ちいさなちいさな いのりのことば

 * にしだひろみ *

『青い鳥』*私の本棚*

2017年01月11日 | Weblog

読み終えたばかりの『青い鳥』(メーテルリンク)を抱え、窓の外を見ると、

いつの間にやら、雪が降っていました。

静かに、静かに。

この雪は、積もりそうです。



素晴らしい本です。

『青い鳥』



子どもの頃も、学生の頃も、読んだことのある本ですが、

いまのわたしこそ、この本の、本当の価値が、ようやく理解できたのだと思いました。

もちろん、全てではなく。

全て本当にわかるのは、もっともっと歳を重ねた後なのかもしれません。



ただ、子どもの頃と変わらないのは、

読んだ後に、自分のまわりの、溢れんばかりのたくさんの幸せ、喜びが、みえるようになることです。

世の中の流れや、他の誰かが打ち立てた指標や目標に、左右されず、

なぜこの世界に生まれてきたか、自分の人生をどう生きるか、考えさせてくれます。

また、草木や動物、あらゆる物質たちとはどのような存在か、(目に見えないものも含めて)、示してくれます。



今回、特にびっくりしたことは、“月夜の森”に出てくる樹木たちが、全て、ケルトの木の暦(シンボルツリー)に選ばれた木であった、ということです。

作者のメーテルリンクは、ベルギー生まれの人ですがら、ケルト文明圏です。

数えきれないほどの木々のなかで、古代に特に神聖とされていたこれらの木々を選んだ作者。

大いなる直感が働いたのでしょうか、あるいは、木々だけでなくあらゆるものと、心通わすことのできる人だったのかもしれません。



本を閉じたわたしのまわりに、ささやかな、いくつもの幸せと、よろこびが、溢れているのがわかります。

母となったいま、そのよろこびは、いっそう大きく、確かなものとして、感じられます。


ほんとうに、素晴らしい本です。


また、時間を経て、読み返したいと思います。


わたしが、おばあちゃんになるまで生きることができたとして、

その時に、この本を読んだら、もっと大きな感動に包まれることだろうと思います。


こんな気持ちにさせてくれる本は、そう多くはないものです。


やはり、素晴らしい本です。







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