08年10月に発売された那須ロイヤルデニッシュ
栃木県は那須高原にパン・アキモトという会社がある。
ここで製造・販売しているのがパンの缶詰だ。
「ついにパンまで缶詰になったか」
こう思われる方もいらっしゃると思う。
アキモトは元々、生業がパン屋さんである。
昭和22年に秋元パン店を開業し、栃木県学校給食会指定工場となるなど、地元に愛され着実に営業してきた。
それが平成7年に、パンの缶詰を独自に開発、販売を始めたのであります。
実はこの年。
正月気分も抜けきらぬ1月17日に、あの阪神・淡路大震災が起こったのだ。
ぱかっと開缶! 香ばしいバターの香りが立ち昇る
缶内に種を仕込み缶ごと焼き上げるという凄い技術
その日の朝。
震災を知った秋元社長は、父の「パン屋として出来ることをやろう」というひと声に応じ、すぐに約2千個のパンをトラックに積み込んだ。
仲間の力を借りながらリレー輸送し、2日後には被災地へ届けたという。
しかし、すべてのパンが食べられたわけではなかった。
あとで聞いた話しでは、いくつかのパンは被災者の元に配られるまで時間がかかってしまい、カビが生えて食べられなかったという。
秋元社長はこう思った。
「パンを缶詰にすればいいんだ。そうすれば長持ちするし、普段から備蓄もできるはず」
かくのごとし。デニッシュらしく繊維状にほぐれる
皮の部分はさくりと噛み応えがあり、中はしっとり柔らかい
プレーンな味つけでもあって、日常食にしたいほどウマい
こうして独自に開発したパンの缶詰は、日本、米国、中国、台湾で製法特許を取得している。
何しろ、パンの種を缶に仕込み、缶ごとふっくらと焼き上げ、殺菌状態で密封しているのだ。
他社でもパンの缶詰は作っているが、それは焼き上げたパンを缶に詰めている。
このアキモトのパンの缶詰。
当ブログに最初に登場したのは、2006年1月の記事だった。
あれから5年近くが経過して、社員の方とも交流ができ、上記のようなお話しを聞けた。
実はこのほかにも、アキモトには感動秘話がいくつもある。
それはまた、別の機会にお届けしようと思う。
内容量:1個
原材料名:小麦粉、卵、バター、砂糖、マーガリン(食用精製加工油脂・食用植物油脂・加糖練乳)、牛乳、パン酵母、脱脂粉乳、食塩、乳化剤、香料、アナトー色素
原産国:日本(栃木県那須塩原市、パン・アキモト)
参考価格:600円
缶祭TVでも取り上げました。松尾貴史さんがチラ出演!
※冒頭9分間は音声のみでお楽しみください