おやつと本と絵で綴るhirorinの思い出

おいしいもの・小さくて可愛いもの・アート・本が大好き。これからも健康に注意しながらお菓子を食べ続けることを誓います。

「楽園のカンヴァス」原田マハ→「ホテルローヤル」桜木紫乃→「コーヒーと恋愛」獅子文六

2015年08月12日 22時21分44秒 | 読書

ここのところ続けて3冊。

まずは「楽園のカンヴァス」。れいの大原美術館ツアーに備えて読んだのだけど。
舞台となるのは、大原美術館。もちろんフィクションですが。

ルソーの名作「夢」に酷似した作品の真贋判定をして勝者にその絵を譲ると告げられるキュレーター同士の戦い。

キュレーター達にもそれぞれの人生や事情があり。
そして、ルソーの「夢」にこめられた思い。

永遠の愛と生、真実。
だからこそ「楽園のカンヴァス」という題名。初めの部分は物語の伏線部になっていて、最後に出てくる女性が心なしか「夢」に描かれた女性に似ているような~の部分でああ~なるほどおと。

作家って初めからちゃんと構想を練って作品を書いてるのだなと改めて実感。ちゃんとつじつま合います。
永遠の愛と生に感激して最後の方では、涙ぐみながら読んだ。
だから、大原美術館でルソーの作品を見た時は「これは・・・・」って。少し涙が。
ヤドヴィカ」とつぶやき(ヤドヴィカは出てへんのに)完全にあっちとこっちがごちゃ混ぜになった危ない人になってますな。←私・・・

次は第149回直木賞受賞作の「ホテルローヤル」。
読みたいと思っていたのだけど、図書館行くのも面倒だし。
ヤフオクで単行本1円で出てたので、買いました。

北国のラブホテルを舞台にあんまりな非日常が描かれる6編の連作集。ちゃんと話はつながります。

でもその「あんまり感」「どないしたらいいの?感」「やるせなさ感」にやられました。
思わず節約しなあかんわあとか、老後の心配とかそんなんを思う。

都会と地方、正規と非正規など、格差社会がある現実。
どんよりしてしまった。

気分が落ち込みそうになったので、最近よく新聞で紹介されている獅子文六に手を出しちゃう。

コーヒーと恋愛」これは、まだテレビが新しかった頃を舞台にしたドタバタ恋愛ユーモア小説。
昭和30年代終わりかな?

この頃でも「戦前と戦後の違い」「最近の若いものは」「いまどきの風潮」などというワードがちりばめられている。

ほのぼのと面白かったです。

ほっとできました。
「ホテルローヤル」を読んだ後だけに、やっぱりこういうのがいいわと思う。

あんまりずっしりと重くなるのは、ちょっとね。

爽の冷凍みかん味。
やっぱりスイカ味がいいかな?

「楽園のカンヴァス」一押し!
色々な画家や詩人が出てくるのがいいな。
そして絵には画家の魂がこめられていること。
しみじみ~

そう言えば、大原美術館で学芸員さん解説の時「白樺派」関係の作品も多く収蔵されていると。
うちの息子は「白樺派」のことを「しらくも派」と読んでた大バカ者であることを思い出す。
ついでに「北大路魯山人」と「阿Q正伝」の「魯迅」が同一人物と思っていたらしく、つくづく情けない。

今度は同じく原田マハの「ジヴェルニーの食卓」がいいかも?

でも今は二冊目の獅子文六を読んでるのでそれが終わってからね。

 

コメント (6)
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