縄文土器・視点
これは「北黄金貝塚の縄文土器」です。
※上の段は「尖底土器」で下の段が「円筒型土器」といいます。
「尖底土器」は、先が尖っています。意味があるのです。
「円筒型土器」は不思議にも土器がほとんど同じ茶筒のような形に見えます。
「土器の形」は、どのような形か決められている様です。
それも、円筒型土器時代の貝塚を生成した期間は約800年間と聞いていますが、仮にその半分の400年間としても同じ円筒型土器を使用しているのです。何世代になるでしょうか。
どうも同じ遺跡の土器は同じ形をしているし模様までも似ているのです。
これはなぜでしょうか 。
土器にはその形にしなくてはならない、模様にも同じ模様にしなくてはならない理由があるのです。
好き勝手に形を作ったり模様をつけたりしていけないのです。と言うよりも好き勝手にするということが意識に無くて浮かばないのです。この件は、今後の課題です。
生きる規範を守って常に生活をし遊びという意識を持っていないのです。
又、現在の学説では「土器の器形や模様は移る」というのが一般的な説です。
それに、簡単な形から複雑な形に「発展する」ともいわれます。この学説が通説だというのに疑問を感じます。
縄文ヒトが見ているものは自分のまわりの自然の環境しかありません。北黄金貝塚の場合は海と山と川に貝塚、水場、竪穴式住居などです。
これ以外に描くものは考えられません。これらの風景を土器に模しているのです。
どのようにすれば同じ形に作られるかは、考えてみれば当たり前のことです。
それは、いつも、身近に作る対象物があり、目の前に見たり接している風景があることなのです。
土器は自分の生活をしている地形や環境を器型と模様に施したものと考えています。
周りが山々であれば、山々を模したり、川があれば川を海があれば海を表現したりしている のです。
また、雨が多ければ積乱雲を、豪雪地帯は雪雲や雪崩を表していると思います。
おもしろいのは、特に名所と言われる景勝地を土器に施しているのです。
北海道の土器で温泉が描かれているのがありました。椴法華村の土器で底の方を見て下さい。
土器は生活をしている人の今住んでいる地形や環境を施しているのです。
・いつも、接している場です。
・いつも、見ている場です。
・いつも、世話になっている場です。
これらを「おらの世界」と言っています。
土器とは「おらの世界を表す」と言えます。
何のために・・自然に対し感謝と送りと償いをするしかないでしょう。
北黄金貝塚には「すべてのモノに命があり、すべてが生きる」「縄文の心」が掲示されています。
これが、土偶や土器の解読をする根底になるものと思います。
「縄文の心」を忘れないということです。
縄文楽 浄山(北黄金貝塚ガイド 小倉)
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます