中央競馬徹底研究!

2022年は客観的な予想を心がけます。

安田記念(GI)回顧

2007-06-04 22:23:51 | 回顧
【馬場】Cコース。内目の傷みは目立つものの、馬場が固く内有利。高速馬場。

12.3 - 10.7 - 11.1 - 11.8 - 11.6 - 11.3 - 11.5 - 12.0=1:32.3

【展開】コンゴウリキシオーが手綱を押してハナ。2ハロン目に香港のエイブルワンが掛かって競りかける。しかし、3角で2番手に落ち着く。平均ペースの淀みない流れをダイワが坂上から仕掛けを開始させ、コンゴウとの叩き合い。差し馬は流れが落ち着き、内目の馬場がいいために差し届かず。

 これがGI3勝馬の強さだ。ドバイ帰りのダイワメジャーが国内復帰戦を貫禄の走りで快勝した。直前の攻めを強くしたために、下見どころでは少しテンションが高い。だが、レースへ行くと、コンゴウの作る平均ペースの流れを3番手のインで折り合いに専念。終始、抑え切れないくらいの行きっぷり。直線を向き、坂上で馬場の3分どころへ持ち出す。ノーステッキで鞍上が懸命に手綱をしごき、ジワリジワリと差を詰める。2着馬が想像以上に渋太かったが、ゴール前できっちり捕らえた。マイルを先行して34秒4の脚を使えているように、昨春より数段力を付けている。並んだら抜かせない勝負根性も健在だった。次走は宝塚記念。期待を裏切らない走りをしてくれるだろう。鞍上は並んだら渋太い特徴を生かすために早仕掛けを控えている。

 2着にはマイル戦へ矛先を向けて2戦目となるコンゴウリシキオー。発馬直後に手綱を押してハナへ。2ハロン目に掛かったエイブルワンに競られる誤算はあったが、3角からは再び一人旅。大きな跳びで気持ち良さそうに走る。余力を残して直線を向くと、坂上で迫る先行勢を二の脚で振り切り、突き抜ける。セフティリードかと思われたが、ゴール前で僅かに脚色が鈍ったところを勝ち馬に差されてしまった。だが、並ばれてからアッサリ交わされるのではなく、グッと堪えて粘っていた。マイルで流れに乗れると強い。筋骨隆々で本格化。
 
 ジョリーダンスは脚を余した前走の敗戦を生かして前々へ。終始、外めの好位でピタリと折り合い、流れに乗る。直線入り口の坂上では、勝ち馬と同じ位置だったが、追い出してから突き放される。それでも、渋太く粘って粘って差し馬の強襲を封印した。速い流れは歓迎のクチだけに、牡馬相手は流れ的には好都合だったか。

 4着のアドマイヤキッスは、またしても8㌔減。攻めをセーブされてのもので本調子にはなかったろう。3番枠を生かして終始、後方のインで末脚を温存。経済コースの利を最大限に生かして直線へ。最内からジワッと差を詰めて差してきた。これ以上ないレース運びだった。

 1番人気を背負ったスズカフェニックス。久々でもほぼ仕上がっていた。電撃戦からの参戦ということで、テンはジックリ折り合いに専念。ただでさえ気を許せばガツンと行ってしまうタイプ。余計に神経を使った。自然と直線勝負に持ち込む戦法へ。直線で大外へ持ち出すも、エアシェイディと馬体を接触する激しい攻防。それでも怯むことなく突き進む。一完歩毎に鋭く迫るも、平均ペースで内有利の馬場では厳しいものがあった。前半に行く脚があるし、折り合いに気を使わなくていいスプリントがベストか。

 エイシンドーバーは道中、中団馬群のなかを追走。鞍上としてはもう少し前で競馬したかったが、ゴチャついてこの位置。タメるだけタメて直線勝負。馬群のなかをジワリと伸びるも2着馬とは差があった。道中は馬群のなかでプレッシャーを受けていた。

本命視したキストゥヘヴンは好発から抑え切れない手応えで好位へ。道中はなだめるのに精一杯。流れを考えれば位置取りは正解。直線入り口、外のジョリーダンスに寄られ、内のダイワに進路を阻まれる。だが、仕掛け開始前だったし、何ら問題ない程度。いざ、追い出しを開始させてからはジリジリとバテずに懸命に脚を伸ばすも、今ひとつスパッとは切れなかった。やはり、この馬はタメての切れ味勝負が持ち味と思っている。今回の馬場で後方から競馬していては、どちらにしても厳しかったのは確か。中山替わりで。

 マイネルスケルツィは3番手の外でこれ以上ない形であったが、外からキストゥに尻を突付かれ、エイブルワンに被されたことでハミをグッと噛んで力んでしまった。マイルだと、ハナを切るか周りに馬がいない状況が合っている。

 スーパーホーネットは直線半ばでオーッと思わせる程、一瞬の脚には魅力があった。長距離輸送で10キロ減。攻めの動きが良かっただけに悔やまれる。コース替わりで近々、一発やってくれそうだ。

 ディアデラノビアはレース前からテンションが高く道中も掛かってしまった。直線で一瞬の脚は見せたが、止まってしまった。タメないと切れないタイプで、長く脚が続かない。注文が多く付くが、嵌れば凄まじい。

 サクラメガワンダーは、ハミに頼った走りでチグハグになってしまった。

安田記念(GI)最終結論

2007-06-03 00:15:23 | 最終結論
◎キストゥヘヴン
○スズカフェニックス
▲コンゴウリキシオー
△マイネルスケルツィ
×ダイワジャー
×サクラメガワンダー
☆ジョイフルウィナー

【見解】
 逃げるのはコンゴウリキシオー。前走は2ハロン目から除々にペースアップする流れも、他馬がそこから控えたために、楽な逃げとなった。今回は人気を背負い、マイネルスケルツィ、ダイワジャーも早めの仕掛けが予想され、当然ながら前走のような流れは期待できない。道中はかなり厳しい流れになりそうだ。1分32秒台前半の流れでも、後方の馬でもチャンスあり。
 本命は関東の牝馬キストゥヘヴン。前走のヴィクトリアM4着は発馬直後から抜群の行きっぷりで3番手。抑え切れない手応えで3角では早めの2番手。直線を向いて一旦は馬群に飲み込まれそうになってから渋太く踏ん張った。昨秋は精神面でカリカリする面が見られ、本来の力を発揮することができなかった。昨年の桜花賞では後方からアドマイヤキッスをマークし、大外へ持ち出すロスがありながら鋭い脚で差し切った。前走で見せたテンの行きっぷりを、中団から終いの切れに還元できれば桜花賞の再現は十分ある。鞍上には頼れる男・内田博幸。

安田記念(GI)調教診断

2007-06-01 22:01:52 | 調教診断
【アドマイヤキッス】△ 上積み乏しく
中2週のためDWで単走。道中は馬なりを軽く追う程度。ラスト1ハロン11秒4と数字は速いが、終い重点だけに評価できないし、全体の迫力は今ひとつ。8㌔減の前走から再度の長距離輸送。上積みは乏しい。

【エアシェイディ】○ 引っ張り切りの手応えで突き放す
南Wで2頭併せの外。直線で右手前のままだったが、余力残しの手応えでアッサリ突き放した。引っ張り切りの手応えで闘争心溢れる内容だった。前走で減った馬体は回復しているどころか、太いくらい。

【エイシンドーバー】○  回転の速い脚捌きで先着
坂路で2頭併せを終い重点。ピッチの利いた回転の速い脚捌きで併走馬を突き放した。まだ手応えに余裕はあったし、最後は右手前に替え、もうひと伸び。

【オレハマッテルゼ】○ テンからビシビシ飛ばし
坂路で目一杯追われ50秒8-13秒5。最後は筒一杯だったが、テンから飛ばして全体の時計がこれなら全く問題ない。口向きが悪いのはいつものこと。ビシッとやられたことを評価したい。

【キストゥヘヴン】○ 余力残しの手応え軽快
坂路の大外を単走で。終始、余力残しの手応えで軽快に駆け抜けた。そう強調できる動きではないが、攻め駆けするタイプではない。中2週でも一週前に南Wで69秒5-13秒5、日曜に坂路で55秒3-13秒2と中身の濃い調教を高く評価したい。

コンゴウリキシオー】◎ 筋骨隆々で豪快に登坂
坂路で藤田を背に単走。筋骨隆々の迫力ある馬体で豪快に登坂。一完歩毎のフットワークが力強く、頭の高さはいつものこと。最後は右手前に替え、もうひと踏ん張り。マイラーとして本領発揮。

サクラメガワンダー】◎ 攻め強化に好感 
坂路で鮫島を背に終い重点。前脚を突き刺す迫力ある動きで、湿ったチップにも戸惑うことなく登坂。久々で速い時計一本だった前走時に対し、この中間は3週前からビシビシ追われている。攻め強化に好感が持てる。

【ジョリーダンス】○ 好調キープ
南Wで3頭併せの最内。直線で引っ張り切りの手応えのまま同入。中2週で一週前にも5ハロンから時計を出している。順調。

シンボリエスケープ】◎ 大きなストライドで推進力満点
南Wで2頭併せの外を先行。時計は平凡だが、大きなストライドで直線は手綱を抑えてオーバーワークを回避。追えばどこまでも伸びて行きそうな推進力に溢れた動きだった。

【スズカフェニックス】○ 物見するも脚捌き軽快
坂路で単走。直線で大外を通ったが、前に落馬した人間がおり、スッと内に進路を切り替える。鞍上が右手綱を引いた時に物見をするが、脚捌き自体はピッチが利いて軽快。余力残しの手応えで51秒1-12秒2はさすがGI馬。前走後も自厩舎で調整され、3週続けて速い時計を出した。仕上がりはまずまず。

スーパーホーネット】◎ 文句なしの動き
DWで2頭併せの外。大きなストライドで、グイグイ伸びて併走馬を並ぶ間もなく一気に突き放した。余力残しで82秒1-12秒3。文句なしの動き。

ダイワメジャー】◎ 調教横綱健在
南Wで2頭併せの内。引っ張り切りの手応えのまま、併走馬を格の違いで圧倒。ゴール後も気合いを付けられて追われ続けた。躍動感溢れる文句なしの動きだった。ただ、ここ数走はソフトな仕上げで結果を残してきた。猛時計を出した時は意外に成績が良くない。

【ディアデラノビア】 映像見られず
映像がないので判断できず。坂路で54秒3-12秒6。

マイネルスケルツィ】◎ 四肢を目一杯伸ばし
南Wで単走。直線でスッと左手前に替え、四肢を目一杯伸ばしたダイナミックなストライドでスピード感十分。余力残しのまま63秒7-12秒9。中2週でこれだけやられるのは好調の証。

ユニコーンS
◎フェラーリピサ
○ロングプライド