子宮頸がんワクチン被接種者340万人全員の追跡調査を!~全国疫学調査(祖父江班)に異議あり

12月26日、厚生労働省で、厚生科学審議会予防接種・ワクチン分科会副反応検討部会と薬事・食品衛生審議会医薬品等安全対策部会安全対策調査会が合同開催され、私も傍聴しました。

議題は、
(1)HPVワクチンの安全性について
(2)全国疫学調査(子宮頸がんワクチンの有効性と安全性の評価に関する疫学調査)について
です。

全国疫学調査については、研究代表者の祖父江友孝大阪大学大学院教授が、報告しました。
結論は

1.HPVワクチン接種歴のない者においても、HPVワクチン接種後に報告されている症状と同様の「多様な症状」を呈する者が、一定数存在した。
2.本調査によって、HPVワクチン接種と接種後に生じた症状との因果関係は言及できない。

というものでしたが、祖父江教授の説明は全く説得力がなく、祖父江教授ご本人も確信・自信が持てない、という印象を受けました。


調査内容も、全国の病院の18,302診療科に調査票を送付して報告を依頼した大掛かりな調査の割には、分析対象となる、発症時年齢が12歳以上で、うち多様な症状に相当する女子が365名しか発見できず、そのうちHPVワクチン接種歴なしが110名、ありが103名、接種歴不明が137名で、結局110名と103名とを比較するだけの貧弱な調査になりました


しかも、調査対象症例基準が

1.年齢12~18歳
2.以下の症状が少なくとも1つ以上ある
疼痛および感覚(光・音・におい)の障害、運動障害、自律神経症状、認知機能の障害
3.2の症状が3カ月以上持続している
4.2及び3のため、通学・就労に影響がある


この1~4を全て満たすことが基準ですが、被害者連絡会や訴訟の原告となっている重篤・深刻な副反応被害者の皆さんの症状を少しは承知している私としては、2の症状について、どれほど深刻なものなのか、これだけではピンと来ない、という印象です。

調査対象が「12~18歳の男女」というのも、理解できません。子宮頸がんワクチンの副反応調査に、400万人以上の男子を対象にする意味は、何なのか。ワクチン接種率0.1%の12歳・0.7%の13歳を対象にして、接種率81.1%の19歳、54.2%の20歳、42.2%の21歳、合計100万人以上の被接種者がいる19~21歳の女子を、何故、調査対象にしないのか。全く意味不明です。


私は、こんな調査をするのではなく、厚生労働省は、340万人の被接種者全員の追跡調査を行うべきだと思います。既に神奈川県鎌倉市、茅ヶ崎市、大和市、秦野市、愛知県碧南市、名古屋市、熊本県合志市、玉名市、北海道美唄市、山梨県身延町などの、先行自治体の事例があります。

神奈川県下の自治体の調査では、ワクチン接種後発症し、現在も症状が続いている人が、
鎌倉市0.6%、秦野市2.3%、茅ヶ崎市1.0%、大和市0.7%います。
これを、全国の被接種者340万人にあてはめれば、少なく見積もっても(0.6%)、約2万人に症状が続いていることになります。


祖父江教授は、ワクチン接種歴あり群と接種歴なし群とに差があると、「バイアス」という言葉を持ち出し、ワクチン副反応を否定するような発言を繰り返し、WHO声明にもあるように「接種者と非接種者に有意差なし」の結論に導くための布石を随所で打っていた、と思います。それが、「接種していない人にも症状があると示すことに意味がある」という氏の発言にあらわれていると思います。

この調査の最大の「バイアス」は、ワクチン超推進派の医師(榎本隆之新潟大学産婦人科教授)も加わった研究班が統括し、データを医師からとっている、ということです。

厚生労働省が自治体に依頼して全員の追跡調査をすれば、祖父江班の貧弱な疫学調査とは比較にならないデータが、得られると思います。




●厚生労働省HP「H28.12.26副反応検討部会

全国疫学調査(研究代表者:祖父江友孝 大阪大学大学院医学系研究科教授) 

 

 #子宮頸がんワクチン #HPVワクチン #疫学調査 #祖父江班

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