「夏秋草図屏風」が明日(11/1)より千葉市美術館で展示

展示中盤を終え、会期もあと2週間のみを残すばかりとなった「酒井抱一と江戸琳派の全貌」展ですが、いよいよ明日の11月1日(火)より、抱一畢竟の大作、「夏秋草図屏風」(東京国立博物館)が登場します。



そもそも「夏秋草図屏風」自体、所蔵の東博でもせいぜい1~2年に一度程度しか公開されませんが、今回はこの抱一展にあわせて、珍しく館外、つまりは姫路、千葉会場での展示が実現しました。


酒井抱一「夏秋草図屏風」東京国立博物館蔵 *展示期間:11/1-11/13

私の記憶が定かなら、おそらく「夏秋草図屏風」が展示されるのは、2010年に東博平常展に出た以来、約2年ぶりのことです。


酒井抱一「夏秋草図屏風」東京国立博物館蔵 *東博総合文化展(常設展)での展示風景

光琳へのオマージュとして「風神雷神図屏風」の裏に描かれたというエピソードがあまりにも有名ですが、雨と風を取り込み、草花がしおらしくもまた健気に舞う様子は、まさに自然の中に詩心を見出した抱一だからこそ生み出せた世界と言って差し支えありません。

また今回、興味深いのは、同じく明日より「夏秋草図屏風草稿」(出光美術館)が展示されることです。これは2006年、出光美術館での風神雷神図屏風展でも出た「夏秋草図屏風」の下絵ですが、この両者が二点、同時期に展示されたことは近年ありません。

展示位置はまだ不明ですが、これまでにはなかった「夏秋草図屏風」の草稿と本画の比較というのも見どころの一つになるのではないでしょうか。

なお明日からの後期では、この屏風の他にも、例えば抱一の「風神雷神図屏風」(出光美術館)などの作品もお目見えします。(展示スケジュール)また其一作も相当数入れ替わるようです。既に前期をご覧になった方でも、また江戸琳派の新たな魅力を楽しめる展示になるのではないでしょうか。私も今週末に伺うつもりです。

余談ながらも私が「夏秋草図屏風」を初めて見たのは2004年、東京国立近代美術館で開催されたRIMPA展でのことでした。そしてその時の出会いの体験こそ、私の日本美術へ関心を持った切っ掛けであり、また抱一への愛情の全てのはじまりです。その作品が地元、千葉にやって来たということに胸を躍らせながら、久々の再会の時を心待ちにしたいと思います。

「もっと知りたい酒井抱一/玉蟲敏子/東京美術」

千葉市美術館での「酒井抱一と江戸琳派の全貌」展もいよいよ佳境です。是非とも是非ともお見逃しなきようおすすめします。

「酒井抱一と江戸琳派の全貌/求龍堂」

*関連エントリ
「酒井抱一と江戸琳派の全貌」Vol.1・概要 千葉市美術館
酒井抱一関連書籍情報

「生誕250年記念展 酒井抱一と江戸琳派の全貌」 千葉市美術館
会期:10月10日(月・祝)~11月13日(日)
休館:10月24日(月)、31日(月)。
時間:10:00~18:00。金・土曜日は20時まで開館。
住所:千葉市中央区中央3-10-8
交通:千葉都市モノレールよしかわ公園駅下車徒歩5分。京成千葉中央駅東口より徒歩約10分。JR千葉駅東口より徒歩約15分。JR千葉駅東口より京成バス(バスのりば7)より大学病院行または南矢作行にて「中央3丁目」下車徒歩2分。
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