飛水峡

思い出

第2章 海の幸 森の恵み

2010年03月19日 23時18分33秒 | ぎふ海流
時計商が森林整備体験
社業を支えた森に感謝

感謝を込めて上流の森づくり運動に参加した東京・銀座の時計宝飾品販売会社の堀田峰明社長=加茂郡白川町(オイスカ岐阜県支部提供)

 加茂郡白川町で昨秋行われた三重県漁連などの「未来の森造成運動」に東京・銀座の時計宝飾品販売会社「ホッタ」の社員31人が参加、翌日も森林整備を体験するなど熱心に学んだ。

 スイスの高級時計などを売る同社は1879(明治12)年、愛知県津島市の津島神社代々の神官だった先祖が創業。「かつて社業を支えてくれた木曽三川上流の森に、感謝をささげよう」という堀田峰明社長(33)の決断で、130周年記念事業として決行された。

 〈ホッタの歴史の中で明治期と戦後復興期にスーパーヒット商品があったが、いずれも木曽川上流の山の木をさんざん切り倒し、その木材を使ってケースを作ったもの。そのおかげで今の全国卸の基礎が築かれた…〉

 ホームページの6代目若社長日記の一節。

 「名古屋には多くの時計メーカーが存在したが、それはひとえに木曽・飛騨川水系から供給される良材と、それを加工する職人に恵まれていたから。江戸時代に大名時計を作り調整した御時計師や、からくり人形師の家も代々、技術を伝えてきた。今も尾張三河地方から世界に羽ばたくメーカーが多いのもそんな土壌があったから」

 銀座の本社で、オカリナ奏者としても知られる堀田社長は語る。

 「目先の損得でなくもっと大きな流れを意識できる現場で、かつて大変お世話になった森に多くの仲間と感謝をささげるという行為を通して今までの歴史に思いをはせることができてよかった。今必要なのは、植樹より森林整備と木を使うことと知ることもできた」

 社員も次のような思いを抱いた。「森、川、海が人々に与えるエネルギーの大きさ、それらを守り続ける関係者に使命感のようなものを感じた」「森を自然にあふれて良いものと漠然と見ていたが、真実を知った。長年のフォローこそ必要と分かった」

 銀座で夢を売る会社が岐阜の森で学んだこと、それは人の幸や夢をはぐくむ森の恵みと森を守ることの大切さ。




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