教育相談室 かけはし 小中連携版

ある小学校に設置された教育相談室。発行する新聞「かけはし」が、やがて小・中3校を結ぶ校区新聞に発展しました。

卒業式へ向けた服装指導について

2010年03月28日 | 生活指導
卒業式の練習に向け、私は君たちに髪型、服装(私が勤務する中学校には標準服が無く全員が私服登校している)、着席の姿勢について細かな指示を行った。そのことに対し、君たちの中から「なんで、卒業式やからといって外面にこだわるんや。来賓が来ることを気にしてる。」という声が上がった。その声に対して担任としての私の考えを伝えたい。

《内面を重視した卒業式とは》
「外面より内面が大事」という意見に反対する人はいないだろう。私も内面が大事にされる卒業式でありたいと考え、そのことにこだわりながら教員という仕事を行ってきた。それでは内面が重視される卒業式とは、どのような卒業式だろうか。それは今日、卒業式の予行が終わろうとするときに、君たちに訴えてくれた3人の仲間の意見に表されていると思う。3人はそれぞれの言葉で自分がどんな想いで卒業式に臨み、卒業の言葉を語るのかを話してくれた。特にO君が自分の3年間を振り返り、反省も込めながら良い卒業式にしようと語ってくれたことに、誰もが深い感銘を受けたのではないだろうか。

卒業式とは、本来、自分たちの3年間を振り返り、新しい生活に向けた不安と決意を共有しながら、次の一歩を踏み出す勇気を分かち合う場であると私は考えている。「内面を重視する」ということは、「外面をエエ加減にしても良い」ということでなく、O君のようにみんなの前で、自分の弱さも含めて率直に語れる勇気を持つということだ。君たちは今日初めて、うわべの付き合いでは分からなかったO君の一面を知ることができたのではないか。

《内面をさらけ出す仲間に応えるとは》
本来はO君だけでなく、みんなが卒業の言葉を語ることが相応しいと私は思う。しかし、321人の3年生全員が卒業式で自分を語ることができないならば、君たちは最高の形でO君たちの言葉を受け止めなければならない。321人の想いを込め、明日5人の仲間が卒業生の言葉を語る。それをしっかりと受け止め、心を通わせていることを示すにふさわしい髪型、服装、姿勢があるはずだ。言葉として表せないなら、最高の外見で参加することが5人の勇気に応える唯一の方法だと思う。