「酒井抱一 四季花鳥図巻 巻上」 東京国立博物館

東京国立博物館・平常展示 8室「書画の展開」(台東区上野公園13-9
「酒井抱一 四季花鳥図巻 巻上」
4/6-5/16



大琳派展の記憶も蘇ります。東博平常展に出品中の酒井抱一「四季花鳥図巻 巻上」を見てきました。



かの大琳派展の際は全巻揃っての公開でしたが、さすがに今回は通常の展観とのことで、その一部、つまりは前半部の春と夏の箇所が紹介されています。いつもながらも抱一らしい情緒に溢れた自然描写には目も釘付けでした。



同じく数年前に展示された時にも記事にまとめたことがありますが、これは抱一が58歳の時、貴人の慶事のために描いたとされるもので、そのためかとりわけ上質な絵具を用いられていることでも知られた作品です。鮮やかな色彩はもちろんのこと、葉脈の金など、どこか雅やかな装いを感じるのもそう言った由来があるからなのかもしれません。



ちなみにこの作品については東京美術の「もっと知りたい酒井抱一」にも紹介があります。著者の玉蟲氏のテキストも冴える、同シリーズでも指折りの傑作です。是非ご覧下さい。

「もっと知りたい酒井抱一/玉蟲敏子/東京美術」

なお琳派関連としては8室の隣の7室「屏風と襖絵」にて、光琳の「孔雀立葵図屏風」が展示されていました。こちらは残念ながら撮影が不可でしたが、特に孔雀の立姿の構図はかの紅白梅図を思わせるものがあります。お見逃しなきようご注意下さい。

「四季花鳥図巻」は5月16日まで公開されています。

注)東京国立博物館は平常展の一部作品に限り撮影が可能です。
コメント ( 2 ) | Trackback ( 0 )
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コメント
 
 
 
両方同時に! (よし)
2010-05-12 08:32:42
おはようございます。
つい、先日は 等伯さんを鑑賞し、そして琳派もこうして味わえて、パソコン操るなんて すばらしい現代ですね~
むかしの品々は劣化の具合がまたいいです。
 
 
 
Unknown (はろるど)
2010-05-20 21:14:32
よしさんこんばんは。
等伯から常設の方へ廻られましたか。常設にも常に名品が出ているので東博は侮れませんよね。先日まで出ていた光琳の屏風もなかなかでした。(今は長谷川九蔵の屏風が出ています。)

定点観測していきたいですね。
 
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