ちいさなちいさな いのりのことば

 * にしだひろみ *

『時計坂の家』

2017年11月28日 | Weblog
わたしの友人には、高楼方子さんの本が好きなの、という人が何人かいます。

わたしも、この人の描き出す世界が好きです。

わたしが一番行きたいところ、わたしがずっと親しんできた世界に、近いのです。


一致するわけではありません。

この人が連れていってくれる世界は、わたしのものより、ちょっと怖いのです。

でも、もしかしたら、わたしの世界の奥にも、この怖さが眠っているのかもしれませんが。



好きなお話がいくつかありますが、『時計坂の家』は特に好きです。

あの世界を描くのに相応しい画家さんによる挿画もいい。


わたしがよく知っている不思議さ。

ちょっと怖いところが違うけど、惹かれて止まない感じはおんなじ。

魅惑的で、懐かしくて、

読み終えたらしばらくボンヤリしてしまうような本。



人とは違う(と感じる)感覚を持ち、その世界をひっそりと生き、それを表現する甘美な感じ。

こんな本(作家さん)に出会うと、嬉しくなります。

わたしも、そうした感覚をもって生きているから。



どんどん表現していい。

その人だけのものを、少しだけ、他の人も見られるように。

そこに親しい人にも、そうでない人にも、たぶん、魅力的なものだから。



健やかさにも、憧れながら、

やはり、持って生まれた感性を愛しく思う。


だから、こういう本、作品も作家さんも、大好きです。

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