梅、桃、桜
レンギョウ、水仙、たんぽぽ
わたしのまわりも、わたしの心も、
春の花が満開です。
ここに暮らした最初の春、わたしをとりこにしたスミレ、
今年も静かに密やかに咲きました。
淡々と、思い思いの時期に咲く、花たちの佇まいに惚れ惚れします。
わたしは、蕾が好きです。
もうすぐ、もうすぐ、
まだまだ、と、
花開く「その時」を待っている、
あの感じが好きです。
それぞれの花に、そして根付いている場所によって、さらには個々の性質によって、「その時」はみな違います。
他の花がどうあろうと、自らの「その時」を見定め、静かに力を蓄えます。
そして、今こそ、という時が来たら、ためらいなく開花するのです。
その瞬間を思うと、花たちの震えるようなよろこびと、圧倒的な生命力を感じます。
いま、家の前にある八重桜は、まだ固く蕾を結んでいます。
新しいことに踏み出そうとしている友達の姿と、重なります。
ゆっくりゆっくり、
あなたの「その時」にこそ、咲いてね。
「その時」を待っているのは、
あなただけではなくて、
わたしも。
そして、たぶん、世界も。