三流読書人

毎日の新聞 書物 など主に活字メディアを読んだ感想意見など書いておきたい

ドングリ小屋住人 

燃えろ 燃えろ

2009年01月31日 20時12分19秒 | 地球環境




日が落ちて また寒さが戻ってきた。
風と雨である。
ストーブの火を眺めながら、ぼうとする。
火というものは何もかも燃えてしまえという気を誘うが、
炎の中からまた何かがあらわれてきそうな気もする。

   何とたゝかふ心ぞ暖炉燃ゆるとき   林原 禾井
   
   暖炉燃ゆわれにかへらぬものいくつ  鈴木真砂女

   
  
    

オバマ新大統領にのしかかる負の遺産

2009年01月25日 08時55分31秒 | 政治 

 ブッシュ政権が強行したイラク戦争はすでに6年目に入り、米兵の死者が4千2百人、負傷者が3万人。戦費は6870億ドル(約62兆円)に達した。
イラクの人々の死者は民間人が大多数、20万人近い死者か、といわれる。よくわからない、というのがすごい。
 アメリカもこれ以上若者を死なせることはできない。
が、アメリカという国は、戦争で死ぬための要員を用意する仕組みを作り上げた。
ブッシュ政権のこの大きな負の遺産をオバマ新大統領は引き継がねばならない。

以下、岩波新書「ルポ 貧困大国アメリカ」(堤未果 著 2008年刊)の一部を引用させていただく。

《 二〇〇二年春、ブッシュ政権は新しい教育改革法(「落ちこぼれゼロ法」No Child Left Behind Act)を打ち出した。
 「アメリカでは高校中退者が年々増えており、学力テストの成績も国際的に遅れを取っている。学力低下は国力の低下である。よってこれからは国が教育を管理する」
 どうやって管理するか?
 競争を導入する。
 どんな競争を?
 全国一斉学力テストを義務化する。ただし、学力テストの結果については教師および学校側に責任を問うものとする。良い成績を出した学校にはボーナスが出るが、悪い成績を出した学校はしかるべき処置を受ける。例えば教師は降格か免職、学校の助成金は削減または全額カットで廃校になる。
 競争システムがサービスの質を上げ、学力の向上が国力につながるという論理だ。
 教育に競争が導入されたことにより教師たちは追いつめられ、結果が出せなかった者は次々に職を追われた。だが、この法律の本当の目的は別のところにあったと言われている。
 「個人情報です」
 そうキッパリ言い切るのはメリーランド州にあるマクドナウ高校の教師、マリー・スタンフォードだ。
 「落ちこぼれゼロ法は表向きは教育改革ですが、内容を読むとさりげなくこんな一項があるんです。全米のすべての高校は生徒の個人情報を軍のリクルーターに提出すること、拒否したら助成金をカットする、とね」
 生徒の個人情報とは、名前、住所、親の年収および職業、市民権の有無、そして生徒の携帯電話番号だ。
 個人情報漏洩に非常に敏感なアメリカの学校がいままでずっと守ってきたその姿勢を崩したものいは何だったのか、そう聞くとこんな答えが返ってきた。
 「格差ですよ。裕福な生徒が通う高校はもちろん個人情報など出しません。それどころか構内に軍服をきて武器を携帯した兵士が出入りするのさえ、「武器持ち込み禁止原則」(No Weapon Policy)によって禁じています。ですが貧しい地域の高校、州からの助成金だけで運営しているところは選択肢がないため、やむなく生徒の個人情報を提出することになるんです」 

 以上 なぜ引用したかお判りであろう。

 一方で、裕福な生徒が通う高校は個人情報などは出さないしくみのようだ。
 こうして軍は膨大な高校生の個人情報を手に入れる。
 特別の任務とノルマを背負った軍のリクルーターはこの中からさらにふるいにかけリストを作る。
 なるべく貧しく将来の見通しが暗く、しかし大学に進学する希望を持っていたり、まじめで身体の頑健な優秀な兵士となる資質を持った生徒に携帯電話をかけ、直接入隊を勧誘する。美味しい条件を掲げ甘い言葉でつるのである。
 大学の学費免除、除隊願いも受け付けるとか兵士用の医療保険への加入など。
 入隊した後の訓練はすさまじいもののようだ。人間性を徹底的に否定し、殺人マシーンとして育てられる。
 そしてイラクへ。
 人間性を破壊された米軍兵士が捕虜を拷問することなど不思議でもなんでもない。
 彼らも無残な犠牲者である。

 そして日本はどうする。ブッシュのいうがままに追随してきた日本もまた負の遺産を清算しなければならないのではないか。
 兵役の部分を除いて、日本の政府与党、文部科学省の教育分野での「改革」と称する政策はそっくりそのままである。
 東京都や大阪府の知事までその尻馬に乗る。
 愛国心などをいい、憲法の改悪をいい、教育の中身や条件を変え、やろうとしていることは何か。


PHOTO 一輪ほどの

2009年01月24日 09時43分53秒 | Photo


     梅一輪一輪ほどのあたたかさ    嵐雪

散歩の途中、冷たい雨あがりのなかで一輪だけ。
放棄された梅畑のなか、携帯電話のカメラです。

梅を詠んだ句は歳時記で見るとたくさんあります。
白梅の句が圧倒的に多い。

     勇気こそ地の塩なれや梅真白    中村草田男
     梅さくやわれにとりつく不性神   一茶
     梅寒き一中ぶしの稽古かな     久保田万太郎

など。
万葉の時代、花といえば梅をさした。



悪政「給付金を楽しもう」

2009年01月20日 10時08分13秒 | これは許せない

 世紀の愚挙というか愚策といおうか。政府の画策している定額給付金について大谷昭宏氏が1月19日付「ニッカンスポーツ」のコラムで面白いことを書いている。抜粋だけど拝借して紹介するので読んでみてほしい。 

  悪政「給付金」を楽しもう    大谷昭宏

 金はだれだって欲しい。だけど謂れのない金を押しつけられるほど気分の悪いものはない。
 天下の悪政といわれる給付金は国民の7割がそんなものいらないと言っているのに、どうやらゴリ押しで無理矢理ポケットに突っ込まれそうな気配だ。だったら、ここは大阪人らしくこんな政治をおちょくりながら楽しむ、いい方法を考えよう。
 先日、橋下知事が大阪は年収400万円以上の方に給付金の受け取りを辞退してもらって、学校の耐震化工事に使いたいと提案。こりゃ、いいアイデアだと思っていたら資産ン100億といわれる総務大臣に「自治体にビタ一文使わせない、俺はとんかつか鴨鍋を食う」と一蹴されてしまった。
  だけどこれでめげる知事ではない。給付金を受け取る府民から寄付を募り、小中学校にパソコンやカメラを導入、外国の学校との交流に繋げたいと言い出した。それもいいけど話がだんだんせこくなってきている気がする。
 私のように金はほしい、だけど意地でもこんな金は受け取りたくない。と言って辞退した金をお国に持ってかれるのはケタクソが悪いと思っている人は山ほどいるはずだ。
 そこで大阪がこの際、大風呂敷を広げて国をギャフンと言わせてほしいのだ。
 名称は「大阪依怙地基金」でもいいし「大阪イケズ基金」でもいい。市町村が本人宛に給付金支払いの通知を出す段階で、基金の振り替え承諾書と、領収書を同封するのだ。寄付をしたい人は領収書と承諾書を送り返すことによって基金への寄付を申し出たことになる。
 こうしておけば辞退したわけでなく、一度は確かに受け取ったのだからお国が横取りすることはできないし、自分がもらった金なんだからあとは寄付しようと何に使おうとガタガタ言われる筋合いはない。こうして依怙地資金だかイケズ資金への寄付を募るのだ。ただしいまのままでは寄付するにもメニューが少なすぎる。学校の耐震化も大事だし、小中学校の海外校との交流もいい。だけど、そのほかに「周産期医療施設のNICUの拡充」「派遣切り、雇い止め労働者への就労斡旋」「大和川の浄化」といったきめ細かい寄付項目を作ってほしいのだ。
                  ・・・・中略・・・・。 
 ただ寄付するだけでは面白くない。そこで何十何百と用意されたメニューのなかで、どれに府民がたくさん寄付してくれたかトトカルチョをやるのだ。たおえば1位から20位までを全部当てた人には10万円といった具合に賞金を基金から出す。たしか富くじの許認可も寄付行為の承認も知事権限、国は口出しできないし、こんなおもろい仕組みを指をくわえて見ているしかないのだ。 ヘッヘッヘ。ざまあ見ろ。それにこの制度、煩雑(はんざつ)じゃないところがもっといい。(ジャーナリスト)

 はっきり言って私は橋下という弁護士資格を持っているというタレント知事を好きではない。何ぼのもんか知らんが教育問題などについて具体性のない右翼的プロパガンダの教条的な悪罵を現場に投げつけるだけである。
 しかし、大谷氏は違うと思う。現場に精通し、いつも庶民の立場で見つめている。
 賛同する。
 


究極の鍋料理

2009年01月19日 09時09分03秒 | 地球環境
  つまし鍋
なべにだし汁としょうゆ・酒・みりんなどで吸い加減の だしを張る。
煮立ったら水菜と油揚げの短冊に切ったものを入れ煮ながら、
粉山椒か七味唐辛子を薬味にふうふう言いながら食べる。
はりはり鍋の鯨肉の代わりに油揚げである。
つまし鍋と言う。つましはつつましいである。
キツネ鍋という言い方もあるようだ。
要するに京風節約料理である。
材料はきわめて安く、料理は簡単、とてもおいしい。
足りなければほかに何を入れてもいいだろうが、
大量に水菜は用意する。(だしはやはりこぶだしか)
油揚げの実力はたいしたものである。

ぜひお試しあれ。


ああ 2兆円 (税金の使い道) !!!

2009年01月16日 18時59分07秒 | これは許せない
1月17日です。
神戸淡路大震災から14年。
死者6434人、負傷者約4万3800人を出した1995年から14年がたった。

ふたたびこの様な犠牲者が出ないことを祈って各地でさまざまな鎮魂と反省と決意の行事が行われる。
きたるべき東南海大地震に対する備えは充分か。
日本人一人ひとりが検証すべきときだろう。

いま、麻生内閣と与党自民党と公明党は国民に2兆円のお金をばら撒き国民の支持をつなぎとめようとしている。
しかし、どの調査を見ても7・8割の国民はこの政策は評価しない、やめて別の政策をと回答している。
このお金の消費が今日の未曾有の大不況を乗り切るために役立つという。
これで本当に不況を乗り切れると思っているのだろうか。
国民を甘く見てはいけない。

国民は安心して暮らせる国に住みたい。
医療も福祉も老後の生活も教育も災害対策もこれほどお寒い政策のもとで安心して暮らせるか。
安心して暮らせること、未来への展望をもてること、このことが国民に消費へとむかわせ政府への期待を抱かせる。
国民に明るさが戻ってくれば景気の浮揚が期待できる。
「矜持」を捨て「さもしく」も定額給付金を受け取った高額所得者は喜んで使うだろう。

庶民は、危険を冒して安い輸入食料品を買うことをやめ、国産品を少しだけ買う。それも家族あわせて数万円分。
それも贅沢という人もいるかもしれない。
その程度のゆとりである。

何よりも必要なのは安心と希望である。

例えば、
2兆円で災害対策のためのヘリコプターを配備してはどうか。
何機買えるのか知らないが、大災害時にはこれほど役に立つものがないのではないか。
人的被害者の搬送、食料、ライフラインの確保、情報の伝達等々使い道はきりがない。
もちろん平常時においても役に立つ。
建物の耐震構造化、津波のときの避難所、防波堤といった事前の施策。
1995年1月17日を教訓としたとるべき対策は大きく前進するだろう。

麻生内閣よ、国民に安心と希望を与えよ。
現与党が生き延びるにはそれほど選択肢は多くない。


春のきざし 蕗の薹

2009年01月11日 20時31分56秒 | Photo



 

春を告げる草です。
が今年は遅い。
例年は年末には出ている。
栗の木が茂って日当たりが悪くなった。
その下の蕗の大群落がだんだんやせて
出てくる蕗の薹もせこくなってきたような気がする。
てんぷらにしたり、味噌にすりいれてなめ味噌とする。
香りがたまらない。



オバカブーム 自民党にも

2009年01月08日 13時15分34秒 | いいんじゃない
オバカブームだという。なるほど バカばっかり。
三流の芸能人というかタレントがクイズ番組でとんでもない回答をする。
それをみんな(出演者同士)で笑うというのが流行っている。
視聴者はもうしらけている、のにまだ気がついていない。
番組の知的レベルはまともな回答をしたものも含めて語るに値しない。
が、オバカバンザイなのだ。テレビはオバカと大食いでなりたっている。

ところが最近、そのオバカブーム、政治家にまで広がった。
麻生総理大臣を含め、いちいちもう一度とりあげるまでもないだろう、国民はあきれかえっている。

漢字読めない。空気読めないのダブルKYだ。

最も最近のものは、坂本哲志総務政務次官が東京・日比谷公園の「年越し派遣村」に関して
「本当にまじめに働こうとしている人たちが集まってきているのか」という発言。
企業の都合で首を切られ、それを合理化するような労働法制の規制緩和がもたらした今日の状況に対する反省は全くない。
麻生総理はこの男の首を切る気はないと言っているが、それはそうだろう同じKY仲間だ。
それにしても自民党自体が危機的状況にあるというのによくまあこんなのをのさばらせておくものだ。

オバカバンザイ!!!


川柳麻生ネタと庶民の感覚の変化

2009年01月06日 19時07分08秒 | 政治 
麻生氏は最短記録回避した          佐倉 繁本千秋
足りないとひとつ覚えの消費税       さいたま 高本光政
おじいさまボク孤独です あっそうかい   東京 ポッポ
税金を麻生いいそうみかじめ料       勝浦 ナメロー
ひと月の総理小遣いオレ年収        千葉 石川明男
年頭のあいさつもメモ見る大臣       明石 竹風
                    (毎日新聞 仲畑流万能川柳より)

もっとどっさり辛らつなのもあったが これくらいにしとこう。

ところでこれらの麻生ネタ川柳が麻生総理だけを揶揄しているわけではない。
今の自民党以下自民党的政党政治家すべてを指していることをわすれてはいけない。
国民の政治を見る目は肥えてきている。

毎日新聞1月1日付 コラム「発信箱」与良正男氏 「キーワードは『まじめ』」 から(一部抜粋)

《 テレビは本当に怖いメディアである。テレビのコメント役としてかかわり始めて、つくづくそう感じる。
例えば昨秋の自民党総裁選。一部の識者は候補者5人が連日のようにテレビ出演しているのを指して「テレビは政治利用されている」と例によって批判したが、違うと思う。総裁選がいかに茶番か、テレビはそれをそのまま映し出したのだ。総裁選を失敗させたのはテレビだったと言ってもいいほどだ。
麻生内閣のいきなりの行きづまりは「メディアに出てさえいれば盛り上がる」と錯覚したことに始まる。「ナントカ劇場」の時代を経て国民の政治を見る目は一段と肥えてきたことに、自民党は気づかなかったのだ。
今年は自公政権の継続か、交代かを有権者が選ぶ年だ。パフォーマンスや演出ではなくて、この国をどうしていくのか、どの政党が一番まじめに、誠実に政策を訴えていくかが選挙結果を左右する予感がする。民放テレビも最近は報道など硬派の番組を増やす傾向にある。深刻な雇用破壊。出口の見えぬ世界不況。そして国民意識の変化を考えれば当然の流れだろう。そう、メディアの世界もカギは「まじめさ」である。・・・・・以下略 》



冥土の旅の一里塚 にあたり

2009年01月02日 10時33分53秒 | くらし
門松は冥土の旅の一里塚めでたくもありめでたくもなし    一休

今年もまずは中ぐらいのめでたさのお正月。
どれほど他の人に迷惑をかけずに生き延びるか、それが問題。
贅肉を省く計画は一挙にリバウンドしてしまった。
10日でとりもどすぞ。
固い決意を今はしている。
体重65kg、胸囲100cm、腹回り80cm 1月中に。
と全くどうでもよいようなことを公共の通信手段で公開することの馬鹿馬鹿しさ、
変な時代に生きていると思う。