三流読書人

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ドングリ小屋住人 

お粗末 小泉首相最終答案

2006年08月12日 08時53分02秒 | 反自民反小泉


8月4日の『朝日新聞』社説 
「靖国参拝」というタイトル、見出しに「嘆かわしい首相の論法」
時の首相の言動を、嘆かわしいというのは、極めて刺激的である。

 靖国神社参拝にこだわり続けた5年間の、小泉首相なりの最終答案と言うことなのか。それにしてもなんともお粗末と言うほかない。
3日付で配信されたメールマガジンで首相は年に一度の参拝に改めて意欲を示した。
その中で「私の靖国参拝を批判しているマスコミや有識者、一部の国」にこう反論している。「戦没者に対して、敬意と感謝の気持ちを表すことは良いことなのか、悪いことなのか」(社説一部)

 合祀されている絞首刑となったA級戦犯は戦没者と言ってよいのだろうか。

 神奈川県藤沢市在住の作家、山中亘氏(75歳)がこのほど発見した旧陸軍内部文書の写しによれば、合祀されたA級戦犯の一人、東条英機元首相自身が、靖国の合祀対象を「死没の原因が戦役勤務に直接起因」する軍人・軍属に限るように指示していた。(『毎日新聞』8月8日付)

 B級(捕虜虐待)C級(非戦闘員の虐殺、及び人道に対する罪)に対する裁判も国内、国外においても行われ、920人が処刑された。国外での裁判はとくにずさんな通訳もない裁判であったという。この人たちは早くから合祀されている。「上官の命令は朕が命令」の時代、彼らも犠牲者であった。
 「私は貝になりたい」(1959年作品)で平凡な理髪店主を演じるフランキー堺がC級戦犯とされ、絞首刑を宣告される。13階段を上るシーンをご記憶の方もあると思う。

 A級戦犯は決定的に違う。国民を有無を言わせず死地に追いやった側である。
 小泉首相はA級戦犯も含めて「敬意と感謝」の対象として参拝して何が悪いと強弁する。彼の頭脳構造はどうなっているのか。理解しがたい。

 


労働者を守る こんな社長もいる

2006年07月30日 05時36分04秒 | 反自民反小泉

 樹研工業社長 松浦元男氏 71歳。
 65年、同社を愛知県に設立。極小精密部品製造で国内トップ。超優良会社。 社員参加の経営会議も。
    (縦並び社会 格差克服への提言ー② 『毎日新聞』7月25日付より)

《 社員は応募の先着順で採用している。学歴も経験も不問。誰にだって可能性があるからだ。
 例えば口下手だがコンピューターに精通している若者が他社の試験に落ちてきてくれた。
 世界最小の100万分の1㌘という歯車を開発したのは高校の元番長。
 数学が全くできなかったのに機械にデータを入力するうちに微分積分をマスターした女性社員もいる。彼らにチャンスを与えて力を引き出すのが経営者の仕事。リストラで業績を回復させるのは経営者の都合だけの粉飾決算だ。
 会社は誰のものか。株主のものだというのはおかしい。株主だけで経営してみろと言いたい。上場しないかという勧誘は何度も来た。僕に20億入りますよと言われたこともある。でもそんな金はいらない。会社は社員と経営者の共同所有だと思うからだ。
 正社員と派遣社員で同じ仕事をしているのに給料が違うのも不合理だ。とことん追求してしまうと共産主義になってしまうが、政治の力で余り格差がないようにすることが必要ではないか。
 大事なのは労働者に安定した雇用を保証して能力を発揮してもらうこと。当社には定年制がない。76歳の社員が会社の中を走り回っている。60歳でも子どもが3人いれば末っ子はまだ学生で、そんなときに失業しては家庭が成り立たない。たしかに60歳にもなれば給料も高く、企業から見れば定年にした方が楽だ。しかしノウハウの塊である年かさの社員が働く姿を見た40代や30代の社員は安心し、技術開発に打ち込んでくれる。会社にとってもプラスだ。     
 グローバルな競争の中で日本が生き残っていくために必要なのは技術開発の競争力。その人材をいかに育てるかにかかっている。  
  
国も経営者も、社員が安心と希望を持って働ける環境をつくることに努力すべきだ。労働者を保護することは、結局会社や競争力を守ることにつながる。 》
 
 いるんですね。こういう社長。人を信頼するところからはじまっている。
 ところが、人は蹴落とす対象、人はバカだ、金を儲けた者が勝ち、というのが小泉流・竹中流経済学です。彼らの発想は、あなたにも人を蹴落とすチャンスはあったはずだ。それをしなかったお前が悪い。というのが根底にある。
これが人間の社会か。