だと思ってたら、
十九の春
でしたよ。
私があなたに惚れたのは ちょうど十九の春でした
今さら離縁というならば 元の十九にしておくれ
という沖縄民謡です。
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十九の春 |
COLUMBIA |
私がはじめての自分の三味線を手にしたのが
ちょうど19歳の誕生日の頃でした。
そのとき、やってきたのが今もいちばん活躍している子です。
当時は分からなかったけど、数年経つ頃には、
支払額の三分の一はマージンに取られたに違いない、
という相場がわかってしまったレベルの楽器です。
私が舞台用で使っている中では、いちばん安いレベル。
でも、10年以上、一張羅で二人三脚でやってきたので、
ものすごく自分に馴染んでいる。
いちばん言うことを聞いてくれる。
なのに、ここ最近、
思うように鳴ってくれなくなった。
湿気の多い会場での本番が続いたのもあるけど、
糸巻きも安定しなくなった。
なんだか分からないけど
長年連れ添った恋人に裏切られた気分で
「十九の春」を思い出しました。
この唄はなかなかひどくて、
そんなことができるなら
枯れ木に花が咲いて、焼いた魚が泳ぎだす、
(無茶を言うなよ)
という返しが待っております。あんまりじゃないか。
私の恋人はもっと優しい。
ちゃんと時間をかけて
初心に戻って弾き込んでいったら、
今日は機嫌を直してくれたようです。
これで日曜日の本番に安心して臨めるかな。