国会の質問も答弁も同じ言葉の羅列、これって何
国会がはじまるといつも思うことであるが、政府(首相)の答弁を求める質問の項目も内容も、同じものを各野党の代表が展開する。それに対し政府(首相)も同じ答弁を繰り返す。
これって何。
国の最高機関である国会の権威は何処にいったのであろうといつも思う。費やさなければならない必要な「政治の論議時間」を無駄に過ごしているばかりか、国費の浪費であるとさえ言いたい。
質問に立つ野党も、自ら存在を示そうとするのであろうが、果たして示しているものになっているのだろうか。
そのことが、今回の安倍首相の答弁の一場面のテレビ放映をみて痛感した。
29日の参議院における質疑の場面である。質問に立った民主党の神本議員に対する答弁であるが、例のごとく用意された原稿の棒読みにする中で、靖国参拝に対する回答のくだりであった。途端に、一気にまくしたてた早口の棒読みの場面である。
登壇する質問者の同じ内容に、同じ回答を続けてきた首相の、とりわけ国内外から批判を浴びている靖国参拝であるだけに「切れた一面」と見たが、この放映を見た方はどう受け止めたであろうか。
もちろん、だからと言って首相を擁護する気はない。「丁寧な国会答弁」を強調してきた首相である。「まくしたて口調」には強い不満を持つ。だが野党の資質の無さにも責任があろうと思うがどうだろうか。
代表質問であり、各党間のすり合わせは困難であろう。しかし、質問の重複を控える事前の協議はできないものであろうか。
自らの党の持ち味を生かし、内容を豊富化し、深く突っ込んだ質問を準備する。その答弁書を作成する官僚やスタッフを総動員させ、悩ませる国会論議ができないものか。
国会はこれから長丁場に入る。
各種委員会における質疑が展開されるだろう。とりわけ予算委員会は国民の注視するところである。今国会は混乱するものがないと、政府・与党は胡坐をかいているとも報じられている。そのようにさせてはならない。
特定秘密保護法の施行まで詰めなければならない課題がある。集団自衛権問題にしてもしかり、突出した中期防衛予算もある。さらに沖縄辺野古沖埋め立てに、住民の意思決定を無視するかの強引な方針も出されている。そして消費税と社会保障がある。
また、アベノミクスの仕上げともいわれている産業競争力強化についてもしかり。政治介入の教育行政しかり。胡坐をかかせてはならない課題が山積しているはずである。
これらの課題を、各党の代表がそれぞれ取り上げているならば、それこそ、形式的、棒読み回答、上っ面の質疑討論となることは必然であり、政府の思う壺であろう。
野党が、政府与党を詰めるためにも、A党は○○。B党は▽▽。C党は◇◇といった、課題のすり合わせができないものであろうか。このことの追求がなければ、国民にとって、国会論議は蚊帳の外となりかねない恐れを痛感する。まさに、民主主義の危機である。
今こそ、野党の責任が問われていると思うが、どうだろう。
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