ハートプラス・プロジェクト

「苦しんでいる人を助けたい」そんな気持ち=ハートがあれば、いろんな知識やスキルをプラスしませんか?

AEDへの理解は深まるのか?

2016-09-24 11:01:14 | CPR & AED
少し前に、AEDに関して「こんな記事」を書きました。

賛否両論あろうか?と思いますが、個人的見解です。

究極的には、その場にいた人にしか分からないし、「診断」(って言っていいのか?)は、
知識と経験によるものだと思うので、ダレが言ってるのが正しいか?は、
他の人にはわからないのかなぁ・・・というのが正直なところ。

「判断」で難しいのは、反応が生体反応であるのか?というところでしょう。
とくに「死戦期呼吸」なるものは、とても分かりづらいです。

なので、この時点で迷ったときには、悪い方で見積もりましょう、というのは、
どの講習でも言っていることだと思います。

なので、講習の流れ通りの対応だと、意識(反応)があるのか?ないのか?わからない
 → 意識障害と見積もり、協力者を要請。通報とAEDを頼む
  → 呼吸をみる。分かりづらかったら心停止と見積もる
   → 胸骨圧迫をする

ここで、反応=苦しそうにする、痛がる が出れば、とりあえず心停止ではなかった、となります。

さて、ここから、この後届くAEDを貼るか?貼らないか?

反応の強さ次第?

と言うと、大雑把過ぎですかね?
反応があれば、AEDをその場に置いたままで(返さないで)、観察を続ける、でいいのかな?
と思います。


ネットでは多くの医療関係者が、どんどん使ってよろしい旨の投稿をしていたようですが・・・


もちろん、使ってはいけないというつもりもありませんが、
自分のなかで「モヤッと」することがいくつかあるわけです。

まず、AEDは、言うほどたくさん無い、ということ。
これは、公共施設のことではなく、イベント等でのハナシです。

心停止になった人に遭遇することは、そうそうありませんし、急に具合の悪くなる人も
それほど多くはないでしょう。
が、イベント等で人が集まると、体調が悪くなるという人は、どういうワケか?
けっこう出てきます(なんでですかね?)。

それに対し、AEDはそれほどたくさん用意されていないと感じています。

自分が、救護ボランティアとして参加するイベントでは、3つある救護ブースに、
それぞれ1台のAEDです。
しかし、体調不良でふらふらの状態で担ぎ込まれる人も、一日に何人かいます。

また、海水浴場の監視業務をしているライフセービングクラブとも付き合いがあるので、
事情を知っていますが、シーズンで延べ50万人ほど来る海水浴場でも警備本部にAEDは1台です。
心停止の人は、ここ何年も出ていませんが、いつでても不思議ではない環境です。

そこで、体調不良なだけで使うには・・・ということです。
心電図をとりたいから、という理由だけでは、とても使う気にはなりません。

「東京マラソン」は、世界で一番安全なマラソン大会を目指す、ということで、
70台ちかくのAEDが配備されているそうです。
1台、30万円とすれば、70台で・・・2100万円。
お金のある自治体だからできることではないか?と。

ひるがえって、我が市は、財政も厳しく、市内にある箱(外観)は立派な総合病院に、
医師は不足しがち。産婦人科医も確保できず、分娩ができない状況が続いています。
使っていない病棟、病室もあり、ときどきドラマや映画のロケに使われる、という始末。

AEDに何千万も使うなら、医師の確保をせよ、という声が出ても不思議ではありません。

「消化器と同じ数のAEDがあるのが理想」とはよく聞きますが、なかなか大変でしょう。
おカネで助かる命があるなら安いもの、というのは正論ですが、
無い袖は振れぬ、もまた事実。どこまで理解が進むのか?ということでもあります。


それから、「使え、使え」と言っても、それなりに効果的に使える人がいるのか?
ということです。

今では、自動車教習所でも教えることになっていますが、どれくらいの人が理解できているか?
疑問に思うことは多々あります。

AEDの使用に関し「AEDが判断してくれるから、間違って(心臓の動いている人に)使っても大丈夫」
とよく言われます。ここで、心臓の動いている人には、ショックしないから大丈夫と言いたいのでしょうが、
大概の人は、AEDが心停止か?どうか?判断してくれるという方も同時に
解釈しているのではないでしょうか?

AEDが判断するのはショックの要/不要であり、心停止か?否か?ではありません!

ネット上でも

「AEDがいいな、心マは骨折っちゃいそうで怖いから」ってコメント。
これ、明らかにAEDがショックすれば、心肺蘇生(胸骨圧迫&人工呼吸)不要と思ってますよね。

他にも、実際にあったことですが、ある医院(開業医)で、急に血圧低下して心停止になった患者さんに、
医師と看護師がAEDを使いました。AEDは「ショックは不要です」と解析し、医師と看護師は、
救急隊が来るまで心肺蘇生を続けました・・・
その様子を見ていた看護助手が「なんで不要と言ったのに、心肺蘇生してたんですか?」と。

心停止の判断をAEDがしてくれると思っていれば、見逃す可能性が大です。
こういうことが周りでもあるわけです。


それから、講習をしていると、扱いに慣れるまでに時間のかかる人もいます。
「あー、これじゃ使えないね(使いこなせないね)」と自分から言う人もいます。


いざ、というときには使わなくては!使おう!助けよう!という意志のある人は、
まぁ講習に来てくれます。それ以外の人は、まず来ません。
「AEDの言う通りにすればいいんでしょ?」と思っている人は、わざわざ講習に行こう、
なんて思うはずもありません。

もうずいぶん前ですが、「本当にAEDのガイダンスで正しく使うことができるのか?」
実験をした大学があったそうです。
講習を全く受けたことのない人を集め、マネキンとAEDトレーナーで、やってもらったところ、
服の上からパッドを貼った例がいくつかあった、とか。
その結果からか?現在の機種は「服を脱がせてください」からガイダンスが始まります。


講習を受けたことが無い人でもAEDを使うことに問題はありません。
理解してなくても、その場で使おう、助けよう、と思って使ってくれればいいです。
その勇気は賞賛されるべきでしょう。

ただ、配備や理解について、どれくらい進むものなのか?

なんでもかんでも使って問題が発生し、話題になって理解が進むのか?
ダレかが問題提起して理解が進むのか?どっちが先だろう?

いつも疑問をかかえながら講習をしています。



グループレッスン

2016-09-18 05:46:47 | ボランティア活動など
昨夜は、市内「運転ボランティア」の方たちのグループレッスンでした。

去年も受けてもらいましたが、今年も心肺蘇生&AEDのレッスンを受けてくれました。

運転ボランティアは、市内在住の障害者や高齢者で、自分で病院等へ行くのが
困難な人の「足」になるボランティアです。
なにしろ田舎なので、ドコへ行くにもクルマが必要。
ということで、こんなボランティアがあるのです。

が、ボランティアする人も、そこそこ年配の方。

どうして若い人のボランティアって少ないんですかね?



受講者にあわせて出来るのもハートプラスのグループレッスンです。




2016.9月度 勉強会報告

2016-09-11 07:33:14 | 救急法勉強会
今月は、お初にご参加の親子さんが来てくれました。

最初に・・・「腸内細菌・環境」のおハナシをしまして、
(まぁ、いろいろとカラダの事が気になる歳になってきたワケですよ)
そのあと、みなさんとAEDをとりまく環境・問題について話し合いました
(内容は、また別の機会に報告します)。

そんな講座?のあとは、心肺蘇生&AEDの練習を。



赤十字の講習では、胸骨圧迫の速さを1分間に110回で練習する事になりました。
メトロノームで、音をだして、その音に合わせてやってもらいます。

この速さでやると、けっこうツラいです。

しかも、このレールダルの人形はG2010対応なので、カチっと音が出るまで押すには5cm必要。
県支部にある人形のほとんどは、それ以前のガイドライン対応のものなので、4cmくらい
(台数が多くて、一度に更新するにはムリなんでしょうね)。

「ただ押すだけでしょ?」

と思った方は、いちどやってみてもらいたいところです。


さて、一通りやったあとは、リクエストで「ロープワーク」の練習。

みんなで「もやい結び」を復習。
まぁ、ふつうにロープ使う人なんてなかなかいないので、たまにやると出来なかったり。



こちらは「まんりき」の練習です。



横文字だと「ワゴナーズ・ヒッチ」とか言うらしいですが、
「万力」がしっくりくるのは、自分だけでしょうか?

よくトラックの荷物を固定するときの結びです。


こんな感じで、参加者が身につけたい事をするのが、この「勉強会」です。
ぜひご利用下さい・・・

やる気のあるスタッフほしいなぁ・・・



「お薬手帳」は、スマホでぱちり

2016-09-07 18:06:20 | 知識やスキル
本日、赤十字の講習で「減災セミナー」というのに行ってきました。
静岡県支部オリジナルの講習です。

講習に行くと、指導員なので、「人に教える」ことが業務なわけですが、
ときに受講者から知らなかったことを教わったりすることもあり、勉強になります。

そして、同僚?の指導員からもいろいろ教わったりします。


今日の減災セミナーというのは、大地震が来た、そのときどうしましょう?
という内容のものなのですが・・・

避難の際に持って行こう!というリストの中に「お薬手帳」があります。

命からがら逃げてきても、普段のんでいる薬を持ってきていない、
というのは当たり前といえば当たり前。

各地から派遣されてくる医療隊が医薬品も持って来る筈ですが、そんなとき

「なんて薬をのんでます?」

と訊かれて、薬の名前を言える人いるでしょうか?

ひとつ、ふたつなら覚えられるかもしれませんが、いくつものんでいる人は大変でしょう。
ひと口に、「なんちゃら(病名)の薬」といってもいろいろある場合もあります。
薬は副作用があるので、同じ症状・病気でも人によって違う薬を処方されることだってあります。

なので、そんな情報が記載されている「お薬手帳」なるものが、必要になるのですが・・・

まぁ、薬と同様、そこまで気が回って持ち出せる人は、なかなかいないでしょう。

とうことで、現在、服用している薬がある人は、お薬手帳のそのページとか、
薬そのもの(名前がわかる)の写真を携帯電話のカメラで撮っておく・・・

大概の人が、出掛けるときに「サイフ」と「ケータイ」という習慣があるのではないでしょうか?


携帯電話(のカメラ)、いろいろ使い道ありますね。

今日の講習で、同僚の指導員から仕入れたネタです・・・

自分も、他の指導員にネタを提供できるように勉強しなくてはいけないなぁ、
と思った瞬間でもありました。







ねこ砂は、防災グッズです・・・

2016-09-04 06:46:12 | 知識やスキル
9月1日は、関東大震災のあった日ということで、「防災の日」というコトになっています。

この前後の週末は、県内各地で防災訓練が行われます。
・・・そして、相変わらず、大地震発生のシナリオのはずなのに、
「心肺蘇生」の練習がされるというのは・・・どうなんでしょうかね?

水害、土砂災害など被害エリアが比較的狭い状況だったり、
地震後の避難所生活の中で起こる体調不良であれば、対応するんでしょうが、
そのあたりをキチンと説明しているのかな?


さて、大地震が発生し、ライフラインが寸断。避難所生活のなかで困ることといえば、

トイレの問題

まぁ、この辺の「ド田舎」であれば、山とか畑の片隅で・・・もできるんでしょうが、
都市部では、なかなか。

ということで、「携帯トイレ」や「簡易トイレ」なども販売されています。

そんななか、こんなモノを応用してみては?とうことで



「ネコ砂」

これと



最近は、透明のビニール袋でないとゴミを受け付けない自治体がほとんどですが、
「汚物」が見えるのは・・・ねぇ・・・

これに「バケツ」を使えば、トイレ完成です。


およそ1回分の砂をビニール袋に入れて、バケツにセット、用を足し、
その都度、袋の口を閉めて捨てる(保管)。

念のため、ビニール袋は二重にしておいて、上側を毎回捨てるようにするといいですね。

ということで、ネコを飼っていない人も「ネコ砂」の備蓄をしておいて下さい。
そして「ビニール袋」も大量に・・・