2014年作品。
岩明均の名作漫画の実写映画化。原作が1988年から1995年の発表なので、四半世紀ほど経ってから、ようやく映画になりました。
SFホラーであり、その中に寄生生物の目を通して今まで全く意識したことのない人間の歪みを描き、さらに男女と親子の愛、生命の尊さまで考えさせてくれる哲学書のような深みもあります。これに加えて新一の右手に寄生したミギーの造形と語りの可愛さ、おかしさのギャグの要素もあり、全てのコマが楽しめる漫画でした。
単行本 10巻の内容を2時間でどう収めるかと思っていたら、来年(2015年)のGWに「完結編」が公開されるとのこと。こちらも観に行かねば。
ということで、上巻にあたる本作は隣町の市長選挙の終了まで。原作では5巻までのちょうど半分が映画になりました。
原作にあった、加奈をはじめとする隣の北高校のエピソードをばっさりと削除し、また新一を母子家庭の設定として分かりやすくしています。学校の教室の爆破など、サビとなるエピソードを上手く他のストーリで使って楽しませてくれました。5巻をそのまま映画にすれば6時間くらいかかるところを、上手い編集でまとめましたね。
主演の染谷将太はそれなりの演技。ガールフレンドの村野里美役の橋本愛は、「さよならドビュッシー」が痛かったので、どうかなと思っていましたが本作では問題なし。
キーとなる教師の田宮良子役の深津絵里が、ちょっとイメージが合わなかったですね。もっとクールな顔の女優を使えなかったのかな。
名作漫画を上手に実写にしてくれました。面白い映画です。完結編が楽しみ。
新装版 寄生獣(1) (KCデラックス アフタヌーン) | |
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講談社 |