へちま細太郎

大学院生のへちま細太郎を主人公にしたお話。

ね、細太郎君

2006-12-09 23:16:07 | へちま細太郎

こんばんは、にがうり豆太郎です。

ぼくは美都駅前で、二人のかっこいいおにいさん(おじさんと言ったら、すごい目でにらまれた)に事情を説明しないといけないかな、と思いました。
なぜならぼくの名前がつばさと知って、ぼくをはなしてくれそうにないからです。 もちろん、家出したなんて言えません。そこのところははしょって、
「ぼく、電車を乗り過ごしてしまって、ほんとは孟宗学園の中島教授に会いにいくつもりだったんです」
「なに
銅像の人がいやあな表情を浮かべました。
「あ、こいつ、孟宗学園の高校の先生」
「ほんと?中島教授を知っているの?」
「知っているも何も、あのおっさん、変人だぞ」
「え?」
ぼくは、ぐうぜんにおどろきましたが、変人という言葉にはもっとおどろきました。
「あのきれいな蘭を咲かせる中島教授が変人なんて、信じられないな」
ぼくは、尊敬する中島教授のことを同じ学校の先生が言うなんて、許せないと思いました。
「きれいな蘭…」
銅像の人はますますいやな表情をしました。
「全く、細太郎といいこのガキといい、近頃はあんな不気味な花がきれいにみえるんだな」
細太郎…かける君も中島教授が好きなのかな。やっぱり、植物採集が好きなのかな。
なんか、細太郎…かける君、君に会いたくなっちゃったよ。
このおじ…じゃなかったおにいさんたちとどんな関係?君も家出したの?理由はテニスだったら笑っちゃうな。
おとうさんはいるの?どんな人?君を探しているの?
いいなあ、ぼく、おとうさん欲しかったんだよ。
君のかわりにあってみてもよいかな。