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「普段通りの呼吸」でない!呼吸 3

2015-06-09 20:15:04 | CPR & AED
いよいよ 死戦期呼吸 です。

死戦期呼吸とは、臨床の場では「あえぎ呼吸」と呼ばれたりしています。

医学的っぽい言い方では「下顎(かがく)呼吸」なんて言われたりします。


心停止後に起こるといわれる「動作」で、
呼び名のとおり、あえいでいるような口の動きになります。
また、上体を起こしているような体勢では、子どもがしゃくりあげて泣いているときの
そんな肩、上体の動きが見られるようです。

これまでの研究や報告としては

・動物実験では、ほぼ100%現れる(ブタが使われるようです)
・人間の臨床の場でも4割くらい現れる
・長いと4分間以上つづく
・医学部の学生でも3割くらいは「正常」と誤認する


実は、わたくし、死戦期呼吸を見たことがあります。
正確に言えば、「あれは、おそらくホンモノであろう」と。

死戦期呼吸という名も知らぬ小学生のときです。

祖父が危篤ということで、学校を早退して病院に行ったところ、
病室では、天井を見つめ、大きく口をあけて息をしている(死戦期呼吸は呼吸なしだけど)
祖父がいました。

肩で息をしている・・・

そんな感じでした。

祖父は、末期がんで、助かる見込みがなかったのでしょう。
特に医師が何かするということはなかったように記憶しています。

既に心臓が停まっていたとしても、まるで息をしているような・・・
そこで家族に

「これは死戦期呼吸と言いまして、・・・くどくど・・・」

と説明しようにも納得する筈はなく・・・ということですね。

それから死亡宣告に至るまでは、けっこう時間がかかったと、
おぼろげながら覚えています。
なにしろ、兄貴に売店に連れて行ってもらってジュース買ってもらった記憶があるくらい。

死戦期呼吸が治まり、たしか心マもちょっとやって(もはや儀式のような)、
そうして死亡宣告になったと思います。


そんな死戦期呼吸ですが、動画を探せばたくさん出てきます。

しかし、そのほとんどは「生きている人」が「真似」しているモノ。

なので、いまひとつリアリティに欠けます。


いろいろ見たなかで、一番リアルなのは、この動画です。

死戦期呼吸を撮るためのモノではないので、よく見ないと見逃しそうですが、

・大きく口を開けるところ

・呼吸(らしき動作)のテンポの遅いところ

が普段通りの呼吸ではない、と認識していただけると思います。

また、まさしく「死んだような」表情に「生気」が戻って来る様はリアルです。
ちょっと衝撃的な映像ではありますが、参考にするにはベストと思います。


'Taka' Back From Dead! | Bondi Rescue




死戦期呼吸の誤認では、埼玉県の小学校で起こった事例があります。

長ければ4分間以上・・・

人間の細胞は、心停止して酸素の供給が絶たれて3~4分間経つと死滅していきます。
とくに脳細胞は再生しません。

蘇生が非常に困難になります。


もし、迷ったら・・・

呼吸なし!と判断していいです

顔を見ながら胸を押し始めて下さい。


迷わず押せよ
  押せば、わかるさ



です。


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