三流読書人

毎日の新聞 書物 など主に活字メディアを読んだ感想意見など書いておきたい

ドングリ小屋住人 

「19と1つのさくらんぼ」

2006年06月30日 07時47分59秒 | 教育 
 浜口陽三という作家がいました。パリに在住し、世界的に評価の高かった版画家です。残念ながら2000年に亡くなりました。
 このような図柄の絵を見たことはありませんか。「19と1つのさくらんぼ」というカラーメゾチントという手法でつくられた彼の作品があります。それとそっくりに並べて写真に撮ってみました。
 全く感動などありません。みずみずしさがないのです。もちろんへたくそな写真であることがその一因でありますが。
 やはり作家の内面の感動をどう具現化するかということですね。作家の高い技量と感性が試されます。
 先日、日本芸術選奨を受賞した和田某という「画家」がイタリア人画家アルベルト・スギ氏の作品を模写し、自分の作品として発表し、それがばれて受賞を辞退するということがありました。
 彼の場合は贋作ではありません。スギ氏の作品をそっくりに真似てスギ氏の作品だといって売れば詐欺であるし、偽物であると言える。
 自分の作品だといって発表しちゃった。本物の模写作品なのだ。
 哀れ、文化庁これに賞を与えてしまった。
 日本人の文化的なレベルは低くないと思う。
 日本の役人のレベルが低すぎるのです。選考委員もはずかしいでしょうね。

 山形から届いたさくらんぼ、おすそわけをいただいて撮りました。
 写真の出来映えはともかく、大変美味しかったです。
 こんなに可愛く美味しい食べ物ってほかにあるかな。

米国中心のグローバルファシズム また愚かな道歩みそう

2006年06月29日 06時24分38秒 | 教育 
 昨日、吉永小百合さんの発言を紹介した『毎日新聞』のシリーズ「戦後60年の原点」6月28日の構成の中で国際政治学者武者小路公秀氏が囲み記事の中で語っている。その一部。
 
 今は「グローバルファシズム」の問題を研究しています。幼少体験に基づく、今日の世界情勢の分析です。(氏の父は1936年日独防共協定調印時の駐ドイツ大使、ドイツ生まれ)ナチスが台頭したのは合法的に選挙を通してでした。中産階級が、ユダヤによる世界制覇とか、共産主義革命への恐怖を抱き、言論の自由など民主主義の権利が多少制限されても仕方ないと考えた。当時は表面的なナチス礼讃さえすればよい程度の言論統制でしたが、私も、腹痛か何かの時に「あの医者はユダヤ人だから」と医師を代えられたことを覚えています。以前に兄が診てもらい信頼していた友人だったのにです。
  現在、米国では捕虜収容所での虐待や盗聴を容認する動きがあります。「反テロ」のためには多少の人権侵害は仕方ないーーそんな考えは、あのころのドイツと似ている。同じような動きは共謀罪や外国人犯罪取り締まりなどで日本にも出つつある。米国についていれば国際社会で力を伸ばせると日本は考えてきたが、米国中心のグローバルファシズムの中で日本は重要な役割を果たし、かつてきた道をたどる愚かな選択をしようとしているのではないか


 かつてのナチスドイツと今のアメリカ、怖い話です。

吉永小百合さん平和を語る

2006年06月28日 06時31分36秒 | 教育 

 若い頃、特にサユリストというわけではなかったけれど、最近の吉永小百合さん、歳月を経てますます魅力的になってきました。一頃、TVのCMでバタフライで泳ぐ映像が流されていたことがありました。すごいと思いました。 
 今の美しさ、知性美というんでしょうかね。 
 6月26日の『毎日新聞』「戦後60年の原点」シリーズの総集編のトップでインタビューを受けています。一面です。 彼女の発言の一部を紹介します。読んで下さい。

1968年に「あゝ ひめゆりの塔」という作品で女子学生を演じました。… あまりに悲惨なシーンばかりで、冷静な芝居ができなかった。本土であまり沖縄の痛みを分かっていない人たちにとっては私たちの演技では伝わらなかったんじゃないかという思いがながいことしていました。… 沖縄には遊びに行ってはいけない、という思いが強かったんですね。あれだけの方が亡くなっている。そこで海に入ったりできない、と。(後に沖縄に行ったとき沖縄の人が)「沖縄というところはね、つらいことがいっぱいあったけれど、どちらかといえば、悲劇より喜劇が好きなんだ」って。それで、私がそういう否定的な部分でこだわっているんじゃなくて、もっと沖縄に何度もきて、その中から自分の答えを見つけた方がいいかなと思うようになったんです。… (吉永さんは現在の日本の平和が)「世界の中でしっかり地に足のついた平和ではない」「過去に何があったかを見つめようとしない国民性が問題。あったことはあった として、きちっと知ったうえで、それを乗り越えたり、反省したりして、生きていくのが人間だと思う。
◆「戦争にゆきましょう」みたいな役はやりたくないとは思っていますけど役者ですから、いろんな役をやるのは当然のことでね。やらなきゃいけないし。ただ、人間としては絶対に、憲法9条を守って戦争にはいかない。日本はね、戦争には参画しないし、世界中が9条みたいな憲法を持ったら、結局は戦争はなくなるわけですから。そうなってほしいし、それは人間としての自分の願いですし。…
◆(テロをなくすという理由で新たな戦争が起きたり、ということに関して)目には目をみたいな、本当に。エンドレスでどんどんむしろ拡大してますよね。とっても悲しいし、ときには無力感をみたいなものも持ちますけれども。核兵器の廃絶だってね。なかなか実現しない。でもあきらめたら、もう終わりだと思いますしね。 


 長くなるので引用はこれでやめます。 同日の同じシリーズの一部に俳優若林豪さんの長崎での原爆体験を語っています。「悲劇の匂いかいでほしい」という囲み記事です。これも凄い内容です。


川柳 村上ネタPartⅡ

2006年06月27日 06時40分06秒 | 教育 
川柳村上ネタ PARTⅡ
またも村上ネタです。徹底的にやりましょう。

ようするにカネがモノ言う株主ね        東京   オ・ジャキ
はとバスで本郷 小菅 六本木         勝浦   ナメロー
プロ中のプロと自分じゃ言わんやろ       京都   東原佐津子
嫌われてみたいものですもうけすぎ       相模原  水野タケシ
外国に資本を移しプロ多弁           二本松  安 の り
ホリエモン3億だったが村上は         臼杵   ココサン
虎はんはアテのもんだす村上はん        神戸   吹子兵衛
拘置所にヒルズ別館できました         阿南   独立個人
東大とヒルズ経由の小菅行き          横浜   おっぺす
ファンドから身を引くなんて役者だね      幸手   海 苔 鯛
ホリエモン生まれ故郷が同じとは…       横須賀  次 男 坊
才たけた寵児(ちょうじ)もただの守銭奴や   飯能   市川  功
罪意識無いから無罪主張とは          長門   田村 光俊
行動がカッコウに似る村上氏          牛久   鈴木  浩
村上氏 堀江氏どちら好きですか        秩父   茂木 一夫
村上もみんなしてると思ってる         洲本   にゃんこ
堀江氏を笑えないよネ村上氏          我孫子  龍野目玉
東大と拘置所へ行って卒業よ          桜井   タッチャン

『毎日新聞』仲畑流万能川柳 仲畑貴志氏選 6月26日分です。
仲畑さん、作者の皆さんすみません。拝借致しました。


川柳 村上ネタ

2006年06月26日 05時37分29秒 | 教育 
何がヒルズ族だ。ざまあ見ろと庶民は思ってる。
しかしもっとみっともないのはそれにたかり、群がる薄汚い政治家ど 
もだということも見抜かれている。
乞食根性そのもの。

川柳 村上ネタ『毎日新聞』6月25日 仲畑流万能川柳 仲畑貴志選

嫌なのはもうけではなくもうけ方      鹿児島  西の原 仁
東大はプロ中のプロ育ててる        野田   善チャン
村上氏謝りながら威張ってる        神戸   徳冨 節
金もうけだけが生きがいという不幸     西宮   寺田 稔
あの人を悪い欽ちゃんってどうよ      東京   杉山 竜
ヒルズ族もうけ話で輪を作り        鎌ケ谷  ありの実
Mファンド利用している大企業       大阪   あらきみやこ
東大で村上・堀江ゼニ学部         西宮   伊藤 勇
おごってる口に合うかな臭い飯       東京   恋し川
さあ大変シンガポールに亡命か       笠間   高橋 済
ホリエモン小者に見えてくる逮捕      駒ヶ根  桐山実茶
欽ちゃんと思っていたら村上氏       山形   植木 英夫
いつもより余計目をむく村上氏       岡山   邪 素 民
LDいぶしだしたら出た大ムジナ      名古屋  正  八
村上の逮捕に安堵トラファン        大和   渡辺 伸一
ホリエモン村上に獄明け渡す        三重   織田 信勝
お騒がせヒルズの友はインサイダー     白河   子亀 孫亀
プロ中のプロ言い訳もさすがプロ      大牟田  峠 一歩

重税 苛斂誅求の国

2006年06月25日 09時56分02秒 | 教育 

重税 苛斂誅求の国
先日住民税など地方税の支払い通知を見て、仰天した。昨年のざっと3倍。
苛斂誅求の国日本、まだまだひどいことになりそうだ。
以下は、6月23日付『朝日新聞』経済面コラム「視点」

《 歳出歳入一体改革の大詰め議論をしている政府・与党幹部の多くは「消費税増税は避けられない」と考えている。それなのに表立っての議論になっていないのは、07年夏の参院選への影響を恐れてのことだ。これでは「消費税隠し」と言われてもしかたない。
 大幅増税でもいいから公共サービスを高水準に保つのか、それともそこそこのサービス、そこそこの負担でいいのか。納税者に選択肢を示し、選択の機会を与えること。それが「税制のプロ集団」の役割ではないか。》

大幅増税で公共サービスを高水準にというようなこと信じられますか。今の政治家に任せて。
勝負は来年の参院選。


あなたは食べるか 米国産牛肉

2006年06月24日 12時46分46秒 | 教育 
あなたは米国産牛肉を食べるのか
小泉の訪米の手みやげとして、米国産牛肉輸入再開を政府は決めた。
日本の国民の命と健康を犠牲にしてもよいという手みやげ。
あなたは食うのか。BSE、ブリオン、狂牛病、牛海綿状脳症、おどろおどろしい言葉。
今年1月日本に陸揚げされた米国産牛肉には、危険部位が混入している牛肉があった。
韓国にも、台湾にも、香港にも危険部位除去違反の肉が送られていた。
アメリカの農産物関連の族議員(アメリカでもそう言うのかな)のごう慢な顔。彼らが人種差別主義者であることを絶対に忘れてはいけない。世界の食糧の供給を牛耳っているのは彼らである。特に穀物と肉。
捕鯨の再開を阻んでいるのは奴らだという説もある。
こっちに干ばつがある、あっちには冷害があるというような情報を完璧に把握し、値段を決め、米政府を通じて圧力をかけ無理矢理にでも買わせる。あるいは売らない。地球上の人類の命を操る奴らがいる。
それに易々として、ヘイコラして日本の政治のトップは訪米する。

国会には議員食堂がある。ここでは与党、自民党・公明党の議員には国産牛肉は食わせるな。米国産牛肉だけを食わせろ。

かつて、第二次世界大戦直後、食料が配給制の時代、闇の食料品は食べないとして栄養失調でなくなった裁判官がいた。
少し意味が違うかも知れないが、アメリカの牛肉は食わない、中国からの輸入食料品も食わない、北朝鮮からの輸入といわれるあさりも食わない、タイなどのマングローブの森を切り倒してつくった養殖池の海老も食わない。
栄養失調になってもいい。餓死はしないと思う。幸い荒れているが山がある。草を食ってでも生きよう。

食料品のリスクの問題を言っているのではない。
やり口が許せないのだ。



さっさと辞めろ福井俊彦日銀総裁

2006年06月23日 16時32分45秒 | 教育 
なけなしの退職金を貯金していても、利息はほとんどゼロ。
さりとて株式に投資するようなことは恐ろしくてとてもできない。
今は、デフレでものの価格は安い。もちろんものによるが。
いずれインフレがきたらどうなる。
預貯金の価値の目減りは誰が保障する。
老後は餓死か孤独死かと暗澹たる気持ちになる人は多い。

「私はプロ中のプロ、お金を儲けることは悪いことですか」と村上世彰容疑者。
「私は全くのど素人で分からない。契約書も読んでいない」と日銀総裁福井俊彦。
福井俊彦氏はお金を印刷する大元締めの人。利子を決めるのも彼。
ゼロ金利政策はまだ続けるそうだ。一千万投資して一千何百万か二年ほどで儲ける。
それが何か悪いことですか、と言っているように聞こえる。
一応謝罪のような言葉を発しているが。
だったら辞めなさい。
小泉も辞めなくていいと言ってるが、恥ずかしくないのかねえ。

いまだに日本人をやっている私って不思議やなあと思う。
みんなはどうなんやろ。

新緑 吉野山

2006年06月22日 09時42分54秒 | 教育 
新緑したたる吉野山を歩いてきました。
今紫陽花まつりの最中、数万本の紫陽花が咲き誇っています。
桜ももちろんいいですが新緑もまたよし。
今年の紫陽花は雨量の関係か、花が例年より小さい、とは喫茶店「陽ぼっこ」(写真のログハウス)のママさんの話。
なにより酔っぱらいもいないし、人も少ない。
7月7日は天下の奇祭、蛙跳び行事があります。(蔵王堂)

秋の紅葉もいいです。しかし、桜の紅葉は年によってきれいさが全く違います。
四季見所があります。

奥の千本までこれだけの山を維持していくのは大変なご苦労もあるようです。

もちろん金峯山寺・蔵王堂、脳天神社(首から上を守ってくれるという御利益がある)の拝観もいってきました。

カミキリ

2006年06月21日 08時17分24秒 | 教育 
昨夜、網戸にどすんとぶつかってきたのがこのカミキリムシ。
シロスジカミキリだと思います。
ライターは8㌢あります。
たいへんな顎を持っています。噛まれると皮膚は破れるでしょう。
これが果樹に大きな被害をもたらします。
成虫がPC小屋の前のイチジクの木にとまると気配でわかります。
ばりばりと木の幹を噛みます。2㌢ぐらいの枝はすぐ枯れます。
そして木の幹の中に産卵し、幼虫が木を枯らします。
害虫というより、害獣ですね。
特に柑橘類の被害は大きい。
しかし、このど迫力、クワガタやカブトムシのような愛玩動物のような昆虫と違ってこの風格は凄みがあると思います。

Soccer World Cup

2006年06月20日 06時12分10秒 | 教育 
Soccer World Cup

サッカーは戦争だ

弾を球に換えての戦争だ

外周 68cm以上70cm以下の球

重さ 410g以上450g以下の球

戦場は縦105m×横68mの芝生をはったフィールド

だから 弾を球に換えることのできない国

他のものに向けて弾を撃ち続ける国は

World Cup にでる資格などないのだ

空気圧0.6~1.1気圧の革張りの球のみ

弾は自軍のゴールに向けて撃て

そして滅んでしまえ




九条を守る

2006年06月18日 05時45分39秒 | 教育 

 憲法を守ろう 九条を守ろうという運動がすごい勢いでひろがって
います。
 思想や信条、政治的立場を越えて憲法第九条だけは守らねばという一点で一致する人々の運動です。まさに燎原の火の如く日本列島を包み込みつつあります。

三木睦子さん(三木武夫記念館館長)
 《静かで楽しい世の中に》
憲法九条を守っていこうという集まりに大勢ご賛同いただいて、私どもの元気になるのです。93歳になる年寄りが申し上げるのです。平和がどれほど必要か。世界にまだ残虐なことが起きていますが惑わされず、日本も世界も静かで楽しい世の中にしようではありませんか。

鶴見俊輔さん(評論家)
 《戦争の文明に反対する》
私は二つの国家の文明に取り残された一人のもうろくの個人として戦争に反対します。文明の先進国から2個の原爆を先駆けて落とされた日本人として、この戦争に協力する必要はない。その記憶を大切にし、戦争を起こす文明に対し、もうろく人として反対していきたい。

澤地久枝さん(作家)
 《新しい知恵のあけぼの》
市民たちがそれぞれの地域や職域において、憲法九条を守るということで平和への努力を続けておられる。そして日に日に増えている。この市民の力、気持ちの結び合いの中から、私たちの新しい知恵も生まれてくるに違いない。いま私たちは新しいあけぼのにいるのかも知れない。

加藤周一さん(評論家)
 《国民の横のつながりを》
「九条の会」をつくったとき特徴が二つありました。一つは議会の中は多数だけれど、国民の中では全然多数じゃないこと。もう一つは、市民運動が盛んだけれど横の連絡がない、それにいくらか役立ちたいと思いました。押して押していけば(改憲の動きに)勝つ可能性があります。

小田実さん(作家)
 《非暴力の世界に一歩》
理想的であることがもっとも現実的です。改憲派は「自衛隊を軍隊と認めて歯止めをかける」といいますが、今でも勝手な行動をとっている自衛隊はもっと勝手な行動をすると考えるのがリアリストです。非暴力の世界に向けて一歩でも進めることが日本を守ることになるのです。

大江健三郎さん(作家)
 《多様な声 大きな結実》
独立した多様な声の重なり、憲法擁護のさまざまな運動が重なって、このような大きな結実を示していることを喜んでいます。私は悲観的人間ですが、倫理的創造力を考えること、憲法九条をいかに守るか考えることを続け、この運動に合わせて少しずつ声を発していきたいと思います。

 以上は先日ひらかれた「九条の会」全国交流集会での挨拶の一部です。この集会もほとんどのマスコミは無視しました。

 『しんぶん赤旗』日曜版6月18日号を参考にさせていただきました。 


報道とは何か

2006年06月17日 09時10分15秒 | 教育 

 マスコミ、マスメディア、ジャーナリストというジャンルの仕事は、何を報道するか、何を書くかという以前に公平であるということが決定的に大事なことではないか。
 例えば、2004年、井上ひさし、梅原猛、大江健三郎、奥平康弘、小田実、加藤周一、澤地久枝、鶴見俊輔、三木睦子の9氏により「9条の会」が結成され、「改めて憲法九条をを激動する世界に輝かせたい…」というアピールを発表した。
 それに呼応し、いま日本中で何百万もの人々が、地域で職場でグループで「九条の会」を立ち上げ、活動をはじめている。
 さまざまなイベントを行い宣伝活動など行っている。それがどんな大規模なものであろうと、いわゆる大新聞をはじめ、テレビなどのメディアはほとんどそのことを報道しない。
 報道とは何か。

 以下は6月17日付『毎日新聞』の記者のコラム「発信箱」から。今日は社会部松井宏員氏。

《沖縄とイラクから
 沖縄にて。泡盛のよいがほどよく回ったころ、地元紙の基地担当記者が尋ねてきた。
「米軍再編に税金を投入することに本土ではどんな反応なんですか」
「大して反応ないみたい」
「71年の沖縄返還の密約事件のとき、日本が肩代わりした400万ドル(当時のレートで十数億円)が問題になった
のに」
 海兵隊のグアム移転経費が約7000億円。これだけでもべらぼうなのに、日本の負担総額は3兆円という数字まで
飛び出している。密約とはけたが違いすぎるのに、批判のほこ先は決して鋭くない。
「どうしてなんですかね」
 そう言われて、考え込んでしまった。時代状況の違いだけで済ませられる話ではない。
 大阪にて。占領下のイラクで米軍に3度拘束され、拷問を受けたジャーナリスト、イサーム・ラシードさんが
来日し、米軍再編に触れて、こう語った。
「税金でこうしたことをするということを、広く伝えるのが私たちの義務」
 イラク戦争後、電気技師から転身した彼が拷問を受けたのも、ジャーナリストを続けているからだった。さらに言葉
を継ぐ。
「日本はジャーナリズムが弱いと感じた。テレビはニュースが少なくバラエティ番組ばかりだから」
 命をはっているジャーナリストの指摘は重い。何もテレビに限った話ではなくわれわれ新聞の責任を改めて考えさせ
られた。沖縄とイラクから発せられた言葉をどう聞くか。》

 何をいまさらという気がしないでもないが、まともな発想のできる記者か、とは思う。

 


悪法続々

2006年06月16日 06時21分26秒 | 教育 
 いくらひどい政府でも、日本国憲法と教育基本法と労働基準法が、法の精神が生かされ、機能していれば、庶民も生き延びられるのではないかと思っていた。
 それが根底から崩されようとしている。
憲法を変えようとし、教育基本法を改悪しようとする。
今度は、労働法制を改悪しようと厚生労働省は企んでいるようだ。
憲法25条にかかわる重要な部分では医療改悪法がすでに成立した。
特に高齢者の負担増は凄まじい。
「病気になれぬ?お年寄り」(『毎日新聞』6月15日)
そのかわり作った法律は「自殺対策基本法」。
これほど庶民をいじめても自殺されては困るらしい。
しかし、その中身はどうなんだろう。
《「自殺に対する国民の見方を変える最大の啓発活動」と評価する声もある。》
(『毎日新聞』6月15日)だそうである。要するに、啓発活動なのか。
断じて心の問題ではない。なぜ、追いつめられたのか。その背後が問題だろう。
「経済・生活問題」を自殺の原因とするケースが激増している。
自殺者の背後には10倍の未遂者がいるとされ、遺族を含め、200万人が自殺で苦しんでいるそうだ。

政治を変えるのはわれわれ有権者である。これからはまじめに考えよう。