三流読書人

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ドングリ小屋住人 

 やらせ タウンミーティング

2006年11月11日 09時19分57秒 | 教育 
教育改革タウンミーティング やらせ質問

PTA会長の発言
【 私、教育の原点は家庭教育だと思います。しかし、悲しいかな家庭の教育力は低下していると言わざるをえない状況にあります。大臣のご説明あったように新しい教育基本法には家庭教育の項目が設けられているということでございますけれども,PTAにかかわっている者にとりまして、活動の指針になるもので大変期待しております。教育は学校だけでするものではございません。 】

 八戸市で開かれた政府主催の「教育改革タウンミーティング」での発言録、発言者は市内の中学校のPTA会長。
 文科省のつくった「質問項目案」に沿った発言だそうです。八戸市教委から事前にFaxで届けられたもの。さらに、次のような注意書きが、「○できるだけ趣旨を踏まえて、自分の言葉で(セリフの棒読み避けてください)○『お願いされて』とか『依頼されて』というのは言わないで下さい」と書かれていたそうです。
 この発言者、「人を馬鹿にするな」と内心思ったそうですが、結局、上のような発言をしたと言っています。

 以上は某紙の記事より再構成。

 語るに落ちるとはこのことでしょうか。

 別の新聞では漫画家の弘兼憲史が次のようなコメントを寄せています。
【 一般の人に質問をさせるふりをして政府の考えていることを言わせるもので、ある意味手の込んだ情報捜査だ。政府の方針を受け入れてもらおうと悪知恵を使うのは、姑息で許されるべきことではない。こういうことが起きると、一事が万事で政府の信頼は落ちる。官僚には都合の悪いことは隠ぺいしようとする保身体質があり、今後の調査は閣僚が官僚と対決姿勢をもって行うべきだ。 】

 やり口の姑息さ、せこさ、お粗末さもさることながら、もっと背筋の寒くなるのはその内容です。
 教育基本法によって家庭教育の中身まで規定しようとしていることです。「質問項目案」でわざわざそのことを取り上げるよう指示しています。家庭の中にまでずかずかと踏み込んでくる。まさに教育勅語の世界ではないですか。
もちろん、社会教育、高等教育も視野に入れているでしょう。つまり、国民の内面に踏み込み支配する狙い、といっていいでしょうか。

座視することはできません。「教育基本法改正案」=教育基本法改悪法案、許してはいけません。