飛水峡

思い出

岐阜新聞

2002年07月10日 22時47分52秒 | 新聞
台風6号は十日午前、紀伊半島の南海上を時速約三○キロで北北東に進んだ。進路をやや東寄りに変えて北上しており、十日夜に東海から関東の南岸に接近し、十一日未明にかけて上陸する恐れが強まった。接近に伴い太平洋岸などが暴風域に入り、非常に激しい雨が予想される。県内では不破郡垂井町などで浸水被害も相次ぎ、大垣市など五市町村で、土砂災害の恐れがあるとして住民に避難勧告が出された。岐阜市は十日午後零時五分、岐阜市内の長良地区と、金華地区の一部に避難勧告を出した。岐阜県内の避難勧告対象人数は一万五千人に達した。

 台風6号の北上と梅雨前線の影響で県内は十日、西濃地方を中心に大雨となり、揖斐郡谷汲村長瀬の根尾川右岸がいっ水したほか、大垣市万石の揖斐川が計画高水位を超えた。県と大垣市など十二市町村で災害対策本部(岐阜市の水防本部含む)が設置され、災害警戒に当たっている。大垣市高渕の杭瀬川、養老郡養老町の牧田川など計五カ所で出動水位、岐阜市忠節町の長良川で警戒水位となっており、同市荒崎地区の二千百三十八世帯はじめ岐阜市金華・長良校区、養老町、揖斐郡池田町、谷汲村、武儀郡板取村の六市町村で約三千七百世帯、約一万二千人に避難勧告が出された。本巣郡本巣町山県郡美山町などで自主避難者が出ている。また大垣南、大垣農業高校は休校した。台風は同日夜、県内に接近する見通しで、十一日午前九時までの総雨量は岐阜・西濃で五〇〇ミリ、中濃で四〇〇ミリなどが予想され、岐阜地方気象台などは河川のはんらん、土砂崩れなどに警戒するよう呼び掛けている。

(写真)台風6号による大雨で浸水した住宅地=10日午後0時30分、不破郡垂井町で共同通信社ヘリから

◆長良川、警戒水位超す

 県内は西濃地方を中心に九日夜から激しい雨に見舞われ、十日午前中に岐阜市の長良川が警戒水位を超えたのをはじめ揖斐川など多くの河川で警戒水位を超えた。大垣市内では大谷川があふれ、午前八時過ぎ、荒崎地区に避難勧告が出された。揖斐川も洪水警報が出され、沿川の水防団が出て警戒にあたっている。

 大垣市は、大谷川が午前六時十分に荒崎地区の洗いぜきで堤防を越えて右岸側がいっ水。このため、同六時十五分には市災害対策本部を設置するとともに、同地区の二千百三十八世帯、六千六百七十五人に対し、避難勧告を発令。住民らが荒崎小学校など二カ所に避難を始めている。

 また、木曽川上流工事事務所揖斐川第二出張所や大垣市によると、揖斐川は同市万石の観測点で午前九時現在、水位が警戒水位(四メートル)を超す五・八八メートルとなり、国土交通省は洪水警報を発令。水防団が沿川一帯で警戒に当たっている。

 また、揖斐川の流域にあたる牧田川も午前九時現在、養老郡養老町の烏江で警戒水位(六・五メートル)を超す一〇・二三メートルの水位を記録し、水防団などが土のうなどを積んで警戒にあたっている。大垣市を流れる杭瀬川も警戒水位を超えたほか、同市青野町の薬師川では水位が堤防を越え、浸水世帯が出始めている。

 大垣市災害対策本部によると、午前十時三十分現在、新たに同市静里地区で杭瀬川の水位が堤防を越え、右岸側にいっ水して浸水世帯が出始めている。

 同本部が午前十一時三十分現在でまとめた市内の浸水状況は、床上一軒(若森町)、床下百四軒。床下浸水は大谷川、杭瀬川などがいっ水した荒崎地区、静里地区、青野地区で目立ち、避難した市民は、避難勧告が出ている荒崎地区で三十六人、静里地区で自主避難五人となっている。

◆久瀬村で計373ミリ

 台風6号の影響により、県内では九日夜から十日にかけ激しい雨が降り、各地で一時間あたりの雨量が観測史上最高を記録、九日午後七時の降り始めから、十日午前八時までの雨量が三五〇ミリを超える地点もあった。

 岐阜地方気象台によると、一時間あたりの最大雨量は、養老郡上石津町で九九ミリ、不破郡関ケ原町で九二ミリ、揖斐郡揖斐川町で九六ミリ、同久瀬村小津で九三ミリ、大野郡荘川村六厩で五三ミリを記録。いずれも観測史上最高の雨量となった。

 また、降り始めからの雨量は、久瀬村小津で三七三ミリ、本巣郡根尾村樽見で三五五ミリを記録している。

 そのほかの地点の雨量は次の通り。

 ▽上石津町 二八六ミリ▽関ケ原町 二八五ミリ▽揖斐川町 二七八ミリ▽郡上郡白鳥町長滝 二三六ミリ▽同郡高鷲村蛭ケ野 一九九ミリ▽荘川村六厩 一六三ミリ▽大垣市 一〇七ミリ▽岐阜市 三五ミリ▽高山市 五九ミリ

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