三流読書人

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ドングリ小屋住人 

「戦争大統領」ブッシュ

2006年11月06日 16時22分33秒 | 堪忍袋
 3日付の英紙ガーディアン紙は、世界の指導者で誰が平和への脅威かなどを英国民に尋ねた世論調査結果を掲載した。最も危険とされたのは国際テロ組織アルカイダの指導者ウサマ・ビンラディン容疑者で87%に上った。ついで米大統領ブッシュ氏で75%、3番目に金総書記は69%、イランのアフマディネジャド大統領は62%とつづく。
 同紙のほか、イスラエル、カナダ、メキシコの有力紙も連携し、それぞれの国で同様の調査を実施。イスラエルを除く3カ国では、イラク戦争を正当化できないとする意見が圧倒的多数を占めた。
のだそうである。
 
 『戦争大統領』という本が発売されている。ブッシュ氏を描いた本である。
 (『戦争大統領』著者ジェームス・ライセン 訳者伏見威蕃 毎日新聞社刊 1600円) 
 10月8日(日曜日)付『朝日新聞』に書評が載っている。
 評者はジャーナリスト野村進氏

 自分が読まずに書評を紹介するということには忸怩たる思いがありますが、要約してみたい。
 
 「…イラクにもイランにも、CIAはまともな情報網を構築していない。イラク侵攻前に大量破壊兵器の存在を証明しえなかった事実や、その後の戦況の泥沼化を示す報告は、途中で握りつぶされ、大統領と側近たちにとって『聞きたい』情報だけが伝えられた。
 著者の大スクープのひとつは、CIAが在米イラク人たちをスパイとして本国に送り込み、かつて核開発に従事していた科学者らを通じて、現在は『核開発計画など存在しない』との明言を得ていながら,CIAの縄張り争いのせいでホワイトハウスに伝達されずに終わってしまった出来事である。開戦数ヶ月前の実話だが、ブッシュはそれを知ったとしてもイラクに攻め込んだのではないか。…」と評者の感想は続く。
 そして評者は最後に「私が真っ先に読ませたいのは、先日の国会答弁で、イラク侵攻時に『大量破壊兵器が存在すると信じるにたる理由があった』などと前任者の強弁を繰り返した『美しい国』の著者である。ちなみに、『美国』とは中国や韓国では『アメリカ』の謂だが、もちろん偶然であろう。」

 ※ ジェームス・ライセン ニューヨーク・タイムズ記者 06年ピュリツアー賞(国内報道部門)受賞