色の見えは物体や光の性質によって規定されるが、物体や光に色がついているわけではない。色は光が引き起こす感覚(主観的な体験)であり、眼に届いた光が、眼と脳(視覚系)で処理され、その結果として「色」という感覚が生じる。
(木村英司)
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ごく当たり前の心理学的な事実なのだが、
人間は、色が主観の産物だとはまったく意識していない。
物に付属する属性であると確固と信じている。
それを支えるのは、主観の公共性である。
誰もが雪は白という
石炭は黒いという。
ときおり、確かに、色も主観の産物であることを認識させられるのは
色名呼称の文化差である
虹は日本では7色であっても、ほかの文化では違う。
ことが感覚の領域ならともかく
これが事件、事故などといった複雑な現実認識の話となると
同じ認識の問題ではあっても、ことは複雑になる。