Heart and Aqua

優しい時間~ゆっくりしていってください。

レンタルお姉さん

2007-03-05 | キャリア
以前ここで、 『スロースタート』という記事を書いたのですが、
その原作本の、レンタルお姉さんという本を読みました。

『レンタルお姉さん』って聞きなれない言葉ですよね。

レンタルお姉さんとは、
引きこもりやひきこもったニートとよばれる若年無業者が社会と関わりを持てるよう、
引きこもり支援組織が依頼主である親からの依頼を受け、
「お姉さん(「お兄さん」の場合もあります)」を派遣し、
メールや電話などのやりとりのほか、相手の家に入り、
ときには身の回りの世話もしながら、相手を社会に関われるようにする人や
その仕事のことを指すそだそうです。

意欲ある取り組みとして称賛の声がある一方、
マスコミの映像からは「引きこもりとニートを混同」し同じような対策をしていることや、
「そのタイミングで社会と関わる必要性があるのか」などなど、
主にインターネット上から問題点がいくつか指摘されているということです。



少し前に話題になっていたようなのですが、
わたしはこの『スロースタート』というドラマを見て、初めて知りました。

もう少しよく知りたいな、と思い、原作本を手にしてみました。

そこには、ドラマで見たのと同じような内容が書かれてありました。
先に映像で見ていたせいか、読んでいて、
その映像がそのまま浮かんでくるような場面もあり、
つらいなぁ~~、さびしいなぁ~~、よかったなぁ~~といったような気持ちを
そのままストレートに感じることができました。




ドラマの感想のときも書きましたが、
それは、手紙に始まり、電話、そして訪問と、
気の遠くなるようなゆっくりとしたコミュニケーションで始まります。

携帯電話やメールのような現代の便利なコミュニケーションから零れ落ちるものの中にこそ、
人と人とが触れ合える可能性がある、それを探そうとしているのです。

6時間も待ちぼうけをさせられたり、
暴言を吐かれたり、暴力を振るわれる事もある。
それでも、相手を尊重し、共感し、
相手の怒りや甘えを受け止めることで、
なんとか彼らの示す「NO」の中の「YES」を探り出そうとしているのだと思います。



彼女たちはただ相手のためだけにこういう仕事をしているのではなく、
彼女たちも得ることがあるから続けていけるのだと書いてあります。

肩書きや言葉を超えて、人は人とつながれるという確信。
他人から必要とされる、他人とは違った生き方。
他人の役に立ちながら、自分らしく成長していける場所。
個性のない自分のままでいいんだ、という強い自己肯定感。


わたしは、働いていないで引きこもっている人が一方的にいけない、
そんな風には思いません。
そうなるにはそうなるだけの理由やきっかけがきっとあったのだと思うから。

でも、ずっとそういう状態を続けることは、決していいことではないと思います。
こういう活動をされてる人がいて、
それをきっけに、少しでも外に向かって気持ちを向けることができるのならば、
それはとてもすばらしいことだと思います。



自分だけが変わってる人、なのではなく、
変わっていたってかまわない、あなたはあなたなんだから、
あなたは大切な人だから。。
そして、あなたを必要としてる人は必ずいて、
あなたはきっと誰かのために役に立つことができる、そして自分のためにも。。


一生懸命にそれを伝えるためにがんばってるこのお仕事は、
やっぱり立派なお仕事だと思います。