早朝5時、外は薄暗かったが空気がひんやりとして心地よかった。いつものように、インスタントのブラックコーヒーと愛用のタバコを持って軒下の縁台に座った。
<外は暗く、玄関のあかりだけ>
外の景色はボンヤリとしか見えなかったので、ならばと、目を閉じて新鮮な空気を味わうことにした。
静寂の中に、遠くからかすかに虫の音色が聞こえてきた。右から聴こえてくる音色と左から聴こえてくる音色は違ったが、鈴虫なのかコオロギなのかは聞き分けられなかった。
新鮮な空気を吸い込み、虫の音色に耳を傾けていると、心身が洗い清められていく気がした。無念夢想の境地に誘ってくれている気がした。
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昨日、敬老記念品が贈られてきた。大阪・泉州製のタオルが入っていた。
敬老会のご案内も入っていた。
昨年から案内される歳になった。そんな歳になっているのに、「自分は若い」と思っているからなのか、昨年は敬老会の催しに参加する気がおこらなかった。
今年の催しには、造園業の傍ら関西で演奏活動をしている知人が津軽三味線を演奏する。聴きたい・・・ でも敬老会やし・・・
思い浮かんできた。地区の老人会が休止したのも、アチコチの声を聞いてみたら「老人会」のイメージが嫌いで入会者が途絶えたことだった。そこで、青春クラブと名を変え、年齢制限もなくし過去のルールも一新して再出発したら、入会者が約50名にもなった。
考えてみれば、言葉のイメージにとらわれやすい人間の性(サガ)が、変幻時代・無限であるはずの世界を、自らが「がんじがらめ」にしているのかも知れない。
そう、自分の心に問いかけてはいるのだが・・・