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2022年は客観的な予想を心がけます。

菊花賞(GI)回顧

2011-10-23 18:03:51 | 回顧
12.7 - 12.2 - 12.0 - 12.0 - 11.7 - 12.3 - 12.7 - 12.6 - 12.4 - 12.1 - 12.9 - 12.1 - 11.5 - 11.6 - 12.0=3:02.8
(60.9-62.1-60.1)

 苦労に苦労を重ね、オルフェーヴルと池添が史上7頭目の三冠馬に輝いた。前哨戦の神戸新聞杯で16㌔馬体を増やし、この日は更に6㌔増。下見どころではボリューム感満点の馬体が目に付き、大観衆にも動じることなく威風堂々と周回していた。レースでは14番枠から好発を切り、内の各馬の出方を見ながら少し出して行く。課題だった最初の下り坂。口を割って行きたがり掛ってしまう。ここで我慢できなければガツンと前に行ってしまうそうな気配。ここで池添は4角から直線にかけて内側に入れて前に壁を作る。これによっえ平静を取り戻し、いつものオルフェーヴルになった。向こう正面では少しポディションを下げ、完璧に折り合うことに成功する。3角の上り坂でレースの流れは一気に緩み、馬群は凝縮する。ここで前を6馬身圏内に入れ、下り坂で少し手綱を緩めるとグーンと加速し、4角から直線入口にかけて一気に先頭へ並びかける。直線はこの馬の独壇場。右ステッキで内へモタれるのを矯正し、最後は少し苦しくなって右手前に替えたが、大きくバテることなく強い競馬で押し切った。強いのひと言。特に4角から馬なりでグーンと伸びた姿は、ディープインパクトの引退レースを彷彿とさせるほど凄かった。緩みない締まったレースを正攻法で押し切る、文句ない競馬だった。この後は、ジャパンCか暮れの有馬記念か。古馬相手でも十分に通用する。

 2着はダービーに続きウインバリアシオン。下見どころではリラックスした姿で馬体を大きく見せ、デキの良さを窺わせた。レースではトモに力が付いたことで発馬を決めたが、無理することなくスッと控えて最後方に控える。安藤勝の腹を括った騎乗。道中の折り合いは完璧で、大きなフットワークで気持ち良さそうに追走する。3角の上り坂でレースの流れが極端に緩み一気に馬群は凝縮して自然と前とのポディションを縮める。ここでも安藤勝の手綱は持ったまま。4角で馬場の3分どころに進路を求め、初めて手綱が放たれる。直線入口でバテたベルシャザールを捌くのに少し苦労したが、そこからは一完歩毎にグイグイ伸びる。勝ち馬の派手な瞬発力には敵わなかったが、長くいい脚を使って追い込んできた。トモがパンとして今は痛いところがない。飛躍あるのみ。

 3着にはここまで苦杯をなめていたトーセンラーが入った。この日は8㌔増。小柄な同馬にとって心強い材料だった。レースでは1番枠から気合いを付けて中団を取りに行くが、行き脚がつかず後方の位置取りに。最初の下り坂では、少し下の緩い最内を避け、3分どころを通る。正面スタンド前では前のオルフェーヴルの後方にぴったりと張り付き、徹底マークする。3角手前で一瞬、手綱が動いてズブさを見せるが、すぐに落ち着く。下り坂から大外へ持ち出し、いつでも仕掛けられるポディションに移る。オルフェーヴルと共に4角で早めに動いて行くが、馬なりでポディションを上げた勝ち馬に対し、ラーは手綱を動かしても一瞬にして3馬身の差を付けられてしまう。直線はジリジリと伸びて何とか3着を確保した。自ら勝ちに行く強い競馬だったが、4角での動きが勝ち馬との地力の差を印象付けた。もう少し、トモに力が付けば。

 4着には人気薄のハーバーコマンドが入線した。発馬ではそれほど行き脚はつかなかった。直後に兵庫の鞍上・木村が低い姿勢で気合いを付けて先団を取りに行く。気合いを付けたことで最初の下り坂で掛って行きたがる素振りを見せたが、木村が何とかなだめる。その後は好位の外めで我慢の競馬。4角の下り坂で外めから有力どころが一気に仕掛けるも、慌てず内でじっくりと我慢する。このあたりの判断は素晴らしい。直線は木村の剛腕が炸裂し、懸命に脚を伸ばす。外からトーセンラーが競りかけてきたことでフワッとすることなく最後まで集中して走ることができた。収穫たっぷりの競馬だった。

 サダムパテックはひと叩きしたことでデキはグンと上向いていた。好発を決めて馬なりで先団へ。だが、そこから下り坂を迎えたところで行きたがり、鞍上は手綱を引っ張って懸命に抑える。正面スタンド前では何とか平静を取り戻すも、常に手綱は引っ張り通し。向こう正面では前に壁がなくなり、気分良く行き過ぎて2番手までポディションを上げてしまう。4角までは手応えに余裕があったが、直線入口で急に怪しくなる。直線は脚が上がってしまい、5着を確保するのがやっとだった。向こう正面から気分良く行き過ぎたことでなし崩しに脚を使わされてしまった。元々が長い距離。タメがほしかった。

 6着には穴馬で推奨したゴッドマスタングが入った。道中は例によって最後方の位置取り。これは予定どおりだった。残念だったのは4角の下り坂からの鞍上の手綱捌き。手綱を押しては引き、馬群を上手く捌き切れていない。元々がトモが緩くてエンジンの掛りの遅いタイプ。下り坂を上手く利用すれば理想的な形で直線を迎えられたはず。4角を捌けなかったことで加速するのが直線入口まで遅れてしまい、結果として勢いが付いたのがゴール前となってしまった。勿体ない一戦だった。トモの強化待ちだが、長丁場が合っている。

 フレールジャックはこれまでで一番の落ち着きを見せていたし、デキは良かった。17番枠からスーッと馬なりでポディションを上げる。正面スタンド前ではサンビームを交わし、ハナを奪う。折り合い自体は付いていたが、回転の速いピッチ走法と前向きな気性。自然と速いラップを刻み、1000㍍通過が60秒9の締まった流れ。本来なら息を入れる2角で外からロッカヴェラーノに絡まれ、苦しい形に。4角で早々と手応えがなくなり、直線はバテてしまった。敗因は距離と明白。落ち着いていたのは収穫。

 ベルシャザールは発馬で飛び上がる感じになってしまい、行き脚がつかず中団から。最初の下り坂でも行きたがり、その後も力んでいた。スタンド前から少しづつポディションを上げて行くも、終始外々を通らされる苦しい競馬。4角の下り坂では正攻法の競馬で勝ちに行くが、早々と脱落。出負けしたことで余分なロスが発生し、距離自体も長かったか。


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