 通州・胡同散歩
写真は、前回ご紹介した大きな石臼の一部のある辺りから進行方向正面。
撮影は2015年1月。




右側の家。



正面。



住所表示板、中国語で門牌(menpai)が二枚貼られている。
一枚は「紫竹庵胡同」とあり、もう一枚には、「紫竹庵」とある。
この胡同の名前の移り変わりが反映されている。ただ、プレートの新しい方が「紫竹庵」と
ある点が興味深い。

階段の両脇に置かれた長方形の石に注目していただきたい。
この界隈の胡同ではよく見受けられるものだ。
この二つの石、私にはかつて地位の高い人たちが使用した「上馬石(shangmashi)」の
名残りのように思われる。
次の写真が「上馬石」である。写真は『北京的胡同四合院』(北京燕山出版社)より。


「上馬石」とは、馬に乗り降りする時に使う石製の踏み台。

次の「上馬石」は首都博物館に展示されていたもの。
彫り飾りのある豪華なもの。なお、石の前に置かれた説明書きは背後の壁に掛けられている
泰山石敢当のもの。




上の家から少し行くと、右側に路地。



行き止まり、袋小路。中国語で「死胡同」。


上の写真の路地斜め前、清楚な白いドアの家。
今年1月に撮影。



次のものは今年9月に撮った。



幸い住民のお一人がいたので中を少し拝見することが出来た。


私が現在歩いている界隈の胡同に見られる住宅の外観は、北京で見かけるそれのように決して
豪華なものではない。しかし、玄関をくぐり一歩内部に入るとよく整っていることは特筆に値
するように思われる。北京は人とモノの集積地だが、それらの移り変わりの速度が速い。それ
に対して郊外にある通州はそれらの変化がゆったりしている。こんなことも影響しているのか
も知れない。

その隣は、やはり路地。



次の写真は、白いドアの家の少し前から胡同正面。
撮影は今年の6月。




少し進んで、路地の辺りから前方。
今年1月に撮影したものだ。


次の写真もほぼ同じ場所から撮影。撮影日は今年の4月である。




クルマの先、右側の家。明るい青色のドアが印象的だった。


この家の階段の両脇にも長方形の石がある。




青色のドアの家の前にシャッター設備のある家があった。
撮ったのが今年の1月だったので厚手のカーテンが掛けてある。



同じ家を斜め手前から写した。
撮影は今年の6月。シャッターがおろしてあった。





ここで留意したいのは、シャッターがおろされていることではない。そうではなく写真左下を
ご覧いただくとお分かりのように前回もご紹介した石臼の一部がごく自然に置いてある点だ。
この界隈の胡同の住民の心の深層には石臼が置かれているのかも知れない。


   
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