ハートプラス・プロジェクト

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完全・全自動?

2022-06-21 20:46:52 | CPR & AED
ご無沙汰しております

AEDは「自動」体外式除細動器と言います。
「自動」です。

最近、「オートショックAED」と言うAEDが出て来ました。
世に広まるのは、もう少し時間がかかるか、と思います。

今までのAEDと何が違うか?と言うと・・・


*従来のAEDの場合

AED「ショックが必要です。患者から離れて下さい」
  「充電中です。患者から離れて下さい」
  「ショックを実行します。オレンジの点滅しているボタンを押して下さい」

AED操作者「みんな離れて下さい」と言いつつ、ボタンに指を「置き」、
      誰も傷病者に触れていないことを確認しつつ「ボタンを押します」
      と言って、ボタンを押す!

となります。
操作者は、必ず傷病者の方を見てボタンを押すことになります。
「ボタンを押して下さい」と言われて、そのままボタンを押して、もし誰かが
傷病者に触れていたら、その人が感電するからです。


さて、このオートショックAEDなるものは、操作者がボタンを押さなくても、
電気ショックが実行される、というものです。

*オートショックAED
AED「ショックを実行します。離れて下さい。3・2・1」(電気ショック)

という感じになるそうです。
人がショックを実行するならば、そのタイミング、瞬間は人が決められます。
オートショックAEDは、それが出来ません。

ということは・・・ちょっと怖いアクシデントが起こりそうですね。


AEDの音声ガイダンスは、しっかり聞きましょう!

詳しくはhttps://aed.yagami-inc.co.jp/lp/

ちなみに、ショックが必要なケースで、ショックが実行されずにいると・・・
(フィリップス製は30秒とか言われてます)、放電しちゃって、
ショックがキャンセルされるそうです。

オートショックAEDは、ショックが成されないことが無いように、ということのようです。


プライベート・レッスン、ん?

2021-02-14 16:27:07 | CPR & AED
お知り合いからAEDを教わりたい人がいる、とのことで、
ずいぶんとおひさしぶりに「AED講座」をやりました。

約一年前より、新型コロナ感染予防のため、ほとんど講習がされていません。
また、時おり講習再開の話が出るも、感染拡大期に入ったりして結局、中止になったり。

そんな講習ですが、「ソーシャルディスタンスを保ちつつ、『実技』をして下さいね」
などと「とんち」のような指導方針・・・

果たして、それを講習と・・・いや講習と呼んでもいいのでしょうが、
「資格」を与える講習としてはどうなんだろう?と疑問と言えば疑問です。


今回の「講座」は完全オリジナル?なので、そんな指導方針とは無関係ではありますが、
感染防止には努めなくてはならないことに変わりなく・・・
幸いにも、「ご夫婦」だったので「二人の距離感」は、気にしなくても良さそう!

というコトで、普段のような実技をやってもらいました。

しばらくは、「極」少人数、プライベートレッスン的な「講座」にしようか、と思います。




新しいガイドラインは?

2020-10-15 21:21:33 | CPR & AED
気がつけば10月(わざとらしい?)
今年は、ガイドライン2020が発表される年。

正確に言うと ILCOR という組織が発表する CoSTR というコンセンサスを基に、
世界の各地域、国でガイドラインが作成される・・・ということになります。

そのCoSTRの発表が、確か10月です。
もうそろそろの筈です。

おそらく来年度の講習からはガイドライン2020に基づいた講習「内容」になる筈です。
ただし、新型コロナウィルスの影響で、どのように実施されるか?は
今のところ見当もつきません。

その前に内容ですね。
どこか変わるのかしら?

個人的見解・・・それほど変わらないと予想します。


ところで、胸骨圧迫は「心臓の位置」を正確に押さないと効果的ではないのでしょうか?
実際のところ、今まで講習で質問されたことはありませんが・・・

講習では、イメージしやすいように胸骨を押す → 心臓が押される → 血液が流れる
なんて説明したりします。
その通りなら、心臓の位置を押すのが最も効果的と言えそうです。

このように、胸骨を押すことで心臓が押されて血液が循環するのを「心臓ポンプ説」と言います。

が、「ホンマにそうなのか?」と疑ったお医者さんがいたんでしょうね。

胸骨を押し続けることで、胸腔内の圧力が上がり、その結果心臓の内部、血管内圧が上昇し、
血液が循環すると説明されるのを「胸腔ポンプ説」といいます。

詳しくはhttps://nursepress.jp/227693

で、最近の研究によると、心臓ポンプ説より胸腔ポンプ説の方が有力なんだそうで。

なんかイメージしづらいですね。
なので、理解できなくてもかまいません。「へぇ〜」でOK!

ということになると、別に心臓の位置はあまり気にしなくていいですね
(押すのは「胸骨(の下半分)」ですよ!!)

ただ、大事なのは、胸腔内圧の上昇は、しばらく押し続けることで得られ、
圧迫を止めると急激に降下するということ。

その意味でガイドライン2005で胸骨圧迫の回数が15回から30回になったことは
非常に意味のあることです。

そして、心肺蘇生を人に代わってもらうとき、圧迫が中断されないように
スムーズに交代する、というのも大事なこと、というふうになります。


ということで、以前より「30回という回数が増えるんじゃない?」
なんてことは聞いたことがあります。

・・・どんなガイドラインになるんでしょうね?
皆さん、気にしてみて下さい(笑)



AEDは、意識のない人に使ってください・・・とは

2019-11-28 20:21:16 | CPR & AED
当たり前のことですが、AEDは意識のない人に使ってください・・・

とは言うものの、わたくしが間接的に知っている(なんじゃそりゃ?)
あるお医者さんは、

「救命医や心疾患のある患者さんをたくさん診ている医師ならともかく、
 そういう患者さんを見慣れていない医師なら、意識(反応)があるか?ないか?
 正確に判断できない人はたくさんいる。
 だから、一般の人が反応の有無が判断できないのは無理もないこと。
 よくわからなかったらAEDを使えばいい。
 明らかに意識のある人には使わないでしょ?」

というようなことを言っておられました。賛成です。

ところがAEDメーカーの人は、「必ず意識のない人に使ってください」と言います。
メーカーには製造責任があり、誤った使用法にも一定の責任を負わされてしまうからです(PL法)。

缶詰に「缶のあけ口で手などを切らないように注意してください」とか書いてないですか?
あれが無いと、注意喚起不足とか言われるようです。


さて、AEDと意識の有無ですが、過去
「意識のある人にAEDを使って、電気ショックをすることは絶対無いですか?」
という質問をされたことはありませんが、もし質問されたら・・・

厳密に言うと、
意識のある人にAEDを使って「ショックが必要です」という可能性はあります


ひっじょーーーーに稀ですが・・・


AEDがショックが必要というケースは

・頻脈であること=周波数(心停止は拍動がないので心拍数とは言わない)が高い
・波形が広い=QRS波が広い

の二つを満たすことです。

「心室細動」は、これら二つを満たし、血液循環が停まるので、10数秒以内には
意識を消失すると言われています(呼吸も)。

除細動適応となる「不整脈」には「心室頻拍」という、頻脈系の不整脈もあります。

この心室頻拍は、頻脈度合いによって血流が維持されているケースと、
心室細動と同様に血液循環が停まってしまうケース(心停止)があります。

AEDがショック適応とする周波数でも血液の循環が維持できていれば、
意識があっても「ショックが必要」ということになります。
(心室頻拍の心電図波形は、ノコギリの刃のようと形容されQRS波の幅は広いです)

AEDメーカーとしては心停止の患者さんには、確実に「ショック適応」と
判断するようにしなくてはなりません。

なので、周波数の設定値をいくつにするか?が悩みどころのようです。


一般の人は、特に知らなくても良い情報ではありますが、指導的な立場の人は
頭の片隅に入れておくのもよいではないでしょうか?


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