教育相談室 かけはし 小中連携版

ある小学校に設置された教育相談室。発行する新聞「かけはし」が、やがて小・中3校を結ぶ校区新聞に発展しました。

N先生へのメッセージ①~退職を祝う会に向けて

2010年03月04日 | 教員像・教員論
N先生!長年のお勤め、お疲れ様でした!

先生の退職の噂を聞いた卒業生のKから『祝う会』を行いたいのでビデオ撮影に来ると言われ、本当に暖かな気持ちになりました。きっとN先生は、卒業生に囲まれながらこのメッセージを聞いていることと思います。この場を借りて、先生との思い出と、感謝の言葉を述べたいと思います。

私が先生と初めてお会いしたのは、お互いが未だ20代の頃でした。先生は2校目、私は新卒としてR中学校に一緒に赴任したのです。しかも男女それぞれのバスケ部の顧問として。前任校でチームを近畿大会に率いていた先生は、既に大阪のバスケットボール界では、有名な存在でした。駆け出しの素人の私が男子バスケ部の顧問となったため、本当にたくさんのアドバイスをいただきました。(全然生かせず、申し訳ありません)しかも子どもたちがいる場では私に任せ、子どもが居なくなった後でそっと教えてくれるというアドバイスの仕方でした。未熟な新卒であっても、指導者として立てようとする心配りを感じました。

しかし何よりも一番学んだのは、生徒指導についてでした。私が先生の後釜として生徒指導主事に選ばれた後も先生はR中学校に残って下さり、生徒指導主事の仕事について教えていただきました。先生の生徒指導主事像は明快でした。「生徒指導主事は、自分が一番しんどいなんて考えたらアカン。一番しんどいのは、学校で一番しんどい子を担任している先生や。その担任の先生が、少しでも楽になるように苦労を分かち合うのが生徒指導主事の仕事や。」その言葉を聞き、先生が生徒指導を担当していた3年間の仕事を改めて思い起こし、納得するとともに、自分もまたそうでありたいと考えました。

生徒相談室には、先生の残された膨大な資料が綺麗にファイルされ残されていました。校内の諸会議は勿論のこと、他校・補導センター・地域・警察などとの連絡会の持ち方などが整然と整理されていて、資料を手にすれば会議の進め方が分かるようになっていました。私が生徒指導主事の仕事に就いた1年目はR中学が大きく荒れた年だったので、このファイルは本当に役に立ちました。強面の見かけとは違い、本当に細やかな心配りをされるのが先生の本当の顔だと分かりました。(つづく)