三流読書人

毎日の新聞 書物 など主に活字メディアを読んだ感想意見など書いておきたい

ドングリ小屋住人 

日本の学費

2006年09月29日 07時36分54秒 | 嫌安倍流
格差社会である。経済的格差は教育格差となる。教育格差は学歴格差を生む。次世代にそれは引き継がれる。かくて格差が格差を生み、社会的格差となる。経済的格差の再生産。
第一次産業の軽視、大企業優先の経済政策。
際限もない。
そして安部流の言う「教育改革」、とは何か。
金は出さないが、心を縛る。そればっかり。

大学の初年度納付金、国立大学で約82万円。
私立大学で約131万円。
1970年との比で、国立は51倍。私立5.7倍。(51倍と5.7倍!)
学生の7割は私立に在学。
親の所得の減少もあり、学生生活の貧困化は進む。
東京私大教連の調査(05年度)によると、首都圏の私大の学生の生活費(仕送り額から家賃を除いた額)は10年前の6万8200円から4万2700円に減少している。調査開始(86年度)以来最低額。
日本の学費が異常に高いことは、欧米諸国と比べると歴然としている。
OECD加盟国30カ国中15カ国は授業料を徴収しない無償制である。
フランスは授業料がなく、1万9千円の学籍登録料のみ。
北欧の3カ国とデンマークは登録料さえない。
これらの国では、学生が学業に専念できるよう生活費に充てることを目的にした返還の必要のない給費制の奨学金がある。
日本の奨学金制度は、学費補てんにも届かず、返還を義務づける貸与制である。しかも、半分以上が有利子である。
アメリカの私立大学は学費が高いが、学生の7割は学費の安い州立大学である。
奨学金制度は日本の10倍以上の財政規模を持つ。学生の7割が何らかの奨学金を受けている。
学生のいる家庭には年十数万円程度の減税措置もある。
アメリカ・ワシントンDCとカナダ・トロントを基盤に活動する「教育政策研究所」がまとめた「グローバル高等教育ランキング2005」によると、各国の学費や生活費、奨学金などをもとに学生の経済的負担を15カ国、16地域で比較したところ、日本は総合で最も学生負担が多いとされた。
日本の学費は世界一高い。

『毎日新聞』のアンケートによると安倍内閣を支持するという人、64%だという。
なぜか、自分の子どもや孫は大丈夫だと思っているのだろうか。
日本の未来を担う子どもたち、若者。教育にお金をかけないでどうする。



里の秋

2006年09月28日 07時54分00秒 | 文芸

里の秋

しずかなしずかな 里の秋
  おせどに木の実の 落ちる夜は
   ああ かあさんと ただ二人
    栗の実にてます いろりばた

 あかるいあかるい 星の空
  なきなき夜がもの 渡る夜は
   ああ とうさんの あのえがお
    栗の実たべては おもいだす

 さよならさよなら 椰子の島
  お舟にゆられて かえられる
   ああ とうさんよ ご無事でと
    今夜も母さんと 祈ります


作詞: 斉藤信夫
作曲: 海沼実
唄: 川田正子

(昭和16年12月NHK「ラジオ歌謡」)

 昭和16年12月21日発表されたのだそうです。
 昭和16年12月8日に日本軍が真珠湾攻撃を行います。
 そしてあの絶望的な戦争が世界中に拡大していきます。
 3番の歌詞で想像すると出征兵士の留守家庭と思うのには無理はないでしょう。
 このうちのとうさんは、無事に帰られたのでしょうか。

秋の実り 

2006年09月27日 09時14分14秒 | Photo




今年は栗が豊作です。
栗のいがに包まれた中の実、強靱な感触を持つ褐色の実。
秋の実りの中でもとくに豊かな気分になります
これは銀寄せという品種、大型です。

柴栗という小さな栗もたくさん実をつけています。
味は良いのですが小さいので後の処理が大変です。
毎年、配偶者がきんとんに仕上げます。絶品です。

どこまで堕ちる日本という国

2006年09月26日 09時28分50秒 | 堪忍袋
【 野村総研によると、全世帯の2%にも満たない金持ち世帯が金融資産のシェアを18.4%とこの5年間に2ポイントも増やしています。小泉政権下で格差社会は確実に広がっています。▼小泉首相は発足当時言いました。「ある程度の痛みに耐えないと、明るい展望は開けない」。たしかに国民には「すごい痛み」がきました。でも「明るい展望」は見えてきません▼それどころか、押しつけられたのは、雇用の破壊であり、格差社会と貧困の広がりです。この5年間で正社員は二百七十万人減り、非正社員は二百九十万人近く増えています。働く人の三人に一人が非正規社員で平均年収は百三十三万円といいます。▼「ワーキングプア(働く貧困層)」「リストラ父さん フリーター息子」「悲惨世代」という言葉も生まれました。年金生活者にも大増税が襲いかかりました。日本の貧困層率はいまやOECD(経済協力開発機構)加盟三十カ国中二位になるほど悪化しています。▼その一方、小泉改革を喜んでいるのは、超低金利でぼろもうけした大銀行、ハゲタカ外資、人材派遣業界、減税の恩恵を受け続けてきた大企業・大資産家です。一年までは自民党の幹部だった政治家まで、小泉改革についてこういってます。「日本はひどい国になったなあ」▼きょう、新首相になる安倍晋三氏の著書『美しい国へ』の帯に「自信と誇りの持てる国へ」とあります。しかし自信と誇りを持てない国にしたのは、いったいだれなのか。 】 (『しんぶん赤旗』9月26日付コラム)

何も言うことありませんね。日本という国どこまで堕ちるんですかね。

夕顔

2006年09月25日 07時58分43秒 | Photo
夕顔が毎日2輪ほど咲きます。大輪です。
夕顔は夏の季語ですが、9月に入って咲き始めました。
夕暮れ時から、早朝まで開いています。




夕顔や酔て顔出す窓の穴       芭蕉

夕顔や物のかくれて美しき      千代尼

夕顔やひらきかゝりて襞深く     杉田久女

夕顔や竹焼く寺のうすけぶり     蕪村

                   明治書院『新撰俳句歳時記』夏 


君が代・日の丸強制は違法・違憲 Ⅱ

2006年09月24日 13時13分52秒 | 教育 

 君が代・日の丸強制は違法・違憲 
この判決再度記録しておかねばならない。
  新聞各紙の反応を見た。 
 『毎日新聞』と『朝日新聞』は今回の判決を支持する記事と社説を載せた。 
 『毎日新聞』は「心の自由を侵害するな」
 『朝日新聞』は「『強制は違法』の重み」と題し、社説で主張した。    

 『日経新聞』は報道としては概ね客観的である。
 
  『読売新聞』の社説(部分)は、
 「認識も論理もおかしな地裁判決」として、 
 「学習指導要領は、入学式などで『国旗を掲揚し、国歌を斉唱するよう指導するものとする』と規定している。判決は、これを教師の起立・斉唱などを義務づけたものとまでは言えない、とした。しかし指導がなくていいのだろうか不起立で自らの主義、主張を体現していた原告教師らは、指導と全く相反する行為をしていたと言えるだろう。」「都の通達や校長の職務命令の『行き過ぎ』が強調され、原告教師らの行動が生徒らに与える影響が過小に評価されている」  
という。

 都教委の監視や介入、脅迫、報復人事などに怯える教師の姿が生徒にあたえる影響をどう考えるのか。

 『産経新聞』の主張(部分)は、
 「公教育が成り立たぬ判決」として 
 国旗国歌法の制定にふれ、「教師には国旗・国歌の指導義務があることも確認された。指導要領も教師の指導義務をうたっている。東京地裁の判決はこうした審議経過や指導要領の趣旨を十分に踏まえたものとはいえない。もちろん思想良心の自由は憲法で保障された大切な理念であるが、教育現場においては、教師は指導要領などに定められたルールを守らなければならない。その行動は一定の制約を受けるのである。」
 そして「自民党新総裁に選ばれた安倍晋三氏は『公教育の再生』を憲法改正と並ぶ大きな目標に掲げている。そのような時期にそれに水を差すような判決が出された事は残念である」


 「思想良心の自由は憲法で保障された大切な理念」とはなにごとか。そういう理念もあるということですまそうとする。
 権利ではないか。

 最後は露骨に安倍晋三氏の憲法改悪計画に荷担する文言で締めくくる。これが本音ですね。

 『読売新聞』も『産経新聞』も、さすがに自民党のプロパガンダとして支えてきただけのことはある。真っ向からこの判決には反対である。
 この判決を不服とする理由として、学習指導要領に書いてあるということを主たる根拠にしている。 中央教育審議会という御用学者や御用有識者といってもよいような人々の集まりが、時の政府の望む教育内容を語って答申する。それを文科省の役人が作文して「学習指導要領」とする。それをもとに違憲、違法な介入、強制、処分を正当化する。
 法律というものは立法府が作る。国会である。自民党政府の意図を受けたサポータークラブがでっちあげ、官僚が作文化し、それを法律と同じ拘束力を持つなどと言われてはたまらない。
 要するに立法府を無視し、行政がやりたいことをやる、ということを認めるのである。  
 
 教育基本法の改悪を安部晋三氏はしきりに言っている。教育の成果というものは20年後、30年後、その人となりとなってあらわれる。今の自民党や自民党的党派の国会議員にさわってほしくない。「アホバカ、小泉チルドレン・刺客」議員(現職議員の一部に対して週刊誌などで使われた)どもに。
 教育の根本は「国家百年の大計」である。そのためには現行の教育基本法を変えてはだめである。

 


「日の丸」「君が代」強制は違憲

2006年09月23日 06時28分32秒 | 教育 
 まさに画期的判決。東京都教委の異常な突出、暴走を断罪。
 東京都教委が「日の丸・君が代」を強制する通達をだし、通達に従わなかった都立校の教師を大量に処分してきたが、これに対する都立学校の教職員の訴訟で、東京地裁は、この通達とこれに伴う都教委の指導は違憲・違法(教育基本法)との判断を示した。

判決骨子
【起立、斉唱義務】
 国民の間には国旗掲揚、国歌斉唱に反対する者も少なくなく、こうした主義、主張を持つ者の思想良心の自由も憲法上保護に値する権利。起立・斉唱したくないという教職員にこれらの行為を命じることは自由権の侵害だ。

【都教委の指導の是非】
 教育の自主性を侵害するうえ、教職員に対し一方的な理論や観念を生徒に教え込むことを強制することにひとしい。とし教育基本法第10条1項の「不当な支配」に該当する違法なものだと判断。「日の丸・君が代」が「皇国思想や軍国主義思想の精神的支柱」として用いられてきたことは「歴史的事実」と指摘、懲戒処分までして起立・斉唱させることは思想・良心の自由を侵害するとの違憲判断を示した。

【学習指導要領】
 学習指導要領の条項が教職員に対し、一方的な理論や観念を生徒に教え込むよう強制する場合には「不当な支配」に該当する。と判断した。

  ※教育基本法第10条(教育行政)
  1 教育は、不当な支配に服することなく、国民全体に対し直接に責任を負つて行われるべきものである。
  2 教育行政は、この自覚のもとに、教育の目的を遂行するに必要な諸条件の整備確立を目標として行われなければならない。
     
          ◇        ◇       ◇

 違法と認定された都教委通達(03年 10.23通達 要旨)
1,学習指導要領に基づき入学式、卒業式等を適正に実施する
2,入学式、卒業式は実施指針の通り行う
3,国旗掲揚、国歌斉唱に当たり、教職員が通達に基づく校長の職務命令に従わない場合、服務上の責任を問われることを教職員に周知する

 実施指針(要旨)
1,国旗の掲揚について
 ①国旗は式典会場の舞台壇上正面に掲揚する
 ②国旗とともに都旗を併せて掲揚する。国旗は向かって左、都旗は右に掲揚する
 ③・④略
2,国歌の斉唱について
 ①式次第には「国歌斉唱」と記載する
 ②司会者が「国歌斉唱」と発声し、起立を促す
 ③教職員は会場の指定された席で国旗に向かって起立し、国歌を斉唱する
 ④国歌斉唱はピアノ伴奏等により行う
3,略

          ◇        ◇       ◇

 この通達と実施指針と称する異常な、不当な介入、判決は当然である。
 教育行政は「諸条件の整備確立」を十分行えばよいのである。
 


こちらも併せてお読み下さい。


安倍内閣よ どうする気だ

2006年09月22日 05時42分32秒 | 嫌安倍流

『毎日新聞』9月20日 コラム「経済観測」

《 小泉首相の退陣と合わせるかのように政府の月例経済報告からデフレの三文字が消えた。航海に例えると日本丸はデフレという低気圧で荒れた海をやっと乗り切ったと言えよう。しかし多くの乗客は安堵するより新しい進行方向が不透明でいらだちをおぼえている。
 5年間にわたる小泉内閣による改革路線の点検はさまざまな方向で行われているがこと経済政策に関する限り、功罪は次の2点に絞られよう。
 プラス面は①「国債発行30兆円」の公約を掲げ(結果的には守れなかったが)借金財政の悪化を防いだ。②公共事業の拡大による景気対策を放棄した。の2点。マイナス面は①所得格差の拡大②地方交付税、各種補助金などの削減による地方財政の弱体化ーーの2点である。
 このように見てくると、新首相はプラス面を継承しながらマイナス面を是正していけば良い。ところが次期首相が確定的と言われる安倍晋三官房長官の発言を聞くと、とてもその方向に向かっているとは思えない。
 例えば、格差是正策としてニート、フリーターの職業訓練など打ち出しているが、ごく小さな措置に過ぎない。本来行うべき税制の改革を通じた所得分配については全く論じられていない。消費税についても逃げの姿勢が目立っている。また、地方対策としては整備新幹線の着工や旧来型の公共投資の拡大などをにおわせている。
これを延長していくとどうなるか。国民の多くが切実な問題として捕らえている格差是正は形だけのものに終わり、小泉改革でプラス面と評価された財政再建への厳しさが緩み、再び財政出動による景気対策が実施されかねない。日本丸が元の海に逆行することを意味する。考えただけでぞっとする。 (邦) 》

 小泉の「改革路線」というものの「プラス面」として揚げられている部分が、評価に耐える得るものかどうか私にはわからない。庶民にとっては「改革」はすべて「改悪」というふうにしかうつらない。
 大企業は空前の利益を上げている。
 株式を転がしてあぶく銭を儲ける人間を勝ち組とし、毎日労働に汗を流し、家族仲良くつつましく暮らすということが軽んぜられる風潮が定着した.。これにはマスコミが大きな役割をはたした。
 全く経済には疎いが、デフレの状態がなくなると私たちはどうなるのだろう。金利ゼロで、なけなしの退職金や預金を我慢して使わずにきたけれど、今度、インフレになると目減りすることになるのではないかと心配するばかり。
 しかし、どんな政府を選択するかは私たちの権利としてまだ生きている。これが教育基本法を変え、憲法を変えると危うくなる。
 つきなみだけど、1票をどう使うか、で決まる。
 


「吉野家」牛丼

2006年09月21日 16時20分43秒 | 堪忍袋
「吉野家」が牛丼を復活したという。
牛海綿状脳症(BSE)の危険性はなくなったとして18日より売りはじめたそうである。
ほんとに食べるの? と思う。
吉野家を経営する安倍修仁社長は、記者会見で次のように言ったという記事が報道された。
 ーー米国産牛肉の安全性には確信を持っていますか。という問いに、
「米国の食肉処理工場は管理がずさんで危険部位の髄液が飛び散るという説は無知と誤解の象徴で、あり得ない。1月に背骨がついた牛肉が輸入され米国の食肉処理のずさんさの象徴といわれるが、あれはもともと骨付き子牛肉のサンプル品だ」と答えている。
そんな情報はどこからどういうルートで入るのか。
米国の食肉業者か、米国の政府関係者か、日本の政府関係者以外にない。
米国産牛肉を日本人に売りたい側の情報に間違いない。
 
要するに、米国の政治的圧力に負けた日本政府側が、日本国民の命を危険にさらすことを敢えて選んだということだろう。
吉野家の社長の発言のような情報は初耳である。
けったくそわるいと思いませんか。

03年12月に輸入がストップした。それでなにか困りましたか。その間、牛肉を全く食えなかったとでも言うのでしょうか。
少し高くても、国産の丁寧に育てられた牛肉を食べませんか。日本の農業を発展させることが大事ではないでしょうか。
食料の自給率が、国民のというより、国家の存亡にかかわる時がきっと来ると思う。北朝鮮と同じ道をたどることは避けるべき。

「吉野家」の牛丼、命がけで食うほどのものか。







鬼灯(ほおずき)

2006年09月19日 09時49分00秒 | Photo


今年はほおずきが実をよくつけた。
夏の盛りから今も、赤い実のままである。
赤い袋状の萼の中の実を取り出し、口に入れてキュ、キュというような音をさせて女の子らが遊んでいたように思う。
  
  鬼灯は実も葉もからも紅葉かな   芭蕉
  
  ほほづきが祭のやうにいろづきぬ  甲田鐘一郎

  鬼灯を鳴らして妻の何思う      佐野良太

          『新撰俳句歳時記』秋(明治書院)




美しい国の核武装

2006年09月18日 10時09分35秒 | 政治 

『毎日新聞』9月18日付 「発信箱」 山田孝男氏(編集局)

「美しい国の核武装」
《 今都心の書店で「もはやタブーでない」という帯をつけた「日本核武装の論点」(PHP研究所)が平積みになっている。編著者の中西輝政京大教授は安倍晋三官房長官のブレーンだ。冷戦期に比べて米国が日本を守る必然性は薄れ、最優先で守ってくれるかどうか分からない、中国や北朝鮮の核に対抗する日本核武装は合理的な選択であり、積年のタブーを破って議論すべきだと教授は説く。
 中曽根康弘元首相も最近発表したレポート「21世紀の日本の国家像について」で核問題に触れた。「非・核保有国としての立場を堅持し、NPT(核不拡散条約)体制の強化に努めるとともに、将来における国際社会の大変動に備え、核問題の検討を行っておく」と記してある。
 まだある。週刊文春が今年3月、麻生太郎外相の「核武装発言」を報じた。昨年12月、ワシントンでチェイニー副大統領やラムズフェルド国防長官に「北朝鮮が核開発を続ければ、日本も核武装しなければならない」と語ったという。外相は記者会見で否定したが、発言は事実と見る向きが少なくない。
 並べ立ててくさそうというのではない。核武装論は衝撃的だが、出版も発言も禁じるわけにはいかない。安倍氏は官房副長官当時、こう言っていた。「憲法解釈上は、自衛のための必要最小限度を超えなければ核兵器も保有できるが、非核三原則やNPTにより、核保有という選択肢は全くない」(02年6月10日、衆院武力事態委)。従来の政府見解を踏襲しているが、安保環境激変化の首相就任でどう変わるか、注目点だ。 》

 安倍晋三のブレーンの御用学者、元職業軍人の元首相、吉田茂の孫、そして安倍(岸信介の孫)。「出版も発言も禁じるわけにはいかない」といっても彼らは、自分の立場も意識して発言している。
 議論する。検討する。核武装しなければならない。憲法解釈上は保有できる。など背筋が寒くなる。
 そしてこういう問題を議論したり、決めたりするのが国会議員なのだ。議員たちの現状を考えると。


秋刀魚の歌 佐藤春夫

2006年09月17日 20時13分16秒 | 文芸
  「秋刀魚の歌」   佐藤春夫

あはれ
秋風よ
情(こころ)あらば
伝へてよ
男ありて
今日の夕餉(ゆうげ)に
ひとりさんまを食(くら)ひて
思ひにふけると。

さんま、さんま、
そが上に青き蜜柑の酸(す)をしたたらせて
さんまを食ふはその男がふる里のならひなり。
そのならひをあやしみなつかしみて女は
いくたびか青き蜜柑をもぎ来て夕げにむかひけむ。

あはれ、人に捨てられんとする人妻と
妻にそむかれたる男と食卓にむかへば、
愛うすき父を持ちし女の児は
小さき箸をあやつりなやみつつ
父ならぬ男にさんまの腸(はら)をくれむと言ふにあらずや。

あはれ
秋風よ
汝(なれ)こそは見つらめ
世のつねならぬ団欒(まどゐ)を。
いかに
秋風よ
いとせめて
証(あかし)せよ かの一ときの団欒(まどゐ)ゆめに非ずと。

あはれ
秋風よ
情(こころ)あらば伝へてよ、
夫を失はざりし妻と
父を失はざりし幼児(をさなご)とに伝へてよ
男ありて
今日の夕げにひとり
さんまを食ひて
涙をながすと。

さんま、さんま、
さんま苦いか 塩つぱいか。
そが上に熱き涙をしたたらせてさんまを食ふは
いづこの里のならひぞや。
あはれ
げに そは問はまほしくをかし。

    ◇      ◇      ◇

秋刀魚のシーズン。新しい見事な秋刀魚が1尾100円。
やはり七輪(かんてき)で焼きたい。
昔ながらの道具がホームセンターなどで何でも売ってます。
七輪に消し炭(あれば)を入れ、焼き肉の時に使った残りのガスボンベをバーナーにつけ、火をおこします。
次は30年ほど前に買ったニクロム線のきれたヘヤードライヤーで風を送ります。
あっという間に強烈におこります。網をよく焼いて、塩をあてた秋刀魚をのせます。強火の遠火です。
ここまで15~20分。
大根おろしに酢、酢は「青きみかんの酢」でもレモンでもスダチでもワインビネガーでもバルサミコでも何でもお好みで。
豊かな気持ちになります。残った火は消し炭に(これが大事)、火消し壺も売ってます。

※ 佐藤春夫(1892年~1964年)新宮市出身 作家



格差社会

2006年09月16日 05時41分02秒 | 政治 

「デスクです」
《 愛媛県今治市の中1男子生徒がいじめを苦に自殺した記事(先月26日付)では「『貧乏』や『泥棒』という声がたえず響く」「育ててくれてありがとう」と書いた両親への遺書に多くの反響がありました。私には香川大助教授の談話が印象に残りました。「心配かけまいと(いじめを)親や先生に言えなくなる傾向は優しい子ほど強い」。悩みを抱える「優しい子」が周囲にいないか。記事が教室や家庭を真剣に見渡す機会になれば、と願います。(伊地知)  》

9月13日付の『毎日新聞』社会面の小さなコラムです。デスクというポストの人が担当するコラムのようです。

貧困や弱点、障害を持つ者を「社会的弱者」という言葉は適当かどうかは分からない。が、こうした人々を攻撃し、「いじめ」の対象とする風潮がある。
しかし、断じて敗者などと言われる筋合いはない。
政府の無策がこういう事態を招いた。
戦争をせず、すべての国民が「健康で文化的な最低限度の生活を営む権利を有する」はずである。(第25条)
不健康で非文化的な生活を余儀なくされる、そのことを合理化するのが憲法改悪のねらいでもあるのか。

これを格差社会というのではないか。
格差を容認、どころか推奨する政治家などもいるのですから。


 


教育も切り捨て始めた

2006年09月15日 06時09分27秒 | 教育 

『朝日新聞』9月13日の記事によると、  

「公的教育費 日本0.4ポイント減 OECD平均下回る」
 《 経済協力開発機構(OECD)は12日、加盟30カ国の教育の状況を調査した06年版「図表で見る教育」を発表した。
 それによると、国と地方分を合わせた総支出に占める教育支出の割合は95年から03年にかけて、OECD各国の平均が1.3%ポイント増えたのに対し、日本は0.4ポイント減った。
 日本での小学校から高校までにあたる初等、中等教育でも伸び率は平均以下だった。
  調査によると、家計への補助も含めた初等~高等教育の教育支出は対総支出費で、OECD平均が95年の12.0%から、03年には13.3%と増加。一方、日本は11.1%から10.7%に減った。 
 初等、中等教育に限ると、この間の日本の教育支出の伸びは6%にとどまり、OECD平均の33%と大きな開きがあった。
 英国は49%、米国は37%の伸びだった。
 大学などの高等教育でも,OECD平均の46%に対し、36%だった。 》

 教育に金は出さない。福祉にも金は出さない。年金も削る。税金は何に使うのだ。 
 教育、福祉、社会保障をひたすら削減し続ける国家とは一体なんだ。

経済協力開発機構(OECD)加盟国
イギリス、ドイツ、フランス、イタリア、オランダ、ベルギー、ルクセンブルク、フィンランド、スウェーデン、オーストリア、デンマーク、スペイン、ポルトガル、ギリシャ、アイルランド、チェコ、ハンガリー、ポーランド、スロヴァキア。日本、アメリカ合衆国、カナダ、メキシコ、オーストラリア、ニュー・ジーランド、スイス、ノールウェー、アイスランド、トルコ、韓国。  以上の30カ国