ちいさなちいさな いのりのことば

 * にしだひろみ *

2014年06月15日 | Weblog
長雨がふいに途切れ
見上げれば

雲間からこちらを
見下ろしているもの

それは











夏は
いつも新しいはずなのに
幼い頃の思い出を
みんな連れてやって来る

ふるさとの田舎道が
今はない小川の流れが
草のにおいと一緒に
かえってくる


そうしたら
麦わら帽で駆け出した
少女のわたしに舞い戻り

辿れないはずの道を
会えないはずの人を

まばたきほどの時間だけ
訪うことができる

そんなふうに
思われて















最新の画像もっと見る