都内近郊の美術館や博物館を巡り歩く週末。展覧会の感想などを書いています。
はろるど
「ポーラ ミュージアム アネックス展2020-主体と客体」 ポーラミュージアムアネックス
ポーラミュージアムアネックス
「ポーラ ミュージアム アネックス展2020-主体と客体」
2021/1/15~2/7
ポーラ美術振興財団が在外研修を助成したアーティストを紹介する展覧会が、ポーラミュージアムアネックスにて開かれています。
美術史家でポーラ美術館館長の木島俊介による監修の元、前後期に分けて計8名のアーティストが取り上げられていて、前期は「主体と客体」をテーマに、伊佐治雄悟、 石川洋樹、谷本めい、脇田常司の作品が展示されていました。
伊佐治雄悟 展示風景
まず目を引いたのは、スウェーデンにて研修を受けた伊佐治雄悟の立体を中心としたインスタレーションで、日用品を素材とした彫刻などが並んでいました。
伊佐治雄悟 展示風景
それらは洗剤のプラスチックボトルであったりプラモデルなどを原型としていて、中にはパッケージに商品名が残されている作品もありました。
伊佐治雄悟 展示風景
また制作プロセスを映した動画もスマートフォンにて紹介されていて、完成した作品と合わせて見ることもできました。作家はドイツの街中で作品を求めて歩くうちに、全てのものが彫刻に見えるという「彫刻酔い」を体験したそうです。元々の日用品が溶けては変容していくような表現も面白いかもしれません。
手前:谷本めい「Ay【Ceramic Drawings #2】」 2020年
奥:「太陽もしくは月」 2020年
セメントや土、金箔にセラミックなどの多様な素材を用いて作品を展開した、谷本めいの作品にも魅せられました。
谷本めい 展示風景
谷本は「Ceramic Drawings」の制作に際し、研修先のトルコの小さな村で出会った土を用いていて、緑色の斑紋が入り混じり、まるで軟体動物のような生き物を思わせる独特の形をした彫刻を生み出していました。
谷本めい「囀る窓」(部分) 2020年
一方で帰国してからは、山口県の方懐石を用いてモザイク画を作っていて、細かな石が渦を巻きつつ抽象的なパターンを描く作品は、まるで古代の地層から発見された遺跡の破片のようにも見えました。また僅かに散りばめられた金箔が放つ光も魅惑的でした。
脇田常司「庭」 2020年
ドイツに派遣された脇田常司の平面の作品も印象深いのではないでしょうか。ここでは戸外の庭の花畑や女性の顔、またカーテン越しの室内か扉のある部屋を連想させる風景が表されていて、一見するところ水彩かクレヨンの絵画のように思えました。
脇田常司「扉」 2020年
しかしよく見ると表面には絵具の厚みは一切なく、キャプションにも「インクジェットプリント」と記されていました。絵画と写真の合間を行き来するような表現も個性的かもしれません。
脇田常司「扉」(部分) 2020年
前期に続く後期は、2月の柏原由佳展を挟んで、3月18日より「自動と構成」をテーマに開催されます。
「ポーラ ミュージアム アネックス展2021 –自動と構成–」
会期:3月18日(木)~4月18日(日)
出展作家:上田暁子、倉和範、花房(鈴木)紗也香、山本しほり
新型コロナウイルス感染症対策から事前予約制が導入されました。但し定員に達していない時間帯は、予約なしで当日の観覧受付が可能です。
2月7日まで開催されています。
「ポーラ ミュージアム アネックス展2020-主体と客体」 ポーラミュージアムアネックス(@POLA_ANNEX)
会期:2021年1月15日(金)~2月7日(日)
休館:会期中無休。
料金:無料
時間:11:00~18:40
住所:中央区銀座1-7-7 ポーラ銀座ビル3階
交通:東京メトロ有楽町線銀座1丁目駅7番出口よりすぐ。JR有楽町駅京橋口より徒歩5分。
「ポーラ ミュージアム アネックス展2020-主体と客体」
2021/1/15~2/7
ポーラ美術振興財団が在外研修を助成したアーティストを紹介する展覧会が、ポーラミュージアムアネックスにて開かれています。
美術史家でポーラ美術館館長の木島俊介による監修の元、前後期に分けて計8名のアーティストが取り上げられていて、前期は「主体と客体」をテーマに、伊佐治雄悟、 石川洋樹、谷本めい、脇田常司の作品が展示されていました。
伊佐治雄悟 展示風景
まず目を引いたのは、スウェーデンにて研修を受けた伊佐治雄悟の立体を中心としたインスタレーションで、日用品を素材とした彫刻などが並んでいました。
伊佐治雄悟 展示風景
それらは洗剤のプラスチックボトルであったりプラモデルなどを原型としていて、中にはパッケージに商品名が残されている作品もありました。
伊佐治雄悟 展示風景
また制作プロセスを映した動画もスマートフォンにて紹介されていて、完成した作品と合わせて見ることもできました。作家はドイツの街中で作品を求めて歩くうちに、全てのものが彫刻に見えるという「彫刻酔い」を体験したそうです。元々の日用品が溶けては変容していくような表現も面白いかもしれません。
手前:谷本めい「Ay【Ceramic Drawings #2】」 2020年
奥:「太陽もしくは月」 2020年
セメントや土、金箔にセラミックなどの多様な素材を用いて作品を展開した、谷本めいの作品にも魅せられました。
谷本めい 展示風景
谷本は「Ceramic Drawings」の制作に際し、研修先のトルコの小さな村で出会った土を用いていて、緑色の斑紋が入り混じり、まるで軟体動物のような生き物を思わせる独特の形をした彫刻を生み出していました。
谷本めい「囀る窓」(部分) 2020年
一方で帰国してからは、山口県の方懐石を用いてモザイク画を作っていて、細かな石が渦を巻きつつ抽象的なパターンを描く作品は、まるで古代の地層から発見された遺跡の破片のようにも見えました。また僅かに散りばめられた金箔が放つ光も魅惑的でした。
脇田常司「庭」 2020年
ドイツに派遣された脇田常司の平面の作品も印象深いのではないでしょうか。ここでは戸外の庭の花畑や女性の顔、またカーテン越しの室内か扉のある部屋を連想させる風景が表されていて、一見するところ水彩かクレヨンの絵画のように思えました。
脇田常司「扉」 2020年
しかしよく見ると表面には絵具の厚みは一切なく、キャプションにも「インクジェットプリント」と記されていました。絵画と写真の合間を行き来するような表現も個性的かもしれません。
脇田常司「扉」(部分) 2020年
前期に続く後期は、2月の柏原由佳展を挟んで、3月18日より「自動と構成」をテーマに開催されます。
「ポーラ ミュージアム アネックス展2021 –自動と構成–」
会期:3月18日(木)~4月18日(日)
出展作家:上田暁子、倉和範、花房(鈴木)紗也香、山本しほり
【画像は伊佐治雄悟さんの作品です】ポーラ ミュージアム アネックス展2021 – 主体と客体 –2月7日(日)迄参加アーティスト:伊佐治雄悟、石川洋樹、谷本めい、脇田常司11:00 -18:40・入場無料※事前予約制(定員に達していない時間帯は予約なしでの当日観覧受付可能)https://t.co/gmiZoAYDMp pic.twitter.com/KrmkPlh5K4
— ポーラ ミュージアム アネックス (@POLA_ANNEX) January 28, 2021
新型コロナウイルス感染症対策から事前予約制が導入されました。但し定員に達していない時間帯は、予約なしで当日の観覧受付が可能です。
2月7日まで開催されています。
「ポーラ ミュージアム アネックス展2020-主体と客体」 ポーラミュージアムアネックス(@POLA_ANNEX)
会期:2021年1月15日(金)~2月7日(日)
休館:会期中無休。
料金:無料
時間:11:00~18:40
住所:中央区銀座1-7-7 ポーラ銀座ビル3階
交通:東京メトロ有楽町線銀座1丁目駅7番出口よりすぐ。JR有楽町駅京橋口より徒歩5分。
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