「AEDは、心停止の判断ができません」
ということを、以前書きました。
ショックが必要か?否か?を判断しますが、心停止かどうか?は判断しません。
まず、ショック=除細動が必要なケースというのは
「心室細動」 と
「無脈性心室頻拍」 というものです。
無脈性心室頻拍は、心室細動と同様に、小さく速く動いている状態で、
血液が心室に充分に充填されていないうちに、押し出そうとするので、
空打ちのような状態にある・・・という感じです。
心室細動の心電図波形は、「でたらめ」と言う表現がぴったりする感じで、
常に、大小さまざまな波が出ます。
心室頻拍の場合では、「ノコギリの刃」のような波形、と形容されるように、
同じカタチが連続して=フラットな部分がない 続きます。
健康診断等で心電図をとったコトのある人は、自分の心電図を見たことがあると思います。
正常な脈は、定期的に鋭い波形が出て、フラットになり・・・
を繰り返すと認識されているかと思います。
心室細動、心室頻拍は、フラットな部分がまったく無い状態なので、
他のケースと区別がつきます。
さて、心臓がピクリとも動かない状態=心静止になると、心電図に波は現れません
がっ!
ときに、動いていないのに
波形が出る ことがあります。
これが
PEA=無脈性電気活動 というものです。
(PEAとは、パルスレス・エレクトリック・アクティビティの略です)
呼吸停止から心静止に向かう途中で現れたり、心静止後に現れる、と言われています。
ドラマや映画で、心電図のモニターがフラットになった瞬間、
医師が家族に向かい「ご臨終です」と言うような場面観たことがありませんか?
実際に、モニターを見ながらの最期というケースでは、フラットになった瞬間に
モニターのスイッチを切るそうです。
それは、このPEAが出るからです。
このPEAには、いろんな波形があるようですが、
たとえば
こんな(ポチッてしてね)のがあります。
正常なときの波形と似てませんか?
これ
機械(AED)が、心停止と判断できるでしょうか?
機械の精度が上がれば、ひょっとしたら判断できるようになるかもしれません。
しかし、心電図の波形だけでは心停止・・・というか有効な脈か?
判断できないケースもあるのです。
というワケで、そのハナシは次回