都内近郊の美術館や博物館を巡り歩く週末。展覧会の感想などを書いています。
はろるど
「密教彫刻の世界」 東京国立博物館・本館14室
東京国立博物館・本館14室
「密教彫刻の世界」
2019/3/26~6/2

特別展 「国宝 東寺―空海と仏像曼荼羅」の開催に合わせ、密教に関した館蔵品の仏像を紹介する特集展示が、東京国立博物館・本館14室で行われています。

重要文化財「愛染明王坐像」 鎌倉時代・13世紀
赤々と染まる体躯を見せ、忿怒の相を見せた、迫力のある一体の仏像に目がとまりました。それが鎌倉時代に作られた「愛染明王坐像」で、胸のあたりから脚へと至る装身具なども細かに象られていました。かつては奈良の永久寺に伝来したとされていて、儀礼では秘密に扱われたゆえに、彩色はもちろん、後背や台座なども制作当時の姿をとどめているそうです。

重要文化財「十一面観音菩薩立像」 中国 奈良・多武峯伝来 唐時代・7世紀
展示室の中央に鎮座するのが、中国の唐より請来された「十一面観音菩薩立像」で、白檀を用い、全身から装身具までを一木で掘り出していました。伏した目で、穏やかに前を見据える姿も印象に残りましたが、どことなくインド風の顔立ちも特徴の1つとされていました。

「不動明王立像」 平安時代・12世紀 東京・大田区
日本画家、川端龍子の旧蔵していた仏像も出展されていました。それが「不動明王像」で、平安後期に各地で普及した、左目を細め、閉じた口から違う牙を出した容貌を見せた、「不動十九観様」と呼ばれる不動明王の一例でした。仏教を篤く信仰したことでも知られる龍子は、自邸に持仏堂を設け、この「不動明王」などを安置しては、日々、祈りを捧げていたと言われています。

右:「千手観音菩薩坐像」 南北朝時代・14世紀
11の頭上面を戴き、42本の脇手を四方へ伸ばした「千手観音菩薩坐像」も目立っていたのではないでしょうか。南北朝時代の院派仏師の作とされ、角ばった顔などに中国の明の仏像の特徴を見ることが出来ました。やや口をすぼめ、わずかに笑みをたたえるかのような表情にも、心惹かれるものを感じました。

「八臂十一面観音菩薩立像」 中国・清時代 17~18世紀
このほか、中央チベット、ないしネパールに伝わったとされる「チャクラサンヴァラ父母仏立像」や、中国の清の官営工房で作られたとされる「八臂十一面観音菩薩立像」なども印象に残りました。あまり日本では見慣れない、縦に積み上がる頭上面の造形も興味深いかもしれません。
会場は、本館の1階、常設展内の14室です。もちろん特別展のチケットでも観覧出来ます。「特別展 国宝 東寺―空海と仏像曼荼羅」へお出かけの際は、お見逃しなきようおすすめします。
一部の撮影も出来ました。6月2日まで開催されています。
「密教彫刻の世界」 東京国立博物館・本館14室(@TNM_PR)
会期:2019年3月26日(火)~6月2日(日)
時間:9:30~17:00。
*毎週金・土曜は21時まで開館。
*入館は閉館の30分前まで。
休館:月曜日。5月7日(火)。但し4月29日(月・祝)、5月6日(月・休)は開館。
料金:一般620(520)円、大学生410(310)円、高校生以下、及び70歳以上無料
*( )は20名以上の団体料金。
*「特別展 国宝 東寺―空海と仏像曼荼羅」で観覧可。
住所:台東区上野公園13-9
交通:JR上野駅公園口より徒歩10分。東京メトロ銀座線・日比谷線上野駅、京成電鉄上野駅より徒歩15分。
「密教彫刻の世界」
2019/3/26~6/2

特別展 「国宝 東寺―空海と仏像曼荼羅」の開催に合わせ、密教に関した館蔵品の仏像を紹介する特集展示が、東京国立博物館・本館14室で行われています。

重要文化財「愛染明王坐像」 鎌倉時代・13世紀
赤々と染まる体躯を見せ、忿怒の相を見せた、迫力のある一体の仏像に目がとまりました。それが鎌倉時代に作られた「愛染明王坐像」で、胸のあたりから脚へと至る装身具なども細かに象られていました。かつては奈良の永久寺に伝来したとされていて、儀礼では秘密に扱われたゆえに、彩色はもちろん、後背や台座なども制作当時の姿をとどめているそうです。

重要文化財「十一面観音菩薩立像」 中国 奈良・多武峯伝来 唐時代・7世紀
展示室の中央に鎮座するのが、中国の唐より請来された「十一面観音菩薩立像」で、白檀を用い、全身から装身具までを一木で掘り出していました。伏した目で、穏やかに前を見据える姿も印象に残りましたが、どことなくインド風の顔立ちも特徴の1つとされていました。

「不動明王立像」 平安時代・12世紀 東京・大田区
日本画家、川端龍子の旧蔵していた仏像も出展されていました。それが「不動明王像」で、平安後期に各地で普及した、左目を細め、閉じた口から違う牙を出した容貌を見せた、「不動十九観様」と呼ばれる不動明王の一例でした。仏教を篤く信仰したことでも知られる龍子は、自邸に持仏堂を設け、この「不動明王」などを安置しては、日々、祈りを捧げていたと言われています。

右:「千手観音菩薩坐像」 南北朝時代・14世紀
11の頭上面を戴き、42本の脇手を四方へ伸ばした「千手観音菩薩坐像」も目立っていたのではないでしょうか。南北朝時代の院派仏師の作とされ、角ばった顔などに中国の明の仏像の特徴を見ることが出来ました。やや口をすぼめ、わずかに笑みをたたえるかのような表情にも、心惹かれるものを感じました。

「八臂十一面観音菩薩立像」 中国・清時代 17~18世紀
このほか、中央チベット、ないしネパールに伝わったとされる「チャクラサンヴァラ父母仏立像」や、中国の清の官営工房で作られたとされる「八臂十一面観音菩薩立像」なども印象に残りました。あまり日本では見慣れない、縦に積み上がる頭上面の造形も興味深いかもしれません。
会場は、本館の1階、常設展内の14室です。もちろん特別展のチケットでも観覧出来ます。「特別展 国宝 東寺―空海と仏像曼荼羅」へお出かけの際は、お見逃しなきようおすすめします。
本館14室では特集「密教彫刻の世界」を6/23まで開催中です。5世紀ごろインドで成立した仏教のひとつ、密教。本特集では密教固有の仏の造形を館蔵品を中心に紹介します。 #東寺展 とあわせて、ぜひ密教彫刻の世界をご覧ください。 https://t.co/SxjwGUddc2 pic.twitter.com/rMN2haNujf
— トーハク広報室 (@TNM_PR) 2019年3月29日
一部の撮影も出来ました。6月2日まで開催されています。
「密教彫刻の世界」 東京国立博物館・本館14室(@TNM_PR)
会期:2019年3月26日(火)~6月2日(日)
時間:9:30~17:00。
*毎週金・土曜は21時まで開館。
*入館は閉館の30分前まで。
休館:月曜日。5月7日(火)。但し4月29日(月・祝)、5月6日(月・休)は開館。
料金:一般620(520)円、大学生410(310)円、高校生以下、及び70歳以上無料
*( )は20名以上の団体料金。
*「特別展 国宝 東寺―空海と仏像曼荼羅」で観覧可。
住所:台東区上野公園13-9
交通:JR上野駅公園口より徒歩10分。東京メトロ銀座線・日比谷線上野駅、京成電鉄上野駅より徒歩15分。
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