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「ニュースに学ぶ特許戦略」 白井和之

2013-02-01 | 本と雑誌
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幻冬舎 経営者新書 188ページ 740円+税

アップルとサムソン電子の特許訴訟のニュースを最初のネタとして、知的財産に関するニュースから見た特許戦略について解説した入門書。

日経新聞の記事だけで 「あーだ、こーだ」という輩に対して、その裏にはこのような事情があり、各社の特許戦略がこういうように交差しているという内側の事情を語ってくれています。アップルが叩きたいのはサムソン電子ではなく、Androidを無償供給しているグーグルであるということもさらっと書いています。アップルとサムソン電子の訴訟合戦の状況を語るだけではなく、アップルの真の狙いがここにあることをこのように完結に解説してくれて嬉しかったです。

メモ
・特許権とはあくまでも自社の技術や発明を保護して、市場における競争を優位に進めるための手段。
・良い出願書とは、できるだけ発明の範囲を広く考えたもののこと。言い換えれば、特許請求の範囲において、その発明の本質ができるだけ限定されずに広く記されているもの。
・発明者の申告どおりに出願書類を作成したからといって、「良い特許」ができるとは限らない。
・日本の企業は、特許の質よりも量を重視し、数で勝負する傾向が強い。日本ではクロスライセンスと呼ばれる相互扶助的な競争排除システムが網の目のように業界全体に張り巡らされている。成熟した産業では、クロスライセンスでがんじがらめになり、特許権の行使が事実上できないことが多い。
・マネをされて喜んでいるうちは三流、マネに危機感をもつと二流。一流の知財先進企業になると、相手が報復を恐れてマネをしなくなる。目標は米国のIBM。
・特許出願のデメリットについて勘案したうえで、もし特許を出願しないと決めた場合には、必ず先使用権を主張できるように証拠を揃えておくべき。
・先使用権には他社に特許を取られたときの不都合を避ける狙いがありますが、同じ狙いのもと、特許を取得するつもりはなくても、あえて出願だけを行う企業もあるようです。出願さえしておけば、その後の他社の出願によって特許権が成立することはないからです。

特許がビジネスの利益創出の要であること。これを具体例をもとに分かりやすく説明してくれています。お薦めです。


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