縄文の風

「北黄金貝塚公園」を中心に
噴火湾沿岸の遺跡情報を発信します。

「縄文土器」の解読がおもしろい。

「円筒土器」05(少しのちがい)

2021年04月13日 | 円筒土器

入江貝塚と北黄金貝塚の同じ時期の円筒土器ですがちがいが分かるでしょうか。
この土器のちがいは、入江と北黄金の地域や環境のちがいを表しているのです。

・入江貝塚の土器は、北黄金貝塚と比べて丸みが感じられます。胴部に丸みを感じますし、底辺の角が落ちて丸みを感じます。底が見えないような海の深さを感じない。

・北黄金貝塚の方は、両辺が直線的で、底面が水平に切られた様に思えます。底の見えない深い海を感じる。

どの様に地形や環境がちがうのでしょうか。

入江貝塚の土器は口縁部分が山部が一度引っ込んでから外側に反り上がるようになっています。そして、そのままで緩やかな丘が海に伸びています。入江の縄文ヒトは谷を挟んで有珠山のすそ野にある高台で山を眺めるように生活していました。

北黄金貝塚は海に突き出した、なだらかな丘の上で生活しています。

土器の器形から、想像しています。縄文ヒトは、細かく地域や環境を土器に表現しているという事です。

この程度のちがいは誤差の範囲内だと思う人が多いと思いますが縄文ヒトにはいい加減という意識は無いと考えます。地形や環境をそのまま表すことに懸命になって製作したと思われます。
海の深さは「どちらが深い海」と土器を見て感じるかです。
遊び心を感じないのです。

おらの世界を土器に表す」が土器の姿です。

縄文楽 浄山

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