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ケータイGPSはどうやったら普及するのか?

2006-01-17 23:02:54 | GPS
「日本の携帯電話業界は世界で最も進んでいる」――NTTドコモ夏野剛氏(ITmedia)

 ITmedia に署名コラムを掲載する神尾氏による、NTT DoCoMo 夏野氏に対するインタビュー記事。
 途中で、キッズケータイおよび GPS サービスについての話が出てくる。NTT DoCoMo の GPS に対する取り組みが見えて興味深い。

 DoCoMo では、サービスをどう使ってもらうかについて、いろいろな手を打っている。その例として記事では「iチャネル」「トルカ」「TV電話」について触れられている。
 GPS に対しても、DoCoMo は同様の考え方をしている。DoCoMo の GPS ケータイに対する分析を列挙すると、
・小学校高学年で携帯電話を持っている人が40~50%。低学年でも10%。
・GPSほど(搭載されているのに)使われないサービスは珍しい。
・2007年に向け緊急通報用途のGPSは搭載する必要がある。
・GPSに必要なことは、分かりやすいサービス。

 ということで、
・キッズケータイで、GPS をキッズ向けとして打ち出す。
・その流れで「イマドコサーチ」を売り出す。
・これを通じて、GPS が実際に使えるものだと示す。
・法人向けも視野に入れている。

 十分にうなずける内容ではある。確かに「子どもを守る」サービスは分かりやすく、そのためにGPSを使うのは当然だ。
 ただ、記事で言うところの「使われないサービス」を提供している au が「分かりづらいサービス」を提供しているとは思えない。
 初期の NAVITIME のサービスから EZ ナビウォーク、EZ 助手席ナビ、安心ナビを開発し、最新機種には音声入力機能である「声de入力」が搭載される。
 au は EZ ナビウォークがより使われるために、より使いやすいサービスを目指しているようだ。わたしぱこの方向は正しいと思う。


 さて。ケータイの GPS 機能はなぜ使われないのか。
 DoCoMo は「EZナビウォーク」などのサービスとGPS機能を同一視しているようだが、ここでは分けて考えたい。
 徒歩ナビや助手席ナビが普及しているか、と、GPS 機能が使われているのかは本来別物と思う。

1. GPS 機能の面
2. GPS サービスの面

1. GPS 機能の面
 今の GPS による測位機能は使いづらい。端的に言えば使うのが面倒なのだ。こんな面倒なことが必要ならば使わない、という人も多いと思う。
 なぜ自分の位置を知るために、使用者がケータイに対して測位を指示しないといけないのだろうか?

「今の位置」というのはサービスを提供する上で必要な情報なので、それくらい自動的に取得して欲しいものだ。
 単純には比べられないが、カーナビに測位ボタンは無いだろう。

 例えば、写真に位置情報を埋め込むことを考える。わざわざ写真に位置情報を埋め込み人は多くなくとも、写真に位置情報が入っているのであればそれを後で見る人はいるのではないだろうか。
 また、「ここの天気予報が知りたい」と考える人も多いだろう。

 今の測位機能は、測位そのものが目的になっているような感がある。より容易に、というよりも必要なときにユーザに意識させずに位置情報が利用できるようにならないと、位置情報の利用は広がらないと思う。


2. GPS サービスの面

 まずは、安心ナビやイマドコサーチのような、正しい位置が分からないといけないようなサービスの開発が必要になりそうだ。これらは毎日使うという訳ではないので、使用回数が多く正しい位置が必要なサービスは無いだろうか。
 徒歩ナビは個人的には使うのだが、一般にはそれほど必要とはされていないようだ。

 また、よく使われるサービスに GPS があれば便利、というのがあるはずだ。GPS 機能を使いやすくすれば、そのような領域にも位置情報使われるものと期待できる。
 例えば今あるところでは天気予報、乗り換え案内、渋滞情報参照、周辺検索、それに写真。また、ぐるなびなどではクーポンを得ることができるが、位置情報が利用できれば近くのお店のクーポンが配信されてくる、というのもあるだろう。

 わたしはちょっと発想が貧困なので今あるものしか思いつかない。が、リアルタイムな位置に連動してサービスが展開できるのだから、何か新たなサービスが展開できると思う。

 次に、サービス自身を使いやすくする必要がある。「EZナビウォーク」を元にしていると言われている SA700iS の「ナビゲーション」を使ってみると、NAVITIME GPS を含めた他のサービスと比べると格段に使いやすい。が、若干使いづらさも残っている。この部分が「声de入力」で使いやすくなるとすれば、利用者にとってはとてもうれしい(ただ、このサービスによって新規ユーザが急に増えるかは疑問だ)。



 以上、GPS ケータイが広まるためには、ということで考えてみた。既に分かりきったことでもできていないことが多いために、GPS 機能は広がっていないのではないだろうか。

 自分の場所というのは極めて個人的な情報だ。自宅の場所が誤って流出したら大問題だ。ただ、そう考えるあまり、位置情報の取得や使用に臆病になっているように思う。

 なお、GPS サービスの話に戻ると、DoCoMo は SA700iS では「EZナビウォーク」「EZ助手席ナビ」レベルの比較的使いやすいサービスですら提供できていない。さらに「声de入力」がうまく機能すればの話だが、さらに水をあけられるだろう。
 キッズケータイのGPSはそれなりに成功するかもしれないが、GPS の観点から見れば「安心ナビ」で提供できているような機能であるし、成功しても数としては限られるだろう。
「キッズケータイ」で「GPSというプラットフォームが実際に使われるものだということを証明」されたときに、使いやすいサービスが提供できない DoCoMo は逆に au を利することになるのかもしれない。


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