教育相談室 かけはし 小中連携版

ある小学校に設置された教育相談室。発行する新聞「かけはし」が、やがて小・中3校を結ぶ校区新聞に発展しました。

2009年進路を語る会③~祖父が教えてくれた道

2009年03月15日 | 進路子どもの声
三年二組  ◎◎◎◎
「祖父が教えてくれた道。」

 僕は、これまでいろんなことに出会って、そして別れていきました。僕は、そんなことを一つ一つはっきりとは覚えていません。でも、今から話すことはおそらく一生僕の記憶に、はっきりと焼きつくことでしょう。
 実は、私立高校受験の前日に僕の祖父が亡くなりました。夜にドタバタとみんながさわいでいて、受験の後にその現実を突きつけられました。葬儀式の時に、祖父の最後の顔を見ました。そして、涙が止まらなくなりました。その時以来、不安と悲しみが強く僕の胸に焼きつきました。
 元々僕は、鈍感なのか私立受験の日はほとんど緊張しませんでした。それに、僕にはまだ公立受験が残っていました。
 僕は自分の夢という物がまだ、ほとんど決まっていません。それに受験で合格できるかどうか不安です。この二つの考えで、今にも心が押しつぶされてしまいそうでした。
 でも、祖父の葬儀式の後に父が「このことは、誰もが一度は通る厳しい現実なんだよ。」といってくれました。父は、大切な人がいなくなる現実を言ったつもりだと思います。でも、僕はそれと同時にもうひとつのことに気づきました。それは、進路について悩むことは、僕以外のみんなも通ることだとわかりました。
 ぼくは、「園芸高校に行きたい。」という目標を持っています。そして、その目標を達成することができました。しかし正直のところその先はほとんど考えていません。
 後輩のみんなも、高校の先の夢を考えていない人がいるかもしれません。
 祖父の死が教えてくれたのは、「進路」というものの恐ろしさです。僕が後輩のみんなに伝えられることは、「進路」というものはたくさんの不安と恐怖が、今まで以上におそってくるということです。みなさんもいつか、必ず通る道です。
 でもそんなことにめげないでください。自分の親や年上の人たちを見ると、彼らもその道を通ってきたことがわかります。それを見ると少しだけですが、光が見えてきます。僕も、この現実に勇気を出して立ち向かおうと思います。僕は、みなさんも必ずこの道を無事にこえて、夢にむかっていけることを、願います。