『ヴォルフガング・ティルマンス 「Moments of life」』 エスパス ルイ・ヴィトン東京

エスパス ルイ・ヴィトン東京
『ヴォルフガング・ティルマンス 「Moments of life」』 
2023/2/2~6/11



エスパス ルイ・ヴィトン東京で開催中の『ヴォルフガング・ティルマンス 「Moments of life」』をみてきました。

ドイツの写真家のヴォルフガング・ティルマンスは、1980年代の後半以降、写真やイメージ制作の境界線を拡張する作品を手がけ、世界各地の美術館にて個展を開くなどして高く評価されて来ました。



そのティルマンスの過去約20年に撮影された作品からなるのが『ヴォルフガング・ティルマンス 「Moments of life」』で、会場には近年収集を続けてきたフォンダシオン ルイ・ヴィトンの30点を超えるコレクションより選ばれた作品が展示されていました。



今回の個展でまず目を引くのはユニークともいえる空間の構成で、展示室の中央を斜めに区切るような高い壁を設置し、そこへ大小さまざまなサイズの写真をクリップで留めたり、額装したりして展示を行っていました。



それらは日常の光景や近しい人々などを捉えながらも、肖像や生物、また風景画といった伝統的なジャンルを思わせるイメージが広がっていて、中には古代のトルソーや17世紀オランダ絵画、またマネの『草上の昼食』を連想させる作品もありました。



「写真とは極端に薄いキューブである。」と語るインタビュー映像も興味深い内容だったかもしれません。そこでティルマンスは鑑賞者へ向かって「どう映っているのか、それぞれのつながりを見てほしい。」と呼びかけていました。



過去に国内では、東京オペラシティアートギャラリーでの『ヴォルフガング・ティルマンス展』(2004年)や、国立国際美術館の『ヴォルフガング・ティルマンス Your Body is Yours』(2015年)などでティルマンスの展示が開かれてきました。



私にとってティルマンスの作品と初めて出会ったのは前者でしたが、特に後者の個展は私がこれまで見たあらゆる写真家の展示の中でも一番といって良いほど強く印象に残りました。



今回、久々にティルマンスの写真を目にすることができましたが、次は美術館のスケールでの展示を見る機会があればと思いました。


日常の断片と身体の脆弱性を写し出す。写真家、ヴォルフガング・ティルマンスの個展が開催中!|Pen Online

撮影も可能です。6月11日まで開催されています。

『ヴォルフガング・ティルマンス 「Moments of life」』 エスパス ルイ・ヴィトン東京
会期:2023年2月2日(木)~6月11日(日)
休廊:不定休
時間:11:00~19:00
料金:無料
住所:渋谷区神宮前5-7-5 ルイ・ヴィトン表参道ビル7階
交通:東京メトロ銀座線・半蔵門線・千代田線表参道駅A1出口より徒歩約3分。JR線原宿駅表参道口より徒歩約10分。
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