フィリピンの選挙で
2016/06/30から任期6年の予定で大統領に選ばれたドゥテルテが、またまた豹変したようです。
この人は、フィリピンのトランプとされるくらい、豹変が多いことで知られていますが、驚くことなかれ、現在のフィリピン大統領なんです(笑)。
トランプもアメリカ大統領選挙の共和党候補でして、民主党候補のヒラリー・クリントンに肉薄しているようで、ひょっとすると、あと1ヶ月後にはアメリカの大統領になっているかも知れません(笑)。←あり得ないか?
2016/10/20にクリントン(民主党候補)とトランプ(共和党候補)の3回目の公開討論があり生中継されました。どうでもいいことですが、これを見た私が100点満点で採点したところでは・・・・・・
私にはアメリカ大統領の投票権がありませんが、どうやら消去法で決めなければならないようで、アメリカ国民も大変どすな!
さてトランプのことはいいとして、フィリピン大統領ドゥテルテの話に戻りましょう。
ドゥテルテの流れをざっと見ておきましょうか。
2016/06/30
フィリピン大統領に就任
前のアキノ大統領が親米・反中だったのに対して、反米・親中になりそうな印象。これを後押しするのが、人数としては少ないらしいのですが、フィリピンの経済を牛耳っている華人たち。
フィリピンでも当然、反中暴動がみられるとのことですが、中国を刺激するとの理由からか、日本ではほとんど報道されないようです。日本のマスメディアにも注意しましょうね。
2016/09/09
2016年9月8日のアジアサミットでオバマに対して、アメリカは人権に関して自らの非を認めていないと直言。麻薬関係者を殺害したことに対してアメリカ政府や国連から非難されているのに反感をもち、彼ら(米政府や国連)は何もしていないが、中国は「麻薬中毒者のリハビリ施設支援を提案した」としている。反米・親中の色が濃くなってきた。〔朝日新聞 2016年9月9日〕
ジャカルタの講演で、オバマへの暴言は実は米国務省への非難だと釈明したようですが、人権侵害で非難する潘事務総長については「こいつもばかだと思った」と断言したもよう。〔時事通信 2016/09/09〕
2016/09/22
来月10月末に日本を訪問することで調整中とのこと。〔時事通信 2016年9月22日〕
2016/10/04
マニラでの演説で、アメリカ大統領オバマのことを「地獄に行け」と言ったらしい。また「アメリカと縁を切る」とし、米比合同軍事演習も今回が最後だとします。トランプがクリントンに対して「刑務所へ行け」と言ったのと似てますね。
これだから「ドゥテルテ≒トランプ」なんです。オバマには2週間前に謝罪したはずですが、「地獄へ行け」とは大統領とは思えない暴言ですね。アメリカやオバマに対して、恫喝したり謝罪したり、ドゥテルテは分かりませんね。分らないもの同士で、ドゥテルテが中国に接近するのでしょう。6年後にフィリピンで新し大統領が誕生したら、再び親米になるのでしょうか。〔huffington 2016年10月05日〕
2016/10/12
ドゥテルテがまた豹変して、既存の防衛条約・軍事同盟を維持すると表明したもようです。1週間前にはアメリカとの軍事演習はこれが最後と言っていたはずですが、どちらが正しいのでしょうか。もうこの人はメチャクチャですね。一方アメリカ政府は、アメリカとフィリピンの関係は不変としています。〔ロイター2016年 10月13日〕〔CNN 2016.10.14〕
2016/10/14
国際刑事裁判所(ICC、オランダ・ハーグ)のベンスダ主任検察官は14日までに、フィリピン当局による強権的な麻薬犯罪対策について、容疑者を超法規的に殺害することはICCの訴追対象となる可能性があると警告する声明を発表した。〔産経新聞 2016.10.14〕
2016/10/15
フィリピン最高裁のカルピオ判事は15日、中国と主権を争う南シナ海のスカボロー礁について、ドゥテルテ大統領が中国からの資金援助などと引き換えに主権を放棄した場合、「大統領は弾劾(だんがい)に値する」と述べた。現地報道によると判事は、「ドゥテルテ氏が一度主権を譲り渡せば、中国は二度と我々に戻すことはない」とクギを刺した。
この発言を受け、ドゥテルテ氏は16日の演説で、18日から訪問する中国で南シナ海問題を議題にする、と述べ、これまでと姿勢を一変させた。「(主権問題で)取引しないよう細心の注意を払う」と言いつつ、「だが強い負荷をかけることもしない」とも述べた。最高裁判事の発言については、「判事の言うとおりだ」と述べた。
フィリピンの排他的経済水域にあり中国が実効支配しているスカボロー礁について、常設仲裁裁判所は7月、中国がフィリピンの権利を侵害したとの判断を示した。だがドゥテルテ氏は権利主張に消極的な姿勢を見せ、「漁業をさせて、と中国に頼もう」などと発言していた。〔朝日新聞 2016年10月16日〕
中国よりと見られていましたが、フィリピン最高裁判事から、南沙諸島・西沙諸島あたりで主権を放棄した場合、大統領弾劾に値すると警告されると、また豹変して、近く中国を訪問するときには南シナ海問題を議題にすると述べています。
2016/10/16
訪中前にドゥテルテ大統領「南シナ海問題、議題になるだろう」〔産経新聞2016.10.16〕
3~4日後に中国で習近平と会談するときに、領海問題が議題になるだろうと述べたとされます。アメリカと中国の間を揺れ動くのは、韓国と同じですね(笑)。
2016/10/17
ドゥテルテ比大統領 「南シナ海、主張する」 あす初訪中、方針転換表明
【バンコク西脇真一】フィリピンのドゥテルテ大統領は16日、18日からの中国訪問などを前に南部ダバオの空港で記者会見し、習近平国家主席との首脳会談で南シナ海問題に触れる考えを示した。これまでは議題としない考えを示していたが、ドゥテルテ氏は一転して「我々の主張を押し通す。取引はしない」と強調した。〔毎日新聞2016年10月17日〕
2016/10/20 訪問先の中国北京で・・・・・・
「米国にさよなら」 フィリピン大統領、中国への傾斜鮮明に
【10月20日 AFP】フィリピンのロドリゴ・ドゥテルテ(Rodrigo Duterte)大統領は19日、訪問先の北京(Beijing)で行ったスピーチで、同盟国である米国に「さよならを言う時が来た」と述べた。大統領はフィリピンの同盟関係の再構築に乗り出している。〔afp 2016年10月20日〕
中国へ行ってから再び米国を非難。この人は、どこで何を言うか、わかりませんね。
それにしても、母国フィリピンの最高裁判事から釘をさされ、急きょ「反省」して、東シナ海を議題にすると言っていたのですが、またまた中国に気兼ねしましたか。
仲裁判決棚上げ合意 南シナ海、対話再開 〔毎日新聞2016年10月20日 22時09分〕
中国に限れば
「棚上げとは、中国を非難する側が、表明をしない」ということでしょうか。
中国は不利な場合に限って、「棚上げ」をするのですが、「棚上げ」しておきながらその裏で埋め立てをどんどん進めるのが中国の常套手段なのでしょう。
分りやすく言えば、「埋め立て地の軍事拠点化がどんどん本格化する現状を黙認する」のが「棚上げ」なんでしょう。
こうなると法律の意味がなくなってきます。
自分の思考のみが正しいのであり、それに反することは無視ししてどんどん領土を拡張する中国。
「フィリピン領土の主権を放棄」しなかったことで、フィリピン国内での弾劾は避けられそうに見えますが、
埋め立て対立の棚上げ≒埋め立て続行の黙認≒主権を主張しない≒主権を放棄
とみなされるでしょうからやはり弾劾の対象になりそうだと私は思うのです。
またフィリピンは
仲裁裁判のような国際司法に訴えるのではなく、独裁国家が好みそうな「2国間対話」をするそうです。
そういえば中国共産党はもちろんのこと、ドゥテルテになってからは特にフィリピンも独裁国家になりましたか。そうなら納得できますが(笑)。
怖いですね(笑)。中国や北朝鮮という独裁国家は、「多国間対話」がにがてであり、とにかく「2国間対話」に持ち込めばなんとかなる、という希望があるようです(笑)。
弾劾の対象になるかどうかは
あくまでもフィリピンの人たちが決めるべきことです。
しかし豹変を繰り返して信用を落とせば、結局フィリピンという国の信用を落とすことにならないか、大いに心配です。
つまり、フィリピン関係は、こういうことですか。
▲前のアキノ政権が中国を仲裁裁判所へ訴える
↓
▲新しい大統領ドゥテルテが決まる(2016/06/30)
↓
▲仲裁裁判所が2016/07/12に「中国の主張に根拠なし」と裁定
↓
▲比大統領ドゥテルテが米オバマをののしるも、実際に会って謝罪
↓
▲ドゥテルテが中国を訪問する直前になって、中国共産党にそそのかされたか、再びオバマを軽蔑
↓
▲フィリピン最高裁の判事から、「南シナ海の主権を放棄すれば弾劾に値する」と警告される
↓
▲恐れをなしたか、中国訪問前に「議題にする」「我々の主張を押し通す。取引はしない」と述べた。
↓
▲中国を訪問し、南シナ海問題については棚上げすることで「合意」し、「2国間対話の道に戻ることで同意」。
この「棚上げ」は「主権を放棄」したことにはならないように見えますが、いまだに進行しつつある中国の横暴を黙認したことになり、「主権を主張してはいない」ので、一方的な大統領の権限で「主権を棚上げ」したことが「弾劾に該当しない」のかどうか、難しいところです。
中国訪問前に弾劾を避けようとして「我々の主張を押し通す。取引はしない」と強調したのは、やはりウソだったようで、議題にもならなかったようであり、コロコロ変わる「お手本」のようなものですね。
ドゥテルテは、その時には「そう思った」のであり、それに何の問題があるのか、と威張っているようです。その根拠として必ず敵を罵倒するのは、トランプそっくりですね。
予想通りの決着でしたね。
あとはベトナムがどう動くかでしょう。
仮定の話とはいえ、もしも、トランプ(米)・ドゥテルテ(比)・プーチン(露)・習近平(中)と独裁者がそろえばどうなるかですね。トランプの就任が叶うかどうかは、あと3週間で決まるようです。
さてさて、皆様はどう思われますか。