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退職女のアメリカ便り

オーストラリアンシェパード、ジュンタのマミーのアメリカ、セントルイス生活

#187: “癌と戦うな”について

2013-12-17 23:23:49 | アメリカ便り
成田を発つ前にいつものように、空港で週刊新潮と文春を買いました。
布団の中で読むのにはもってこいの雑誌です。
というのは、中身はもちろん私向けなのですが、物理的な理由があるからです。
1ページ1ページが結構読みごたいがあるので、チョコチョコページをめくらなくても良いので、布団の中という“不精環境”にあっているのです。

昨晩、どっちの雑誌だったか忘れたけど、“癌と戦うな”を書いた人と、それに反論する人の意見がそれぞれ載っていました。
“癌と戦うな”と言う本、大抵の人がご存知かと思いますが、これを書いた人、最近もまだいろいろと、この種の本を書いているようです。
私には、この人は人間(癌患者)を科学、統計という方面でしか見ていない、非常に機械的な100%サイエンティストなように感じます。
それが悪いとは、言っていません。
ただ私や、今回の反論する人と意見が違うと言っているだけですが。

人間の人間たる本質はその“感情”にあると思います。
この人の意見は、その感情を100%無視している感じがします。

この人が言うには、癌には、助かる癌と助からない癌があり、“助からない癌は何をやっても助からないのだから、QOLを保持する為に、化学療法、放射線治療など体を消耗するような治療をせず、好きなことをやって、楽に暮らして死を待ったほうが良いし、助かる癌は治療しなくても助かるのだからほっといても良い”とのこと。

この人、"結果(生きるか死ぬか)”についてしか述べてないです。
その”結果”にたどり着くまでの、人が過ごしていかなくてはいけない“時間”と“感情”と言う事をまるっきり無視しています。

“何をやってもどうせ助からないのだから、何もするな”と医者に言われて、本当にその意見に従う人がいるでしょうか。
どんな人も、5%とかの希望に賭けるのではないでしょうか。
更には、医者に“どうせ助からないからほっとけ”と、希望を失うことを言われたら、患者自体それがショックでかえってQOLを損なう原因になるのではないでしょうか。
その反対に、“ほっといても良い癌だから、何もしなくても大丈夫”と言われて、何もしない人もいないと思います。
いつ悪性化するか、医学的にも定かではない癌を、体の中にほっとく人ほとんどいないと思います。
人間の感情は、プラス、マイナス見たいにはっきり行かないのです。

癌患者の感情は特に、その傾向が強いと思います。
癌患者とは、統計的データを基に接したらだめだと思います。

私がもし癌になったら最後まで戦い、5%のチャンスに賭けると思います。
そして、もし私が医者だったら、患者に対して“戦うな”とは絶対言わないと思います。

ハブグレのマミー