ちいさなちいさな いのりのことば

 * にしだひろみ *

*長野市での朗読会ご報告*

2014年07月17日 | Weblog

楽しみにしていた、長野市でのふたつの朗読会を、無事に終えることができました。

二日が経ちましたが、いまだに胸がいっぱい。

すぐに書きたかったブログも、言葉にできずにいました。

出会えたみなさんと、そして、天から、あるいはすぐ側で、見守ってくれている存在が、多くのことを、教えてくれました。


二日間とも、長野の山々の壮大な自然に抱かれた、素敵な木のおうちが会場でした。


大地
草花



大好きなものに、囲まれて。



14日は、小さな教会のような、落ち着いた静けさのあるお部屋での朗読会。
いつもはマイクを使う私ですが、このお部屋では声がとてもよく響き、マイクは要りませんでした。
なんだか歌を歌いたくなりました。

椅子をいっぱいにくっつけて並んで、みなさんとたくさんおしゃべりをしました。

お名前はあまり覚えることができなかったのですが、お顔とお話しは、心にしっかりと残っています。

“つい昨日、子どもを叩いてしまいました。子どもは私のためにとしてくれたことなのに、わかっているのに、余裕がなくて・・・。そして後で後悔して・・・。”

みんなの前で、素直な気持ちを話して下さった、お母さん。

お話しを聴きながら、みんなで頷いて、同じ痛みを感じていました。

大好きだからこそ、こんなに胸が苦しいのよね。

もっと優しく、もっと大事にしてあげたくて、何かを求めるように、今日の朗読会にも来てくださったのですよね。


“私も、詩を書いてみようと思います。上手くは書けないけど、何かのかたちにして残しておきたいから。”

“私も、何かを始めてみたい!”

ああ、素敵。

ささやかな日々の出来事は、幼い子どもの愛らしさは、瞬く間に思い出に変わり、やがて薄れてしまうもの。

素直に綴られた言葉は、どんなものでもきっと、輝いていることでしょう。


元気に、好奇心に溢れて移動をするお子さんと一緒に、参加してくださったお母さんたち。

ゆっくり参加していただくことができなくて、本当にごめんなさい。

でも、そのお顔に、頑張っている姿に
、来てくださった想いに、全てが現れていて、それをみんなで感じて、分かち合えたように思います。


“少なくとも今日だけは、優しいお母さんでいられそうです”

きれいな目の、ひとりのお母さんの言葉に、みんなが微笑みました。


朗読会の後は、昼食会。

大地の園長先生の釜焚きご飯と、芦澤貴子さんの重ね煮スープ、みなさん持ち寄りの漬け物。
素晴らしいご馳走でした。

本当に、素敵なみなさん。
忙しい思いをしながらも参加してくださって、ありがとうございました。



二日目は、戸隠にある、リラの丘。
ハープ奏者 青柳悦子さんのご自宅です。

雄大な山々がすぐ目の前にあり、まわりには蕎麦畑が広がり、涼やかな風が通り抜けていきます。






定員を越えるたくさんの方が来てくださいました。

ハープの演奏を目の前で聴くことができるなんて、夢のよう。

そして、青柳さんの演奏は、祈りでした。


ふたつの詩に、ハープを合わせてくださいました。

青柳さんが選んだメロディー、テンポも間も、始まり方も終わり方も、詩にとてもよく合っていて、いいえ、なんだか同じもののように感じられました。

「お母さんへの子守唄」が、ほんとうに、唄に。

清らかな音とひとつになり、言葉が、心の深いところへ、染み入っていくように。

そしてその音は、お部屋にいつまでも漂い、みなさんの涙を、そっと包みます。


“お母さんたちは、こんなに、子どもさんのことを愛しているのですね。そんな風に見ていなかった自分が、恥ずかしくなりました。”

幼稚園の先生でいらしたことのある方の、とても素直な言葉。
たくさんの参加者さんの中にあって、素直な思いを話される、その誠実さに心打たれます。

会場に集まられたお母さんたちの懸命な姿ときれいな涙を、真っ直ぐに見つめて下さったからこその、言葉。



“昨日の朗読会の後、帰ってから、子どもに謝りました。三年ぶん、謝りました。今までごめんね、って。”

昨日の朗読会で、子どもを叩いてしまいました、と話して下さったお母さんが、今日も来てくださっていました。
そして、お子さんに謝ったと、涙の中から話してくださいました。

なんて真っ直ぐなんでしょう。

お子さんは、お母さんから本当の気持ちを聴いて、嬉しかったでしょうね。

そして、一生懸命なお母さんを、いつも愛し、幸せを願ってくれているのですよね。



朗読会の終わりのほうで、「ひかり」という詩をよみました。

お腹に宿ったいのちと別れなければならなかった、あるお母さんへの、手紙です。

それは、主催者の芦澤貴子さんから、先週この村で亡くなった、13才の男の子のお話しを聞いたことと、
つらいお別れを胸に秘めて、頑張って生きている女性たちのことが、いつも心にあるからでした。

会場にも、いらしたのだろうと思います。
そうでなければ、読もうとは思わないはずだから。



朗読が全て終わった瞬間、外で遊んで待っていてくれた男の子が、元気よくお部屋に飛び込んできて、満面の笑顔で、

「おかえり!!」

と、叫んで、お母さんの胸に飛び込みました。

その圧倒的なタイミングと溢れる愛に、拍手、喝采でした。


来てくれた全ての子どもたち、
お母さんを待っていてくれて、ありがとうね。

私たちみんなを、見守っていてくれて、ありがとうね。



そして、
みなさんの言葉、
大切な想い、
素敵な笑顔。

忘れません。





清らかで柔らかなハープを演奏してくださった、青柳さん、
夢のようなひとときでした。

(青柳さんは『星のしずく』というホームページをお持ちですので、ぜひご覧くださいね。)


二日間全面的にお手伝いをしてくださった、ゆきえさん。
そばにいると安心する、私の戸隠のお母さん。

帰国直後にも拘わらず、喜んで私たち一家を泊めてくださった、ゆきさん。
一緒にいると楽しくなる、私の戸隠のお姉ちゃん。

そして、朗読会を企画して、たくさんのお友達に声をかけてくれた、たかちゃん。
三人の子どもをみながら、よくここまでのことをしてくれました。
みんなが、たかちゃんを慕っているからこそ、あんなに集まって下さった。
私の戸隠の、妹。(たかちゃんのほうが若いから。)

子どもたちを見守ってくださった、スタッフのみなさん、しおちゃん、
チラシを配ってくださったみなさん、
会場をお貸しくださった、大地さん、
青柳さん、
車の誘導をしてくれた、じょうじくん、
みなさん、ほんとうに、ありがとうございました。


また、行きたい。


また、みんな、みんなに、会いたい。






















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