それは、まだ桜の咲く前のこと。
日経新聞のお仕事に関係して、北海道産の缶詰を、いくつも食べたことがござりました。
その中から選んだものを、これよりご紹介していこうと思うのであります。
記念すべき第1回は、かにみその缶詰であります。
プルタブを引っ張りあげると...。
ややや、表面がゼリー状に輝いている。
原材料を見てみれば、なるほど寒天が入っている。
「寒天で固めたのかあ...はあ」
肝心の“みそ”の濃度が疑わしいではないですか。寒天で固めるというと、安っぽいゼリー菓子を連想してしまうではないですか。
しかし口に含んでみると...。
おおう、予想外に濃厚な味わい。これはほぼ、“かにみそ”そのものでござります。特有のかほりも、こってりと鼻腔から抜けていく。文句なく美味いです。
そもそも、かにみそなんて、カニの一番美味いところであります。
そいつを集めて缶詰にしてしまうなんて、なんとゼータクなことか!
人間の欲望の深さを実感できる、大変ありがたい缶詰なのかもしれませぬ。
かくのごとし。
次回ご紹介する予定の『つぶ貝』とともに、シーフード・スパゲッティと相成った。
旨味のかたまりである“かにみそ”を味のベースにして、こってりしっかりと仕上がってござります。
バターを加えたことで、磯臭さを回避しております。たらこスパゲッティと同じ理屈ですね。
さて、これより続く北海道シリーズ。うまいこといけば、最終回には缶詰づくしディナーとなるやもしれませぬ。読者諸賢よ、乞うご期待!
内容量:90g
原材料名:かに甲羅みそ、かに身、みりん、でん粉、小麦粉、水あめ、しょうゆ、寒天、調味料(アミノ酸等)
原産国:ジャパーン!