06・11・24 海保
現代用語の基礎知識に収録
● 自己実現(self-actualization)
出たばかりの芽が太陽の光に向かって自力で成長していくように、自分なりの理想像を求めて自分の能力をフルに活用して人生を生きること。マズローは、自己実現欲求を、欲求の5階層モデルにおいて、生理的欲求、安全、安心の欲求、所属と愛情の欲求、自尊の欲求の最上階に置いたことで知られる。
自立支援の究極のねらいは、弱い立場におかれがちな人々の自己実現欲求を満たせるようにすることと言って良い。
現代用語の基礎知識に収録
● 自己実現(self-actualization)
出たばかりの芽が太陽の光に向かって自力で成長していくように、自分なりの理想像を求めて自分の能力をフルに活用して人生を生きること。マズローは、自己実現欲求を、欲求の5階層モデルにおいて、生理的欲求、安全、安心の欲求、所属と愛情の欲求、自尊の欲求の最上階に置いたことで知られる。
自立支援の究極のねらいは、弱い立場におかれがちな人々の自己実現欲求を満たせるようにすることと言って良い。
02/9/9海保
ベネッセ ネット・インタビュー
【成績(絶対評価)について】
●保護者の不安・疑問
1)テストの点数がよくても、授業中の態度が悪いと「1」になることもある、と学校で言われたが、先生との相性が悪い子もいれば、贔屓されている子もいるので、成績表に先生の主観や好みは当然入っていると思う。
解答 絶対評価には、先生の主観が入りがちですが、今回は、4つの観点ごとに、評価規準を定めて評価することになっていますので、それほど心配はないと思います。
2)建て前としては、絶対に先生の主観、好みは入っていないと言うが、先生の本音が知りたい。点数の甘い先生と辛い先生がいる実態に、どう対処するつもりなのか。
解答 評価規準は単元の内容ごとに一様に決まっていますが、それぞれの到達度を3段階で評価するところに、先生の主観が入りがちです。しかし、これも、主観をできるだけ排除するように、ここまでできたらAにする、というものが作られていますので、かなり主観は排除されているはずです。
3)うちの子は典型的なテストの点はいいのに成績表がよくないというパターンです。具体的にどこがいけないからこの成績になったということが教えてもらえないですよね。それではいったいどこをどうしたらいいのかが子どもにわからないと思うのです。テストの点以外に何が成績表の点数に反映されるのか具体的に教えてもらいたいと思います。
解答 テストの点がよくて成績表(通知表の5段階の評定のこと?)がよくないのは、4つの評価の観点のうち、もっぱらテストではかる「知識・理解」が高い点で、それ以外の3つの評価の観点が低いことだと思います。これが、今回の絶対評価の大きな特徴です。通知表の評価の観点をよく吟味してみると、どこが悪いかがみえてくるはずですし、さらに詳しく知りたいときは、先生に面談のおりに尋ねてみることをおすすめします。
4)成績表はなんの役に立つのかよく分からない。クラス全員5だってありえるわけだし・・・。
解答 相対評価の通知表は、ただ一点のわかりやすさ、つまり集団の中での順位という点において大変すぐれていました。高校受験という目を通してみると、今回の絶対評価の通知表は何も有効な情報を提供してくれていないようにみえます。それはかなりあたってはいます。ただ、子どもの学校での日常的な学習活動に思いをはせてみてください。いつも隣の花子さんより高い点をとれるかどうかだけが学習の動機づけになっているような学習環境は、もっと大切なものを失わせているのではないでしょうか。
5)相対評価から絶対評価になって、観点が4つともA。でも成績が「3」でした。納得いかない。全国でちゃんと統一してほしい。
解答 すべての観点でA,]でも成績(5段階評定)は「3」は、絶対評価ではありえません。多分、成績(評定)は、従来通り、相対評価で行っているはずです。先生にお尋ねください。法律で義務づけられている指導要録のほうは絶対評価でつけることになっていますので、通知表とは違っているはずです。過渡期の混乱かもしれません。
6)絶対評価に変わって、成績表の見方が、良いのか、悪いのか、上がったのか、下がったのか、ただ単純によくわからない。
解答 相対評価のほうが、別の意味でわからないことが多かったはずです。40人クラスの順番だけしかわからなかったのですから。これに対して、絶対評価では、観点別に3段階ででていますから、相対評価のときより、よくよく見れば、はるかに学習活動の指針がたてやすくなっているはずです。
7)絶対評価の基準について、教科間や先生間で何らかの一定基準はあるのか。
解答 各学校で一番苦労しているのが、この点です。国立教育政策研究所からも膨大な評価規準の参考資料が提案されています。
今はまだすべての教科、単元で安定したものにはなっていませんが、次第に納得のいくところに収れんしていくのではないでしょうか。
●取材内容
8)評価方法が変わったことで、混乱が起きているようです。現状を教えてください。
解答
実は絶対評価のもとになっている4つの観点別評価は、すでに過去10年間の実施の実績があります。ただ、最終的な評定が5段階の相対評価でしたので、つい、子どもも保護者も、時には先生さえも観点別評価はおまけくらいの意味でしか参考にしてきませんでした。
今年から、同じ5段階評価が、絶対評価になりましたので、むしろ、子どもと保護者のほうに混乱が起きているというのが実情です。
この際、受験という目だけから子どもの勉強をみることをやめて、少し広い目でみてやれないでしょうか。
***
→「新しい評価方法に対応するのが手いっぱいで、授業に心の余裕がなくなった」という先生の声。現場の先生の現状は?
→「自分たちの子どもは、過渡期の実験台にされているのでは…」という保護者の不安・不満。こうした不安・不満の声は届いているのでしょうか?
****
9)「観点別評価」に対するとまどいが、先生にも保護者にもあるようです。
解答
今年導入された絶対評価は、正確には、目標(規準)準拠評価と呼ばれています。観点別に設定された各単元ごとの評価規準に基づいて評価をして、その総合として、学期末の評定をすることになります。
1,2度のペーパー試験で順位をつけて評定をすれば終わりだった相対評価の時にくらべれば、はるかに時間も労力もかかります。
ただ、評価規準は、実は、先生にとっては、指導目標になります。評価と指導とが一体になっているのが、今回の絶対評価の大きな特徴なのです。
それを実現するために、たとえば、観点別評価の観点である「意欲、関心、態度」を評価するために、子どもの提出物などをファイルしたり(ポートフォリア評価)、「表現、技能」を評価するためにには、実際にからだを動かして実験などができるかをみたりする(パフォーマンス評価)、新しい評価法も開発されています。
それにしても、授業中に一人一人の子どもにきちんと目を配らないと評価も指導もできませんので、大変だと思います。30人学級がはやく実現して、先生方の労力の低減がはかられてほしいものです。
***
→この「観点別評価」の仕方について、先生方には、どう説明されているのでしょうか?
→教科ごとに「観点」がいくつかありますが、現場の先生は、ひとりひとりを観点別にきちんと評価できるものなのでしょうか?
→また、そのポイントについて、保護者にはどう伝わっているのでしょうか?
10)「習熟度別クラス」における絶対評価のあり方はどうなっているのでしょうか?
解答 今回の絶対評価導入の当然の帰結として、目標を達成してしまった子どもと、目標未達成の子どもとがはっきりしてきますから、習熟度別クラス編成という話になります。
ただ、これは一つの選択枝であって、数学などのような積み上げ型教科では、効果が期待されますが、社会などのようなグループ学習が行われるところでは、社会的な技能を学ぶということも大きな目標になりますので、習熟度別クラスが最適ということにはなりません。
11)「達成不十分」とされた子どもについては、どのような対策が講じられていますか?
解答 達成不十分は、もしかすると、指導が悪かったからということもありえます。そのままほっておくわけにはいきません。土曜スクールや補充教材の学習、さらには教職志望の学生によるチュター制などの試みがなされるようになってきました。
12)「絶対評価では、贔屓が成績に反映されるのではないか」「辛い先生と甘い先生の差は出ないの?」保護者が最も気にしているところです。実際のところどうなのでしょう?
解答は、冒頭にあり。省略
【内申点・調査書(絶対評価)について】
●保護者の不安・疑問
1)北海道は1年生の成績から内申点に含まれるが、他の都府県ではどうなのか。我が家は1・2年生の時は部活に打ち込んでいたため、成績があまりよくなかった。3年生から急激に伸びたが、今までの成績が響いてトップ高合格は難しいと思われるが、難しくてもチャレンジしたほうがいいのだろうか。
解答 いつの内申点が入試に含まれるかは、県によって異なります。インターネット検索ができるようでしたら、高校入試をキーワードにして調べてみてください。ほとんどの県で高校入試のやりかたは、詳しく公表されています。
なお、ここ3年くらいは、高校入試の配点はかなりかわることが予想されます。ある県では、今年はまだ、内申点は相対評価で、というところもあります。
2)2年生のとき友達関係から保健室登校になり、内申点が悪くなってしまった。今頑張っているが、1度のつまずきが内申点重視では影響してしまい、やり直しが聞かなくなってしまう?
解答 内申点の怖さですね。しかし、今の高校入試の選抜方法はかなり多彩になってきています。ある県では、5教科試験成績で上位1割をまず取ってから、内申点と試験成績とを4対6の割合で5割をとり、などといった選抜をしたり、もちろん、推薦入試もあります。こうした子どもにも道は開かれているはずですので、よく調べてみてことをおすすめします。
3)全体的に内申が上がったのなら、志望校合格のための点数もやはり上がるのだろうか。
解答 絶対評価5,4は、インフレ評価と揶揄(やゆ)されるように、相対評価のときの5,4の人数よりはるかに多くなります。そうでなければ、先生の指導が悪いということになりますから、当然です。
ただ、その志望校が内申点をどのように使うかによって合否を分ける点数がかわります。
一般的に言うなら、たくさんの受験生が5,4にいるということは、それを合否判定に使っても、あまり差がつかないということになります。弁別力がないわけです。したがって、これも一般的な話ですが、当日行われる入学試験の成績が合否を分けるのにはより有効となります。
4)途中で転校する場合、地区によって評価方法が違うとどうなってしまうのか。内申点はどの時点からどの時点の成績が関係しているのか。
解答 絶対評価は、目標との関係で評価しますので、教科書が同じなら地区による違いはそれほどありません。また、どの時点からの内申点を使うかは、県によって違います。教育委員会で公表されていますので、調べ見てください。
5)絶対評価になったことにより、各中学校によって内申のつけ方がばらばらになり、内申点の信頼度が薄れてくるのでは? それにより、受験当日のテストの方が重要視されるのではないか。そうなると、ふだんの定期テストより、当日の入試向けの学習が
必要なのではないか。
解答 絶対評価により内申点の学校間差がでてくるのではという心配は、その通りです。目下、各県では、なんとか統一的な規準は作れないものかと腐心している段階です。
評価規準は単元内容から決められますから学校間差はありませんが、評価の得点化のところでは、たとえば、Aの数を一定にする、観点別評価の重みをそろえる、観点別達成度の総合の仕方を決めることは、入試で内申点を使う限り、最低限、やらなければならないことです。
6)授業内容の削減・絶対評価など、教育制度が大幅に変更され、今までの受験内容とは比べることができないので、入試が不安。
解答 今回の絶対評価の導入は、いわゆる「ゆとり教育」の総仕上げです。
入試だけに話しを限定すると、見事なほど、日常的な学習活動での評価と矛盾した話になってしまうようなところがあります。入試での「隣りの仲間との競争」から日常の学習活動の「学ぶべき内容との関係」へと転換しようというわけですから。
過渡期に伴うどうしようもない不安ですと申し上げてもなぐさめにはならないかと思いますが、そう言う以外にありません。
7)通知表は絶対評価なのに、受験は相対評価。子どもの位置付けがうまく把握できないのは、どうしたら良いのか?
解答 教育にも自己責任の原則が入り込んできています。「すべてを学校で」ではなく、みずから積極的に学校外の教育環境を活用することもあってよいのではないでしょうか。そこには、受験目的のところもあります。興味関心を喚起する目的のところもあります。スポーツ活動もあります。それらをもうまく活用して、子どもを幅広い教育活動へとガイドしてやることが、これからは大事になってくるように思います。
8)絶対評価になって、内申点は受験校を選ぶのに影響があるのか?
解答 3)の解答と同じなので省略
9)テストの点と通知表の関係。通知表の評価と受験校の関係。絶対評価になったことで、これらのつながりがわからない。
解答 テストの点は、評価の観点の「知識・理解」と「思考、判断」にほぼストレートに反映されます。通知表の評定は、これ以外に2つの観点の達成度を加味して決められます。
通知表と内申点とは、実は、まったく同じではありません。内申点は、高校側が提出を要求するものです。通知表は先生が子どもや保護者に日ごろの学習活動の成果を伝えるものです。
今回、絶対評価が導入されましたが、内申書は、従来の相対評価で提出を求める県もあります。
ベネッセ ネット・インタビュー
【成績(絶対評価)について】
●保護者の不安・疑問
1)テストの点数がよくても、授業中の態度が悪いと「1」になることもある、と学校で言われたが、先生との相性が悪い子もいれば、贔屓されている子もいるので、成績表に先生の主観や好みは当然入っていると思う。
解答 絶対評価には、先生の主観が入りがちですが、今回は、4つの観点ごとに、評価規準を定めて評価することになっていますので、それほど心配はないと思います。
2)建て前としては、絶対に先生の主観、好みは入っていないと言うが、先生の本音が知りたい。点数の甘い先生と辛い先生がいる実態に、どう対処するつもりなのか。
解答 評価規準は単元の内容ごとに一様に決まっていますが、それぞれの到達度を3段階で評価するところに、先生の主観が入りがちです。しかし、これも、主観をできるだけ排除するように、ここまでできたらAにする、というものが作られていますので、かなり主観は排除されているはずです。
3)うちの子は典型的なテストの点はいいのに成績表がよくないというパターンです。具体的にどこがいけないからこの成績になったということが教えてもらえないですよね。それではいったいどこをどうしたらいいのかが子どもにわからないと思うのです。テストの点以外に何が成績表の点数に反映されるのか具体的に教えてもらいたいと思います。
解答 テストの点がよくて成績表(通知表の5段階の評定のこと?)がよくないのは、4つの評価の観点のうち、もっぱらテストではかる「知識・理解」が高い点で、それ以外の3つの評価の観点が低いことだと思います。これが、今回の絶対評価の大きな特徴です。通知表の評価の観点をよく吟味してみると、どこが悪いかがみえてくるはずですし、さらに詳しく知りたいときは、先生に面談のおりに尋ねてみることをおすすめします。
4)成績表はなんの役に立つのかよく分からない。クラス全員5だってありえるわけだし・・・。
解答 相対評価の通知表は、ただ一点のわかりやすさ、つまり集団の中での順位という点において大変すぐれていました。高校受験という目を通してみると、今回の絶対評価の通知表は何も有効な情報を提供してくれていないようにみえます。それはかなりあたってはいます。ただ、子どもの学校での日常的な学習活動に思いをはせてみてください。いつも隣の花子さんより高い点をとれるかどうかだけが学習の動機づけになっているような学習環境は、もっと大切なものを失わせているのではないでしょうか。
5)相対評価から絶対評価になって、観点が4つともA。でも成績が「3」でした。納得いかない。全国でちゃんと統一してほしい。
解答 すべての観点でA,]でも成績(5段階評定)は「3」は、絶対評価ではありえません。多分、成績(評定)は、従来通り、相対評価で行っているはずです。先生にお尋ねください。法律で義務づけられている指導要録のほうは絶対評価でつけることになっていますので、通知表とは違っているはずです。過渡期の混乱かもしれません。
6)絶対評価に変わって、成績表の見方が、良いのか、悪いのか、上がったのか、下がったのか、ただ単純によくわからない。
解答 相対評価のほうが、別の意味でわからないことが多かったはずです。40人クラスの順番だけしかわからなかったのですから。これに対して、絶対評価では、観点別に3段階ででていますから、相対評価のときより、よくよく見れば、はるかに学習活動の指針がたてやすくなっているはずです。
7)絶対評価の基準について、教科間や先生間で何らかの一定基準はあるのか。
解答 各学校で一番苦労しているのが、この点です。国立教育政策研究所からも膨大な評価規準の参考資料が提案されています。
今はまだすべての教科、単元で安定したものにはなっていませんが、次第に納得のいくところに収れんしていくのではないでしょうか。
●取材内容
8)評価方法が変わったことで、混乱が起きているようです。現状を教えてください。
解答
実は絶対評価のもとになっている4つの観点別評価は、すでに過去10年間の実施の実績があります。ただ、最終的な評定が5段階の相対評価でしたので、つい、子どもも保護者も、時には先生さえも観点別評価はおまけくらいの意味でしか参考にしてきませんでした。
今年から、同じ5段階評価が、絶対評価になりましたので、むしろ、子どもと保護者のほうに混乱が起きているというのが実情です。
この際、受験という目だけから子どもの勉強をみることをやめて、少し広い目でみてやれないでしょうか。
***
→「新しい評価方法に対応するのが手いっぱいで、授業に心の余裕がなくなった」という先生の声。現場の先生の現状は?
→「自分たちの子どもは、過渡期の実験台にされているのでは…」という保護者の不安・不満。こうした不安・不満の声は届いているのでしょうか?
****
9)「観点別評価」に対するとまどいが、先生にも保護者にもあるようです。
解答
今年導入された絶対評価は、正確には、目標(規準)準拠評価と呼ばれています。観点別に設定された各単元ごとの評価規準に基づいて評価をして、その総合として、学期末の評定をすることになります。
1,2度のペーパー試験で順位をつけて評定をすれば終わりだった相対評価の時にくらべれば、はるかに時間も労力もかかります。
ただ、評価規準は、実は、先生にとっては、指導目標になります。評価と指導とが一体になっているのが、今回の絶対評価の大きな特徴なのです。
それを実現するために、たとえば、観点別評価の観点である「意欲、関心、態度」を評価するために、子どもの提出物などをファイルしたり(ポートフォリア評価)、「表現、技能」を評価するためにには、実際にからだを動かして実験などができるかをみたりする(パフォーマンス評価)、新しい評価法も開発されています。
それにしても、授業中に一人一人の子どもにきちんと目を配らないと評価も指導もできませんので、大変だと思います。30人学級がはやく実現して、先生方の労力の低減がはかられてほしいものです。
***
→この「観点別評価」の仕方について、先生方には、どう説明されているのでしょうか?
→教科ごとに「観点」がいくつかありますが、現場の先生は、ひとりひとりを観点別にきちんと評価できるものなのでしょうか?
→また、そのポイントについて、保護者にはどう伝わっているのでしょうか?
10)「習熟度別クラス」における絶対評価のあり方はどうなっているのでしょうか?
解答 今回の絶対評価導入の当然の帰結として、目標を達成してしまった子どもと、目標未達成の子どもとがはっきりしてきますから、習熟度別クラス編成という話になります。
ただ、これは一つの選択枝であって、数学などのような積み上げ型教科では、効果が期待されますが、社会などのようなグループ学習が行われるところでは、社会的な技能を学ぶということも大きな目標になりますので、習熟度別クラスが最適ということにはなりません。
11)「達成不十分」とされた子どもについては、どのような対策が講じられていますか?
解答 達成不十分は、もしかすると、指導が悪かったからということもありえます。そのままほっておくわけにはいきません。土曜スクールや補充教材の学習、さらには教職志望の学生によるチュター制などの試みがなされるようになってきました。
12)「絶対評価では、贔屓が成績に反映されるのではないか」「辛い先生と甘い先生の差は出ないの?」保護者が最も気にしているところです。実際のところどうなのでしょう?
解答は、冒頭にあり。省略
【内申点・調査書(絶対評価)について】
●保護者の不安・疑問
1)北海道は1年生の成績から内申点に含まれるが、他の都府県ではどうなのか。我が家は1・2年生の時は部活に打ち込んでいたため、成績があまりよくなかった。3年生から急激に伸びたが、今までの成績が響いてトップ高合格は難しいと思われるが、難しくてもチャレンジしたほうがいいのだろうか。
解答 いつの内申点が入試に含まれるかは、県によって異なります。インターネット検索ができるようでしたら、高校入試をキーワードにして調べてみてください。ほとんどの県で高校入試のやりかたは、詳しく公表されています。
なお、ここ3年くらいは、高校入試の配点はかなりかわることが予想されます。ある県では、今年はまだ、内申点は相対評価で、というところもあります。
2)2年生のとき友達関係から保健室登校になり、内申点が悪くなってしまった。今頑張っているが、1度のつまずきが内申点重視では影響してしまい、やり直しが聞かなくなってしまう?
解答 内申点の怖さですね。しかし、今の高校入試の選抜方法はかなり多彩になってきています。ある県では、5教科試験成績で上位1割をまず取ってから、内申点と試験成績とを4対6の割合で5割をとり、などといった選抜をしたり、もちろん、推薦入試もあります。こうした子どもにも道は開かれているはずですので、よく調べてみてことをおすすめします。
3)全体的に内申が上がったのなら、志望校合格のための点数もやはり上がるのだろうか。
解答 絶対評価5,4は、インフレ評価と揶揄(やゆ)されるように、相対評価のときの5,4の人数よりはるかに多くなります。そうでなければ、先生の指導が悪いということになりますから、当然です。
ただ、その志望校が内申点をどのように使うかによって合否を分ける点数がかわります。
一般的に言うなら、たくさんの受験生が5,4にいるということは、それを合否判定に使っても、あまり差がつかないということになります。弁別力がないわけです。したがって、これも一般的な話ですが、当日行われる入学試験の成績が合否を分けるのにはより有効となります。
4)途中で転校する場合、地区によって評価方法が違うとどうなってしまうのか。内申点はどの時点からどの時点の成績が関係しているのか。
解答 絶対評価は、目標との関係で評価しますので、教科書が同じなら地区による違いはそれほどありません。また、どの時点からの内申点を使うかは、県によって違います。教育委員会で公表されていますので、調べ見てください。
5)絶対評価になったことにより、各中学校によって内申のつけ方がばらばらになり、内申点の信頼度が薄れてくるのでは? それにより、受験当日のテストの方が重要視されるのではないか。そうなると、ふだんの定期テストより、当日の入試向けの学習が
必要なのではないか。
解答 絶対評価により内申点の学校間差がでてくるのではという心配は、その通りです。目下、各県では、なんとか統一的な規準は作れないものかと腐心している段階です。
評価規準は単元内容から決められますから学校間差はありませんが、評価の得点化のところでは、たとえば、Aの数を一定にする、観点別評価の重みをそろえる、観点別達成度の総合の仕方を決めることは、入試で内申点を使う限り、最低限、やらなければならないことです。
6)授業内容の削減・絶対評価など、教育制度が大幅に変更され、今までの受験内容とは比べることができないので、入試が不安。
解答 今回の絶対評価の導入は、いわゆる「ゆとり教育」の総仕上げです。
入試だけに話しを限定すると、見事なほど、日常的な学習活動での評価と矛盾した話になってしまうようなところがあります。入試での「隣りの仲間との競争」から日常の学習活動の「学ぶべき内容との関係」へと転換しようというわけですから。
過渡期に伴うどうしようもない不安ですと申し上げてもなぐさめにはならないかと思いますが、そう言う以外にありません。
7)通知表は絶対評価なのに、受験は相対評価。子どもの位置付けがうまく把握できないのは、どうしたら良いのか?
解答 教育にも自己責任の原則が入り込んできています。「すべてを学校で」ではなく、みずから積極的に学校外の教育環境を活用することもあってよいのではないでしょうか。そこには、受験目的のところもあります。興味関心を喚起する目的のところもあります。スポーツ活動もあります。それらをもうまく活用して、子どもを幅広い教育活動へとガイドしてやることが、これからは大事になってくるように思います。
8)絶対評価になって、内申点は受験校を選ぶのに影響があるのか?
解答 3)の解答と同じなので省略
9)テストの点と通知表の関係。通知表の評価と受験校の関係。絶対評価になったことで、これらのつながりがわからない。
解答 テストの点は、評価の観点の「知識・理解」と「思考、判断」にほぼストレートに反映されます。通知表の評定は、これ以外に2つの観点の達成度を加味して決められます。
通知表と内申点とは、実は、まったく同じではありません。内申点は、高校側が提出を要求するものです。通知表は先生が子どもや保護者に日ごろの学習活動の成果を伝えるものです。
今回、絶対評価が導入されましたが、内申書は、従来の相対評価で提出を求める県もあります。
筑波に残してきた2人のポストドクター
共に、学位もあり、業績は大変な数ある。
それが、まだーーというより、多分、この時期に
決まっていないということは、来年はだめということかーー
就職先が決まった形跡がない。
非常に心配である。
30歳、大学教員としても、研究者としても、
一番、使い勝手のよい世代なのに。
最近、ポストドクター問題は、どうなっているのであろうか
PD研究員制度が充実してきたので、今現在の心配はあまりないのかも
しれないが、将来の不安はかなり高いのではないか。
これほど、大学の先生に「大学院教授」とつく時代。
修了者の就職問題が実に心配である。
超トップクラスよりちょっと下の層あたりが意外と苦戦しているような
気がする。
人材を無駄にしないようにしないと、日本の上層の?知的環境が劣化する。
共に、学位もあり、業績は大変な数ある。
それが、まだーーというより、多分、この時期に
決まっていないということは、来年はだめということかーー
就職先が決まった形跡がない。
非常に心配である。
30歳、大学教員としても、研究者としても、
一番、使い勝手のよい世代なのに。
最近、ポストドクター問題は、どうなっているのであろうか
PD研究員制度が充実してきたので、今現在の心配はあまりないのかも
しれないが、将来の不安はかなり高いのではないか。
これほど、大学の先生に「大学院教授」とつく時代。
修了者の就職問題が実に心配である。
超トップクラスよりちょっと下の層あたりが意外と苦戦しているような
気がする。
人材を無駄にしないようにしないと、日本の上層の?知的環境が劣化する。