三流読書人

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ドングリ小屋住人 

教育基本法改悪論者の弁

2006年11月12日 13時31分55秒 | 教育 
 八木秀次を笑う
『毎日新聞』は「教育基本法改正を聞く」というシリーズを連載している。その11月10付の記事は、八木秀次という人。藤岡信勝や西尾幹二などと「新しい歴史教科書つくる会」に加わっていたようだが内紛があったのか、やめたとかもどったとかよく分からない。今は大学教授だそうだ。
以下『毎日新聞』の質問とその答え。

○教育基本法改正法案に賛成の理由は。
◆1949年の制定時は教育勅語の存続を前提としていたが、1年後に教育勅語が否定され本質的な欠落が生じました。中央教育審議会が66年に(愛国心や社会規範を強調した)「期待される人間像」を答申するなど。欠落を補う試みがあったが、憲法改正と同様、タブー視されてきました。もっと早く改正すべきでした。
 
○政府案のどこを評価しますか。
◆16条で「教育は、この法律及び他の法律の定めるところにより行われるべきもの」と明記し、教職員に法令遵守を求めています。学習指導要領は法的拘束力があるのに、指導の義務がある国旗掲揚・国歌斉唱が守られていない。東京地裁は9月に国旗・国歌で「都教委の強制は違憲」と判断しましたが、16条で法令の縛りがかかり、教職員組合の活動も大きく制限されます。

○国の関与が強まる点をどう評価しますか。
◆地方分権の行き過ぎで文部科学省が教育界をコントロールできなくなっています。地方と現場に任せればうまくいくという流れだったが、その結果がいじめや履修不足です。国が統括し責任を負うため、中央と地方の関係を再構築する必要があります。

○「愛国心」表記は十分と考えますか。
◆指導要領で「郷土や国を愛する心」と踏み込んだ表現になっています。「わが国と郷土を愛する態度」という表現は内心の自由に配慮した文言と評価しています。
 
○安倍内閣は競争重視の教育改革を掲げています
◆競争は手段で目的は先生たちの意識改革です。親や外部が評価し選択するようになれば、組合活動ばかりの学校は見放される。真剣に指導に当たる土壌をつくり、現場の提言を取り入れた学校作りをすれはいい。
                                          (聞き手・渡辺創)

彼が言ったことは、要約すると
◆現行教育基本法は教育勅語の存続を前提として制定された。教育勅語が否定されたので本質的な欠落が生じた。
◆学習指導要領は法的拘束力があるのに守られない、法案にはそれを守らせる条文がある。だから教職員組合の活動が制約されるのでよい。
◆地方分権が行き過ぎているのでもっと中央集権化すべき。
◆「わが国と郷土を愛する態度」という文言は内心の自由に配慮した文である。
◆競争によって親や外部に評価されるような学校をつくる。そうすれば組合活動ばかりの学校は見放される。

結局、教育勅語に代わるような教育基本法を、(この理屈初耳、新説、珍説?)
組合活動をやめさせる、
教育の中央集権化をもっと、
そのために教育基本法の「改正」を、ということのようだ。子どもはどこへ行ったのだ。
これが学者(なんだろうな)の言うことか。
『毎日新聞』の紹介には憲法学専攻とある。憲法学者とは書いていない。なるほど。