こ
向学心10-9
好奇心10-14
根気10-17
し
資格10-30
思考習慣 11-6
思考転換 11-11
自己主張
自己主張「頭を元気に
「自己主張をさぼるとぼける」
●演説を考える
政権交代してからはじめての選挙があります。候補者らの演説がニュースになります。自己主張の劇場化したものが演説です。
この演説。今日の朝日新聞(10年6月27日付け)の天声人語によると、「スピーチ」を「演説」と訳したのは、福沢諭吉、そして、今日が「演説の日」なんだそうです。
政治家の演説には、「口に蜜あり腹に剣あり」(天声人語より)、つまり、「口でうまいことを言いながら、腹にはとんでもないことを秘めている」ところが多いのは当然?ですが、それでも、口から出た内容で当落が決まってしまうことがありますから、恐いものです。
演説には、それを見せて聞かせて考えてもらう、時には、楽しませるというところがありますが、今回は、その演説者にあなたがなる話です。とはいっても、政治家の演説のように、大向こう受けをするような自己主張(演説)ではなく、目の前の相手に自分の考えや気持ちを伝えて受け入れてもらう静かな自己主張について、考えてみたいと思います。
● 自己主張あれこれ
ただ残念なことに、あるいは、不思議なことに、日本の組織文化の中では、自己主張はあまり評価されません。一言居士、小うるさい人となりがちです。やや大げさですが、これが、日本人の知性をひどく低下させていると私は思っています。
自己主張をすれば、反論が起こります。それにさらに反論するためには頭を働かせなくてなりません。それが知性を鍛えます。その機会が極端に少なくなっているのです。
教育、仕事、そして、家庭でも、自己主張を認める、いや、ポジティブに評価する文化を作る必要があると思っています。
こんな中での自己主張のすすめは、無謀かもしれませんが、頭をぼけさせないためにも、せめて仮想的にも自己主張をしてみてることをすすめます。
●頭を元気にする自己主張をするコツ
①事実と意見を分ける思考訓練をする
小論文の書き方のコツの一つに、事実と意見を分ける、というのがあります。なお、意見には、推論や判断を含みます。
「今日は快晴だ」は事実。「今日は晴れそうだ」は意見(推論)。
「この原稿は、自己主張について書いているが、つまらない」の前半は事実、後半は意見(判断)となります。
事実と意見とをこのように分ける訓練をすると、人の言う事を知的に受け止めることができるようなります。
自己主張は、言うまでもなく、意見のほうです。
②事実には疑問と追求を、意見には賛否と批判を
事実は事実だから何も言うことなし、という態度は、あまりよくありません。
「今日は快晴だ」という事実一つとっても、たとえば、「朝の天気予報と違うな」「昨日のあの豪雨はどうなったなかなー」といった因果的、連想的な思いをあれこれしてみることは、事実をより豊かな知識にするために大事です。
そして、意見については、「自分のそう思う」「いや、ちょっと違うじゃないかなー」とやってみるのです。そうすれば、必然的に、自分の思い(自己主張)が生まれてきます。
これも習慣にしておくと、頭の活性化には大変よいと思います。
③“I think――”で
対面での自己主張は、人によっては、かなりストレスフルな事態かもしれませんが、そこでのやり取り、反論があなたの主張を鍛えます。結果として、頭元気となります。
ただ、自己主張にも表現上の技があります。あれこれありますが、大事なことは、最初、「私は、反対です。私はこう思います」という表現を心がけることだと思います。
言いたいこと、結論を最初に言うことで、聞き手にしっかりと主張内容の理解のガイドをするのです。
そして、「私表現」によって、相手の主張はそれはそれで尊重しますというメッセージをこめるのです。
これは、あなたの主張の説得性を低めるところもありますが、状況をあまりストレスフルにしない効果がありますので、ストレスに弱い人にはおすすめです。