都内近郊の美術館や博物館を巡り歩く週末。展覧会の感想などを書いています。
はろるど
アラン・プラネス 「ヤナーチェク:草陰の小径を通って 第1集」他 LFJ2007
ラ・フォル・ジュルネ・オ・ジャポン 熱狂の日音楽祭2007
公演番号231
ヤナーチェク ピアノ・ソナタ「1905年10月1日 街頭にて」
草陰の小径を通って 第1集
ピアノ アラン・プラネス
2007/5/3 9:45 東京国際フォーラムホールB5(ガルシア・ロルカ)
名匠プラネスによるオール・ヤナーチェク・プログラムです。目の冴えるように力強く、また明晰なピアニズムが印象に残りました。
ヤナーチェクのピアノ曲を生演奏で楽しむのは初めてでしたが、プラネスはまるでコンテンポラリーの難曲に対峙していような面持ちで一気呵成に弾き抜きます。迫力のある打鍵が音楽に大きな起伏を与え、また純度の高い和音が全体をしっかりと支えていました。その情緒性よりも、むしろ音楽の構造を丁寧に明示するかのような、半ば理路整然としたヤナーチェクです。そんな彼のアプローチは、チェコでデモ隊の労働者が射殺されたことを題材にしたという、1曲目のソナタに相応しかったと思います。
まさしく音楽の小径を彷徨うかような「草陰の小径」では、その進んでは返す音楽の流れを今ひとつ示しきれていなかったかもしれません。ここはもっと情緒に浸るような、それこそ肩の力の抜けた音楽を楽しみたいところでした。少々、力みも感じられます。
プラネスはかつてブーレーズともコンビを組み、いわゆる「前衛」を弾いていた経歴もあるのだそうです。ただ、私としてはそれよりもむしろバッハなどを聴いてみたいと思いました。そのクリアで立体的な響きが、厳格でかつ明快なバロックを生み出してくれそうです。
公演番号231
ヤナーチェク ピアノ・ソナタ「1905年10月1日 街頭にて」
草陰の小径を通って 第1集
ピアノ アラン・プラネス
2007/5/3 9:45 東京国際フォーラムホールB5(ガルシア・ロルカ)
名匠プラネスによるオール・ヤナーチェク・プログラムです。目の冴えるように力強く、また明晰なピアニズムが印象に残りました。
ヤナーチェクのピアノ曲を生演奏で楽しむのは初めてでしたが、プラネスはまるでコンテンポラリーの難曲に対峙していような面持ちで一気呵成に弾き抜きます。迫力のある打鍵が音楽に大きな起伏を与え、また純度の高い和音が全体をしっかりと支えていました。その情緒性よりも、むしろ音楽の構造を丁寧に明示するかのような、半ば理路整然としたヤナーチェクです。そんな彼のアプローチは、チェコでデモ隊の労働者が射殺されたことを題材にしたという、1曲目のソナタに相応しかったと思います。
まさしく音楽の小径を彷徨うかような「草陰の小径」では、その進んでは返す音楽の流れを今ひとつ示しきれていなかったかもしれません。ここはもっと情緒に浸るような、それこそ肩の力の抜けた音楽を楽しみたいところでした。少々、力みも感じられます。
プラネスはかつてブーレーズともコンビを組み、いわゆる「前衛」を弾いていた経歴もあるのだそうです。ただ、私としてはそれよりもむしろバッハなどを聴いてみたいと思いました。そのクリアで立体的な響きが、厳格でかつ明快なバロックを生み出してくれそうです。
コメント ( 2 ) | Trackback ( 0 )
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私もこれ行きました。
すごく難しそうな曲に思えたのでプラネス氏の力強さと正確さには圧倒されたのですが、ずっと緊張しながら聴いていた感じでした。
クラシックに疎いので曲が理解できなくて楽しめなかったのかなーと思っていたのですが、はろるどさんの感想を拝見してなるほどと思いました。
彼のバッハはなんか気持ち良さそうですね。
出向かれておられたのですね!
プラネスもお聞きだったとは…。知りませんでした…。
>すごく難しそうな曲に思えたのでプラネス氏の力強さと正確さ
少々細かい部分に難もあるかなと思いましたが、
その力強い表現は見事でしたよね。
ヤナーチェクには疎いもので何とも申し上げられないのですが、
もう少し曲の雰囲気が出ていればとも思いました。
少々、かたかったかもしれません…。
(ちなみに公式レポによれば、プラネス氏は4日の時点で時差ぼけにお悩みだったそうです…。)