廃棄物の物量報告と「除せんの徹底」の狭間に悩む
11月4日の「見当がつかない膨大な汚染廃棄物」のブログを見られた、東京の方から次のようなメールを頂いた。「ブログの廃棄物の物量には、さすがに声がありません。いったい、どのように処理をするのでしょうか。いつまで放置しているのでしょうか」。
この間、多くの皆さんが、除せんの徹底を求めて声を上げられた。しかし、その結果発生するだろう物量を、どのくらいと考えていただろうか。その廃棄物をどう処理するのかを考えたであろうか。
時を同じくして、郡山市の小学校の校庭の土、5センチメートルをはぎ取る取り組みが行われた。県内ではじめての試みであった。だが、当初予定した場所への移動は、住民の反対によって実現しなかった。
校庭の隅に出来た「小高い土の山」がテレビで報道された。時を同じくして、東京でも「福島の子どもを守れ」の集会がもたれ、避難と除せんのスローガンが放映された。
その「土の小山」を見て、複雑な想いをいだいた事を今でも記憶している。
さて物量だが、かく言う私も地元にいながら、しかも、集められた廃棄物を覆っているビニールシートの山を、ここかしこで見ていながら、これほど膨大なものになるとは考えてもみなかった。
よく「東京ドーム・何杯分」という表現を用いることがある。それでは発生する廃棄物の3000万トンは、ドームの何杯分か。
ここに、2012年3月13日の毎日新聞の記事がある。今回の震災による東北3県の瓦礫の量は2100万トン。これは東京ドーム8.5個分と解説している。瓦礫と汚染廃棄物は異なるが容積はさして変わらないだろう。
瓦礫であれば「穴にごそっと埋めればよい」。だが、対象は放射能汚染物である。防護資材と設備も必要である。地下水脈もある。岩盤の質もあろう。ドームのような深い「すり鉢」を掘ることは考えられない。また管理棟も必要であろう。となれば東京ドーム10個どころか、その2倍・3倍の広さが必要となるのではなかろうか。どなたか解説してくれないかと思う。
さて、4日以降3回にわたり、除せんと廃棄物について書いてきた。書きながら迷い、そして悩んだ。科学的知識の無い者がという、ためらいと次のような批判があるだろうと考えたからである。
しかし、書き続けてきたのは、冒頭に紹介したメールを頂き、その事実は伝える必要を痛感したからである。
多分、次のような言葉が「ドドーン」突きつけられるような気がする。
今まで、貴方が述べてきた「膨大な廃棄物・・運搬能力不足・・中間貯蔵施設が出来たとたんに廃棄物は激増・・中間貯蔵も不足・・敷地内は最終処分場となりかねない・・加えて膨大な費用」などを述べることは、「除せんはできない、すべきではない・・空間線量年間1ミリシーベルト以上を容認する・・帰還は出来ない・・健康不安は仕方が無い」と言うことかと。
書いてきた以上、〆がなければならないが若干時間を頂きたいと思う。
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